「絵本が乳幼児に与える影響は?」
「0歳児に絵本を読み聞かせるねらいは?」
子育てを始めるなかで、このような疑問を抱えて「0歳の赤ちゃんに絵本はまだ早い?」そう思っていませんか?実は、絵本の読み聞かせは、赤ちゃんの脳の発達や情緒の安定に大きく関わっています。
この記事では、0歳から絵本を取り入れるメリットや、知育効果を引き出す0歳向けの絵本の選び方を詳しく解説。あわせて発達を促す絵本も紹介していますので、0歳向けの絵本選びの参考にしてください。
※2025年5月14日時点の情報です。
なぜ0歳から絵本?赤ちゃんの脳と心に与える効果
0歳の赤ちゃんに絵本を読み聞かせることは、脳の発達にとって非常に意義があります。言葉をまだ理解していない段階でも、絵本から得られる視覚・聴覚・リズムなどの刺激は、神経回路の形成を支える重要な要素です。
乳幼児期の教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものです。絵本のカラフルな色使いや形の認識、親の声による語りかけ、ページをめくる音や動作は、赤ちゃんの五感を多角的に刺激します。これらの経験が、視覚・聴覚・言語の土台づくりにつながります。
また、読み聞かせは単なる学びの機会ではなく、親子の絆を深める大切な時間でもあります。赤ちゃんは親の声を通じて安心感を得て、愛着が形成されていきます。こうした情緒的な安定は、その後の社会性や言語発達にも良い影響を及ぼします。
絵本は0歳児にとって「世界と出会う最初の道具」です。日常に自然と取り入れることで、発達を促す確かな一歩になります。
月齢別に見る!0歳児の成長と絵本の選び方
0歳の赤ちゃんは月齢によって発達段階が大きく異なります。絵本を選ぶ際は、成長に合わせて適した内容や表現を取り入れることが重要です。ここでは、生後0〜12か月を3つの時期に分けて、月齢別にどのような絵本が適しているかを解説します。
生後0〜3か月|視覚と聴覚をやさしく刺激
この時期の赤ちゃんは、まだ視力が弱く0.02ほどの薄暗い状況なので、ぼんやりとした形や動きしか認識できません。そのため、はっきりとしたコントラストのある色使い(白・黒・赤など)の絵本がおすすめです。また、音に対する反応が始まる時期でもあるため、親の優しい声で短い文章を読み聞かせることが、聴覚刺激につながります。
生後4〜6か月|手を伸ばし、触れて学ぶ
視覚の発達が進み、徐々に色や形を認識できるようになります。同時に、手で物に触れる動作も活発になるため、触って楽しめる布絵本やボードブックなどの丈夫な素材がおすすめです。聴覚は、低い音より高い音に反応するため、メロディー音の出る仕掛け絵本も◎擬音語・擬態語を多用した絵本は、言葉のリズムを感じる土台になります。
生後7〜12か月|意味理解と模倣の始まり
この時期になると、誰かと話すような「喃語(なんご)」を使い始め、赤ちゃんは「ワンワン」や「ブーブー」などの言葉を少しずつ理解し始めます。絵と言葉の関係が少しずつ結びつき始める時期なので、身近な生活や動物をテーマにした絵本がいいでしょう。また、親指を使ってつまんだり手を伸ばしたりすることができるようになるため、親のまねをしてページをめくろうとしたり、声を出したりすることも見られるようになります。
絵本は、赤ちゃんの発達段階に合わせて内容や形式を変えていくことで、知育効果をより高めることができます。月齢に応じた絵本選びを意識することで、より自然に「脳を育てる」環境を整えられるでしょう。
0歳児におすすめの絵本9選
0歳の赤ちゃんにぴったりな絵本を選ぶ際は、「五感への刺激」「反応の引き出しやすさ」「繰り返し楽しめること」がポイントです。ここでは、月齢にあったおすすめの絵本を紹介します。
生後0~3か月におすすめ|コントラストのある色使いの絵本
対象年齢:0歳~
サイズ:12 x 2 x 12 cm
ページ数:20ページ
「もいもい」は、赤ちゃんが「見つめる」反応を科学的に分析し、赤ちゃんが自然と目を引かれるデザインに設計されています。赤ちゃんが繰り返し見ても飽きにくく、視覚発達へのアプローチに優れた一冊です。丸みのあるボードブック仕様で厚みがあるので扱いやすいです。
対象年齢:0歳~
サイズ:17.5 x 1.8 x 17.5 cm
ページ数:24ページ
「あかあかくろくろ」は、はっきりとした配色とシンプルな図形で構成された、視覚刺激に特化した絵本。0〜3か月頃の赤ちゃんの視覚にあっており、まだ視力が発達していない時期でも見やすい絵本です。
「だるまさんが」は、「だ・る・ま・さ・ん・が…」と、リズミカルに展開する絵本。体の動きを表すユニークな動詞が多く、赤ちゃんが体を動かしてマネしたくなる一冊。親子で一緒に読む楽しさが倍増します。
生後4~6か月におすすめ|擬音語・擬態語を多用した絵本
対象年齢:0歳~
サイズ:19.5 x 0.9 x 20.4 cm
ページ数:24ページ
「だっだぁー」は、赤ちゃん言葉の擬音語を中心に構成されており、乳児が発する音に近い言葉が並びます。親の声で読むことで、赤ちゃんの発語を促すとともに、やりとりの土台を築きやすくなります。
対象年齢:0歳~
サイズ:1.2 x 14 x 14 cm
ページ:22ページ
「じゃあじゃあびりびり」は、擬音語の連続で構成された一冊。「じゃあじゃあ」「ぶーぶー」など、耳で楽しめる言葉が満載で、聴覚と言葉のリズム感覚を育みます。ボードブックなので厚紙仕様でめくりやすく、破れにくいのもポイントです。
対象年齢:0歳~
ページ数:29ページ
「もこ もこもこ」は、抽象的なイラストと不思議な言葉のリズムが特徴的な絵本。ストーリー性はありませんが、予測できない展開が赤ちゃんの興味を引きつけます。発語前の赤ちゃんでも音に反応しやすく、繰り返し楽しめます。
生後7~10か月におすすめ|身近な生活や動物をテーマにした絵本
対象年齢:0歳~
サイズ:21 x 18.6 x 0.7 cm
ページ数:20ページ
「いないいないばあ」は、1967年の発行以来、ロングセラーを誇る絵本です。ページをめくるたびに「いないいない」「ばあ」と展開する構成が、赤ちゃんの好奇心と記憶力を刺激します。単純な繰り返しで反応を引き出しやすく、初めての絵本としておすすめです。
「わんわん わんわん」は、動物の鳴き声だけで構成されたシンプルな絵本。赤ちゃんは音のパターンに反応しやすく、特に動物の声は注意を引きやすい傾向があります。言葉のリズムや強弱を感じる第一歩におすすめです。
対象年齢:0歳~
ページ数:32ページ
色と形のしかけが楽しめる「どうぶついろいろかくれんぼ」絵本。型抜きや重ねの仕掛けが、指先を使った遊びと視覚的な発見を促します。五感を通して「見る・触れる・めくる」を楽しめます。
絵本の力を引き出す!読み聞かせの工夫と親の関わり方
絵本を活用するうえで重要なのは、どんな絵本を選ぶかだけではありません。読み方や親の関わり方次第で、絵本の知育効果は大きく変わります。ここでは、0歳児への読み聞かせをより効果的にするためのポイントを紹介します。
赤ちゃんの反応に合わせて「読むスピード」を調整する
0歳児はまだ集中力が短く、一つひとつの絵や音に強く反応します。急いでページをめくるのではなく、赤ちゃんがじっと見ている間は少し間を取ったり、声をかけてあげたりすることで、絵本の世界をしっかり味わわせることができます。
抑揚をつけて読むと、赤ちゃんの「聴く力」が育つ
同じ文章でも、声のトーンやリズムに変化をつけることで、赤ちゃんの聴覚への刺激が高まります。特に擬音語や繰り返しの表現では、テンポをつけて読むことでより関心を引きやすくなります。ただし、大げさすぎる抑揚は逆効果となるので気を付けましょう。
読み聞かせを生活のルーティンに取り入れる
毎日決まった時間(例:寝る前、お風呂上がり)に絵本を読むことで、赤ちゃんに安心感を与えやすくなります。習慣化することで絵本への興味も深まり、自然と語彙や記憶の引き出しも広がります。
赤ちゃんが絵本を触れる時間も大切にする
親が一方的に読むだけでなく、赤ちゃん自身がページをめくったり、表紙に触れたりすることも大切です。0歳の時期は五感を使った学びが中心であり、触る・見る・聞くという「全身での体験」が知育の基盤になります。
絵本は読むだけでなく、赤ちゃんと一緒に楽しむことで知育効果が高まるアイテムです。親子の時間を大切にしながら、日々の読み聞かせを通して豊かな感性と考える力の土台を育てていきましょう。
まとめ|0歳からの絵本習慣が、未来の学びの基盤になる
0歳の赤ちゃんに絵本を読み聞かせることは、脳の発達や情緒の安定に大きく関わっています。特に、視覚・聴覚・言語への刺激が著しく効果を発揮する時期に、適切な絵本を選んで繰り返し読むことで、赤ちゃんの「感じる力」「聞く力」「表現する力」の土台を育てることができます。
絵本は月齢や発達段階に合わせて内容や形式を変えることで、知育効果が高まります。白黒コントラストや擬音語、身近な題材など、赤ちゃんが反応しやすい要素を持つ絵本を取り入れることで、感覚や記憶への働きかけが自然と進みます。
ただし、赤ちゃんの発達には個人差があります。他の子と比べて焦る必要はなく、親子のペースで絵本との時間を楽しむことが、なにより大切です。
今回紹介した絵本は、視覚・聴覚・触覚をバランスよく刺激し、0歳から楽しめるものばかりです。毎日の生活に絵本を取り入れながら、赤ちゃんの知的好奇心や感性を少しずつ育てていきましょう。
#絵本 #頭が良くなる絵本 #幼児絵本 #読み聞かせ #知育ママ #0歳 #知育
▼参考文献
文部科学省.“第2節 幼児教育の意義及び役割”.https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/siryo/attach/1395402.htm,(参照 2025-05-14)
北海道ひまわりの北竜町.“発育・発達の様子 【発達の目安】”.http://www.town.hokuryu.hokkaido.jp/pdf/sukusuku/5.pdf,(参照 2025-05-14)
LIFEHACKER.“【0歳向け絵本】脳や心を育てるのはどれ?読み聞かせのプロに聞いた”.https://www.lifehacker.jp/article/0_years_old_picture_book/,(参照 2025-05-14)
マナビスタ.“0歳の新生児向けに絵本の読み聞かせを始めよう! 赤ちゃんの月齢別オススメ絵本8選”.https://www.gakken.jp/homestudy-support/forkids/picture-book/9865/,(参照 2025-05-14)