子供同士の会話の中で「ふわふわ言葉」と「ちくちく言葉」という言葉を聞いたことはありませんか。
保育園や小学校では、人をうれしい気持ちにする言葉を「ふわふわ言葉」、相手を傷つけてしまう言葉を「ちくちく言葉」と呼び、言葉づかいについて学ぶ機会があります。
しかし、「ふわふわ言葉とはどんな言葉なのか」「子供にはどのように伝えればよいのか」「具体的な例を知りたい」と考える家庭も多いでしょう。
この記事では、ふわふわ言葉の意味やちくちく言葉との違い、子供に伝えたい具体例や家庭での教え方についてわかりやすく解説します。日常の声かけに取り入れるヒントとして、ぜひ参考にしてください。
※2026年3月4日時点の情報です。
ふわふわ言葉とは?
子供との関わりで使われる「ふわふわ言葉」とは、聞いた人の気持ちをやさしく包み込み、安心感や喜びを与える言葉のことです。保育や子育ての現場では、子供の自己肯定感を育てる大切な言葉かけとして重視されています。
ふわふわ言葉の意味
ふわふわ言葉とは、相手がうれしい気持ちになったり、安心したりする言葉を指します。保育園や小学校では、人との関わり方を学ぶ取り組みの一つとして紹介されることがあります。
ふわふわ言葉の例には、相手の気持ちを大切にした声かけが含まれます。例えば、次のような言葉があります。
- ありがとう
- うれしい
- すごいね
- だいじょうぶ?
- いっしょにやろう
- がんばったね
- いいね
これらの言葉は、相手を認めたり、気持ちに寄り添ったりする声かけです。日常生活の中で自然に使うことで、子供は相手の気持ちを考えた言葉づかいを少しずつ学んでいきます。
子供がふわふわ言葉を使う経験を重ねることで、人との関わり方や思いやりの気持ちを学ぶきっかけになります。家庭でも意識して取り入れることで、言葉の使い方について自然に考える機会をつくることができます。
ふわふわ言葉の効果は?
日常的にふわふわ言葉をかけられた子供は、安心して自分を表現できるようになります。その結果、挑戦する意欲が高まり、人との関わりにも積極的になる傾向が見られます。また、失敗しても「次はがんばろう」という前向きな気持ちを持ちやすく、粘り強さを育む効果も期待できます。さらに、家庭や保育の中で繰り返し伝えられることで、信頼関係が深まり、子供は「大人に受け止められている」という安心感を得られます。
甘やかしとの違い
ふわふわ言葉は「なんでも許すこと」や「叱らないこと」とは異なります。いたずらや危険な行為に対しては、大人がルールを明確に伝える必要があります。たとえば「走らないで!」ではなく「ここは歩こうね」と行動を具体的に指示することが大切です。やさしさとけじめを両立させることで、子供は安心しながらも社会のルールを学ぶことができます。
ふわふわ言葉とちくちく言葉の違い
ふわふわ言葉とちくちく言葉は、相手の気持ちに与える影響の違いによって使い分けられる言葉です。ふわふわ言葉は人をうれしい気持ちにする言葉である一方、ちくちく言葉は聞いた人を傷つけたり悲しい気持ちにさせたりする言葉を指します。
子供は成長の過程でさまざまな言葉を覚えますが、言葉が相手の気持ちにどのような影響を与えるのかを理解する経験も大切です。ふわふわ言葉とちくちく言葉の違いを知ることで、相手を思いやる言葉づかいについて考えるきっかけになります。
ちくちく言葉とは
ちくちく言葉とは、聞いた人が悲しい気持ちになったり、傷ついたりする言葉を指します。
ちくちく言葉の例には、次のようなものがあります。
- ばか
- きらい
- うるさい
- あっちいって
このような言葉は、聞いた人を悲しい気持ちにさせてしまうことがあります。
子供は感情が高ぶると強い言葉を使ってしまうことがありますが、言葉が相手にどのような影響を与えるのかを理解する経験も大切です。ふわふわ言葉とちくちく言葉の違いを具体的な場面とあわせて考えることで、子供は言葉づかいについて学びやすくなります。
子供への影響
ちくちく言葉が続くと、子供は自信を失いやすく、人との関わりを避けたり挑戦する気持ちが弱まることがあります。小さな積み重ねが心の傷となり、自己肯定感を下げる要因となるため、注意が必要です。
子供に伝えたいふわふわ言葉の例一覧
これらの言葉は、相手を認めたり、気持ちに寄り添ったりする声かけです。
例えば、友達が何かを手伝ってくれたときに「ありがとう」と伝えることで、相手は役に立ったと感じます。また、努力している様子を見て「がんばったね」と声をかけると、子供は自分の行動を認めてもらえたと感じます。
家庭でもこのような言葉を意識して使うことで、子供は自然にふわふわ言葉を身につけていきます。
家庭で使えるふわふわ言葉(10例)
- 朝の支度:「自分で着替えられてえらいね」
- 食事のとき:「おいしそうに食べてくれてうれしいよ」
- 片づけをしたとき:「おもちゃをしまってくれて助かったよ」
- 手伝いをしたとき:「お皿を運んでくれてありがとう」
- 挑戦したとき:「やってみようとする気持ちがすてきだね」
- 失敗したとき:「最後までがんばったのがすごいよ」
- 落ち込んでいるとき:「気持ちを教えてくれてありがとう」
- けんかの後:「仲直りできてよかったね」
- 寝る前:「今日も一緒に過ごせて幸せだよ」
- 日常のひとこと:「大好きだよ」
家庭での言葉は、日常の行動や気持ちを受け止めることが大切です。
保育や学校で使えるふわふわ言葉(10例)
- 発表のとき:「みんなの前で話せて立派だったよ」
- 友達と遊ぶ姿を見て:「一緒に遊んであげてやさしいね」
- 友達にやさしくしたとき:「やさしい気持ちがすてきだね」
- 集団生活で:「友達と仲良くできてえらいね」
- 運動の場面:「一生けん命走ってかっこよかったよ」
- 挑戦したとき:「難しいのにあきらめなかったね」
- 手伝いをしたとき:「片付けをしてくれて助かったよ」
- 失敗したとき:「次は失敗しないようにがんばろう」
- 休み時間:「とっても楽しそうだったね」
- 存在そのものに:「みんなが楽しく過ごせるのは○○さんがいてくれるからだね」
保育や学校の現場では、子供の努力や存在を認める言葉が、安心して行動できる環境づくりにつながります。
日常で思わず使ってしまうちくちく言葉の例一覧
ちくちく言葉は、大人が注意や指導のつもりで使ってしまうものです。ここでは、よく使ってしまう言葉と、子供の気持ちを育むふわふわ言葉への言いかえ例を紹介します。
家庭で思わず出てしまうちくちく言葉の言いかえ(10例)
- 「早くしなさい!」 → 「もうすぐ出発だから急ごうね」
- 「好き嫌いばかりしてダメでしょ」 → 「頑張って一口食べてみよう」
- 「何回言ったらわかるの?」 → 「もう一度一緒にやってみようか」
- 「どうしてできないの?」 → 「ここまでできたね、次はこうしてみよう」
- 「こんなこともできないの?」 → 「少しずつ練習すればきっとできるよ」
- 「だから無理だって言ったでしょ」 → 「挑戦したことがすごいよ」
- 「じっとしてなさい」 → 「今はお話を聞く時間だよ。終わったら質問しよう」
- 「悪いのはあなたでしょ」 → 「どうしてそうしたのか聞かせてね」
- 「またやったの?」 → 「次はどうすればうまくいくかな?」
- 「ほんとに困った子ね」 → 「○○(行動)をしてくれると嬉しいな」
保育や学校で思わず出てしまうちくちく言葉の言いかえ(10例)
- 「どうしてできないの?」 → 「ここまで頑張れてえらいね」
- 「声が小さい」 → 「もう少し大きな声で聞かせてほしいな」
- 「下手だね」 → 「練習したらもっと上手になるよ」
- 「みんなできてるのに」 → 「ゆっくりで大丈夫だよ、先生待ってるね」
- 「まだ終わってないの?」 → 「もう少しでできそうだね」
- 「なんで持ってこないの?」 → 「次は準備をしっかりして持ってこれるかな?」
- 「またトラブルを起こしたの?」 → 「なんでそうしたのか教えてくれる?」
- 「真面目にやりなさい」 → 「集中できるかな」
- 「そんなの簡単でしょ」 → 「少しずつ上手になってきたね」
- 「問題ばっかり起こして」 → 「困ったときは相談してね」
親や大人の言葉遣いの心構え
子供にふわふわ言葉を届けるためには、大人自身の姿勢や心の持ち方がとても重要です。子供は大人の言葉を敏感に受け止め、繰り返し耳にすることで自分の価値を判断していきます。そのため、日々の声かけを意識的に見直すことが、子供の健やかな成長につながります。
感情を整える工夫
忙しさや疲れから、思わず強い言葉を発してしまう場面は誰にでもあります。そんなときは、まず自分の気持ちを整えることが大切です。深呼吸をして落ち着く、少し距離をとってから声をかけるなど、大人が感情をコントロールできれば、余計なちくちく言葉を減らせます。感情に任せた叱責は、子供にとって必要以上に重く心に残ることがあるため、冷静な対応を心がけましょう。
言葉を選ぶ意識
注意や叱りが必要なときでも、表現を工夫することで子供の受け止め方は変わります。例えば「走らないで!」ではなく「ここは歩こうね」と伝えると、禁止ではなく次の行動への指針となり、安心感を持って行動できます。行動を具体的に示す言葉は、子供の理解を助け、前向きな学びにつながります。
大人が見せる姿勢
大人自身がふわふわ言葉を使っている姿を見せることも効果的です。家族や友人に「ありがとう」「助かったよ」と伝える習慣を持つことで、子供は自然にまねをし、思いやりある言葉を身につけていきます。大人の言葉選びが、子供にとって最も身近な手本になるのです。
家庭でふわふわ言葉を教える方法
ふわふわ言葉は、大人から子供への一方的な声かけで終わらせるのではなく、子供自身が自然に使えるようになることが大切です。自分の言葉が相手を喜ばせたり、安心させたりする経験を積むことで、子供は「言葉には力がある」と理解できるようになります。そのためには、日常生活の中で意識的に伝え、体験させる工夫が欠かせません。
大人がふわふわ言葉を使う
子供にふわふわ言葉を伝えるうえで大切なのは、大人が日常生活の中で実際に使う姿を見せることです。
例えば、家族の会話の中で
「ありがとう」
「助かったよ」
「うれしいよ」
といった言葉を自然に使うと、子供は言葉の使い方を身近に感じます。
子供は周囲の大人の言葉づかいを見て学ぶことが多いため、家庭での会話は言葉の学びにつながります。
ちくちく言葉を言い換えてみる
子供がちくちく言葉を使ったときには、叱るだけではなく、ふわふわ言葉への言い換えを一緒に考える方法もあります。
例えば
「うるさい」
→「もう少し小さい声で話してくれる?」
「いやだ」
→「いまはやりたくない」
このように言い方を変えると、相手の気持ちを考えた伝え方になります。
言葉の違いを具体的に考えることで、子供は人との関わり方を少しずつ理解していきます
場面ごとに練習を取り入れる
ごっこ遊びやロールプレイを通じて、具体的な場面でふわふわ言葉を練習することも効果的です。おもちゃを貸してもらったら「ありがとう」、遊びを手伝ってもらったら「うれしいよ」と声に出して言う練習をすると、実際の生活の中でも自然に使えるようになります。
絵本や活動を活用する
ふわふわ言葉やちくちく言葉を題材にした絵本を読むと、子供は言葉が持つ影響を直感的に理解できます。読み聞かせのあとに「どんな言葉を言ったら友達が喜ぶかな?」と問いかけることで、考える力も育ちます。また、折り紙や工作など共同活動の中で「ありがとう」を使う場面を意識的に設けると、体験を通じて学べます。
言葉を使えたときに認める
子供が実際にふわふわ言葉を口にしたときは「やさしい言葉を言えたね」と具体的に伝えることが大切です。行動を認められると、子供は「また言ってみよう」と思うようになり、日常の中で定着していきます。
ふわふわ言葉が学べるおすすめの絵本3選
ふわふわ言葉やちくちく言葉は、子供が人との関わり方を学ぶうえで欠かせないテーマです。ここでは、家庭でも楽しく学べる絵本や児童書を紹介します。親子で一緒に読み進めることで、自然とやさしい言葉づかいが身につきます。
対象年齢:4歳~
サイズ:18.8 x 0.9 x 18.8 cm
ページ:32ページ
「ふわふわことばでなかよくなるほん (おしえて!サンリオキャラクターズ)」は、サンリオキャラクターたちと一緒に、ふわふわ言葉の大切さを学べる絵本です。「ありがとう」「だいすき」といった身近な言葉が、相手の気持ちを温かくすることをキャラクターのやり取りを通して伝えています。カラフルなイラストとやさしい文章で、子供でも理解しやすく、言葉の影響を直感的に感じ取れます。家庭での読み聞かせにも適しており、親子で言葉のやり取りを見直すきっかけになる1冊です。
対象年齢:3歳~
サイズ:20 x 20 x 0.7 cm
ページ:32ページ
「ちくちくとふわふわ」は、子供同士の関わりの中で生まれる「ちくちく言葉」と「ふわふわ言葉」を、物語仕立てでわかりやすく描いた絵本です。なないろさんのやわらかいタッチのイラストと、松本えつをさんの読み聞かせを意識した構成により、子供が感情移入しやすいのが特徴です。実際に読んだあと「こんな言葉を言ったらどう思う?」と親子で話し合うことで、思いやりや言葉の選び方を考える習慣づけができます。園や学校での道徳教育の題材としても活用できる内容です。
対象年齢:3歳~
サイズ:18.7 x 1.1 x 20.7 cm
ページ:56ページ
「ことばいいかええほん: ふわふわとちくちく」は教育学者の齋藤孝氏が監修し、言葉を「ちくちく」から「ふわふわ」にどう言い換えるかを具体的に紹介した本です。「うるさい!」を「ちいさなこえでおはなしして」と言い変えるなど、実生活でそのまま活用できる表現が豊富に載っています。川原瑞丸さんの温かみあるイラストが、子供にも大人にも親しみやすい雰囲気を与え、言葉を選ぶ大切さを楽しく学べます。家庭の読み聞かせだけでなく、先生や保育士が指導に取り入れる教材としても役立つ1冊です。
子供のコミュニケーション力を育てる方法については、以下の記事でも詳しく紹介しています。

まとめ|ふわふわ言葉で子供の未来をつくる
ふわふわ言葉とちくちく言葉は、子供の心の成長に大きな影響を与える言葉です。ふわふわ言葉は安心感や自己肯定感を育て、子供が挑戦する気持ちを支えます。一方で、ちくちく言葉は自信を失わせ、関わりを避ける原因となることもあります。家庭や保育の場で実践例を取り入れながら、子供自身がふわふわ言葉を使えるようサポートすることが大切です。また、甘やかしとの違いを意識し、必要な場面ではルールを具体的に伝えることも忘れてはいけません。日々の言葉の選び方が、子供の未来を豊かにしていきます。
#ふわふわ言葉 #知育ママ #知育 #3歳 #4歳 #低学年
▼参考文献
立川女子高等学校.“「ふわふわ言葉」と「チクチク言葉」”.https://www.tachikawa-joshi.ac.jp/column_back/img/201712.pdf,(参照 2025-09-09)

