クリスマスに読みたいしかけ絵本8選｜指先あそびとことばを育てる読み方

2025年11月25日

「子供に合ったクリスマスのしかけ絵本を選びたい」
「年齢ごとの違いや安全性の見極め方を知りたい」

クリスマスをテーマにしたしかけ絵本は、ページを動かす体験を通して物語に参加できる点が特徴です。めくる・引くといった動作が楽しめる一方で、素材の強度やしかけの複雑さなど、年齢に合う一冊を判断するにはいくつか確認したいポイントがあります。特に、初めてしかけ絵本を手に取る場合は安全面や扱いやすさに迷うかたもいるでしょう。

この記事では、クリスマスのしかけ絵本の特性や年齢別の選び方を整理し、家庭で取り入れやすいポイントを解説します。また、年齢ごとに選ぶ際の参考になる作品もまとめていますので、子供の発達段階に合わせた一冊を見つける際に役立ててください。

※2025年11月25日時点の情報です。

しかけ絵本・飛び出す絵本の魅力とは？

しかけ絵本や飛び出す絵本は、ページを動かす体験を通して物語に関わる機会が得られる点が特徴です。読み聞かせの際に子供が受け身になりやすい場面でも、しかけの動きによって集中しやすい状況をつくれます。以下では、しかけ絵本・飛び出す絵本ならではの特性を整理します。

指先を使う体験が物語への参加につながる

しかけ絵本は、引く・めくる・持ち上げるといった動作によって場面が変わる仕組みになっています。自分の動作で絵が変化するため、「次はどうなるのか」という予測が働きやすく、読書に参加している感覚を得られます。特に立体的にページが開き飛び出す絵本は視覚的な変化が大きく、驚きや興味につながりやすい点も特徴です。

親子のやり取りが増えやすい構造

しかけ絵本は視覚的な変化が明確なため、読み聞かせをしながら声をかけやすい場面が多くあります。「ここはどう動くかな」「誰が出てくるかな」など、短いやり取りが自然に生まれやすい構造です。季節を扱う絵本では、クリスマスのモチーフを通して物語の背景を説明しやすく、読み聞かせの場面が広がります。

繰り返し楽しめる構造が読書体験を広げる

しかけ絵本や飛び出す絵本は、何度開いても絵や動きの変化を楽しめる構造になっています。同じ場面を繰り返し操作するたびに、新しい気づきが生まれたり、前回との違いを確かめたりできるため、家庭での読書時間が自然と増えやすい特徴があります。特に立体的な変化は印象に残りやすく、子供が「もう一回読みたい」と感じるきっかけにもなります。こうした繰り返し体験は、絵本の雰囲気や物語の世界に親しむ機会をつくり、読書時間を豊かにします。

【0〜1歳】しかけ絵本の選び方とおすすめのクリスマスしかけ絵本

0〜1歳は視力や指先の動きが発達途上にあり、絵本を扱う際の力の調整が難しい時期です。しかけ絵本を手に取るときは、安全性や視認性を中心に、扱いやすい構造を確認することが大切です。ここでは、0〜1歳の発達段階に沿った選び方を整理します。

厚手素材で扱いやすい構造を選ぶ

0〜1歳は紙を引っ張ったり噛んだりする動作が見られやすい時期です。一般的な薄い紙は破れやすいため、厚手のボード紙や布素材など、耐久性のある絵本が扱いやすい傾向があります。角が丸く加工されているタイプは手に取りやすく、しかけ部分が大きく作られていると動きを確認しやすくなります。しかけの動きがシンプルな構造は、子供が扱う際の負荷も少なく、家庭でも取り入れやすい形式です。

色や形がはっきりしている絵柄を選ぶ

0〜1歳は、はっきりした色やコントラストの強い絵柄に注目しやすい時期です。赤・白・緑など季節に関連する色は視覚的にわかりやすく、ページをめくる動作のきっかけにもつながります。細かい背景よりも、大きく描かれたモチーフが中心の作品のほうが理解しやすく、読み聞かせの場面でも扱いやすい構成になります。

0〜1歳におすすめのクリスマスしかけ絵本2選

0〜1歳は、色や形の認識が未発達で、短いページ構成やシンプルな動きに注目しやすい時期です。しかけを引っぱる、めくるといった動作はまだ不安定なため、扱いやすい素材や大きめのしかけが取り入れやすいです。ここでは、発達段階に合わせて構成されたクリスマスのしかけ絵本を取り上げています。

「クリスマスパーティーはじまるよ！」は、クリスマスパーティーをテーマに、料理の準備や食べ物の登場場面がしかけとして組まれた絵本です。ページをめくると切る動きやオーブンの開閉などが描かれ、視覚的な変化がわかりやすい構成になっています。全8ページでまとまっているため、0〜1歳でも最後まで流れを追いやすい点が特徴です。イラストは原色を多く使って描かれていて、子供が注目しやすいコントラストになっています。しかけ部分は大きく、力の調整がまだ難しい時期でも扱いやすい構造です。

「サンタさんどこにいるの?」は、サンタクロースを探す「見つける遊び」を中心に構成されたしかけ絵本です。ページの一部を引き出すとイラストが現れる仕組みで、0〜1歳でも操作しやすいようにしかけが大きめに作られています。背景と人物がシンプルに描かれているため視線が迷いにくく、視覚発達の段階でも理解しやすい構成です。場面の変化がはっきりしているので、読み聞かせをすると子供が動きを追いやすく、サンタの登場に注意を向ける様子が見られるでしょう。年齢的に「探す遊び」に興味を持ち始める時期と相性がよく、季節の雰囲気を伝えながらページをめくる動作につなげやすい内容です。

【1〜2歳】しかけ絵本の選び方とおすすめのクリスマスしかけ絵本

1〜2歳は、指先の動きがより細かく発達し、自分でめくる・つまむ・引っぱるといった操作に興味を示しやすい時期です。しかけの動きに合わせてページを繰り返し触る場面も増え、絵本との関わり方が0〜1歳から大きく変化します。ここでは、この年齢の発達段階に合わせた選び方と、季節の雰囲気を楽しみやすい構成のポイントを整理します。

自分で操作しやすい大きめのしかけを選ぶ

1〜2歳は、自分の手で動きを起こす経験に興味を持ちやすい時期です。つまむ部分が大きく作られているものや、引っぱる方向がわかりやすいしかけは、自発的に触りやすく、読み聞かせの流れにもつながりやすい傾向があります。しかけの種類が複雑すぎないことも大切で、動きが一つひとつ明確な構造は、繰り返し操作する中で“できた”という感覚を持ちやすい点が特徴です。

場面の変化が理解しやすいストーリー構成

1〜2歳は、短いストーリーの流れを少しずつ理解できるようになる時期です。ページをめくるたびに「何が変わったのか」がわかる絵柄や、人物の動きが明確な作品は、場面のつながりを把握しやすい構成です。クリスマスを題材にしたしかけ絵本は、登場人物や色の変化がわかりやすく、読みながら会話が生まれやすい特徴があります。

1〜2歳におすすめのクリスマスしかけ絵本2選

1〜2歳向けのしかけ絵本は、指先を使った動作や簡単な場面の変化を理解しやすい構造が特徴です。ただ、初めて選ぶ場合は、どの程度のしかけが扱いやすいのか迷う場面もあるかもしれません。ここでは、1〜2歳の発達段階に合った構成を持つ、クリスマスシーズンに読みやすいしかけ絵本を紹介します。

「ねんねしたらサンタさん」は、「眠るとサンタクロースがやってくる」という設定をテーマにした作品で、ページをめくるごとに夜の場面が静かに進んでいく構成です。1〜2歳は眠る前の習慣に興味を持ち始める時期で、登場人物の動作が明確なページは「今、何をしているのか」を把握しやすい点が特徴です。しかけは大きく作られていて、方向性もわかりやすいため、つまむ・引っぱるといった動作がまだ不安定な時期でも扱いやすい構造です。ストーリーは短い文章でまとめられており、ページ数も多くないため、就寝前の読み聞かせの場面でも使いやすい構成です。

「クリスマスいないいないばあ!」は、フェルトの布をしかけとして使用したシリーズ作品で、質感の違いを楽しめる点が特徴です。1〜2歳の子供は、紙とは違う柔らかさや触り心地に興味を示しやすく、めくる動作が繰り返されやすい傾向があります。サンタクロースを探す構成は場面の変化が明確で、読み聞かせをする大人も進行を伝えやすいつくりです。最終ページの鏡は、自分の表情を見る経験につながり、読み終えたときの反応を確認しやすいしかけです。フェルト部分は折れにくく、力の調整が安定しない時期でも扱いやすいため、子供の読み聞かせとして取り入れやすい設計です。

【3〜4歳】しかけ絵本の選び方とおすすめのクリスマスしかけ絵本

3〜4歳は語彙が増え、短い物語の流れを理解しやすくなる時期です。登場人物の気持ちや展開に注目する姿が見られ、ごっこ遊びや想像遊びも広がります。また、指先の動きが安定し、複雑なしかけにも関わりやすくなる年齢です。クリスマスを題材にした絵本は、季節の雰囲気や人物の動きを理解しやすく、読み聞かせの中で会話が生まれやすい特性があります。ここでは、この年齢の発達に合わせた選び方をまとめています。

ストーリーとしかけの連動がわかりやすい絵本を選ぶ

3〜4歳では、物語の展開や登場人物の行動に関心が向きやすくなります。場面としかけが連動している作品は、絵本の中で「何が起きているのか」を理解しやすく、読み聞かせの中で会話が生まれやすい傾向があります。しかけがページの動きとつながっている構造は、ストーリーへの参加意欲を自然に引き出しやすい点がこの年齢の発達と相性が良い特徴です。

3〜4歳におすすめのクリスマスしかけ絵本2選

3〜4歳は物語の展開を追いやすくなり、登場人物の気持ちや場面の変化に関心が向きやすい時期です。クリスマスを題材にした絵本は、季節の雰囲気や登場人物の動きが理解しやすく、読み聞かせの場面でも会話が生まれやすい特徴があります。ここでは、しかけの動きとストーリーが結びつきやすい構成を持つクリスマスのしかけ絵本をまとめています。

「クリスマスの夜はしずかにね」は、クリスマスイブの夜を舞台に、プレゼントを届けるサンタクロースの動きを描いた作品です。ページをめくるたびに場面が大きく変わり、物語の中で「何が起きているのか」が追いやすい構成です。サンタクロースが静かに行動しようとするものの、さまざまなきっかけで声が出てしまう場面が描かれ、展開の流れを理解しやすい内容になっています。3〜4歳は人物の表情や感情に注目する姿が見られる時期であり、この絵本でも登場人物の反応が丁寧に描かれているため、読み手と子供の間で会話が生まれやすい特徴があります。しかけ部分は大きく動きが見やすく、場面の切り替わりが自然に伝わる構造です。

「しかけえほんクリスマスってなあに」ディック・ブルーナによる作品で、シンプルな線と色を基調に、クリスマスの由来を子供向けに伝えています。14ページの構成で、場面ごとの要素が大きく描かれているため、視覚的に理解しやすい形式です。クリスマスがどのように始まったのかを物語として紹介しており、季節の行事の背景に関心が向き始める3〜4歳の時期とも相性のよい内容です。ページにあるしかけは構造がシンプルで、動かす方向がわかりやすく、読むたびに変化を確認できる点が特徴です。サンタクロースを中心とした作品とは異なり、クリスマスの成り立ちに触れる内容のため、家庭で季節の話題を広げるきっかけにもつながります。

【4〜5歳】しかけ絵本の選び方とおすすめのクリスマスしかけ絵本

4〜5歳は、自分の気持ちと言葉を結びつけながら他者と関わる姿が増える時期です。登場人物の行動や気持ちをイメージしやすくなり、物語を「流れ」で理解することもできるようになります。絵本に対する興味はより深まり、細部の絵やしかけにも自然と目を向けられるようになります。クリスマスに関する物語も理解の幅が広がるため、行事としての意味や場面のつながりを感じながら楽しめる年齢です。ここからは、4〜5歳の発達段階に寄り添ったしかけ絵本の選び方を整理し、クリスマスをテーマにした作品をまとめています。

子供が場面をイメージしやすいしかけを選ぶ

4〜5歳になると、登場人物の気持ちに共感したり、自分の経験と重ねて物語を理解する姿が見られるようになります。感情の流れがわかりやすいページ構成や、「どう思ったのかな？」と想像しやすい描写は、読み聞かせの中で会話が広がるきっかけになります。

また、この時期は物語の展開をつかむ力が伸び、「仕掛けがストーリーのどの場面と結びついているか」を理解しやすくなる点も特徴です。例えば、手紙が届く場面やプレゼントを準備する場面を仕掛けとして表現している作品は、視覚的な動きを通して「今どんな場面なのか」をイメージしやすくなります。

さらに、4〜5歳は複雑な仕掛けにも対応しやすく、複数の動きが重なるページも楽しめます。クリスマスの情景や準備の様子が仕掛けとして描かれた絵本は、行事への関心を自然に高めるきっかけにもなるでしょう。

4〜5歳におすすめのクリスマスしかけ絵本2選

ここからは、4〜5歳の子供が場面理解をしながら楽しめるクリスマスのしかけ絵本をまとめています。しかけが物語の展開と結びついている作品を中心に取り上げています。クリスマスという行事を生活の中で味わうきっかけにもなるため、読み聞かせの時間づくりにも使いやすい構成です。

「ゆかいなゆうびんやさんのクリスマス」は、クリスマスイブに郵便配達員がさまざまな家へ手紙を届ける様子を描いた作品です。実際の封筒やカードが貼り込まれており、開けるとメッセージやしかけが見られる構造です。ミニサイズのジグソーパズルや折りたたみ式の手紙など、内容の異なる郵便物が複数セットされている点が特徴です。物語の展開と郵便物のしかけが連動しており、手紙を受け取る場面を具体的にイメージしやすい構成です。

「サンタさんのてがみ」は、クリスマスの準備を進めるサンタクロースを中心に、子供から届いた手紙を手がかりに物語が展開していく作品です。ページには、封筒を模したしかけや折りたたみ式のカードなど複数の手紙風のパーツが組み込まれており、開いたり引き出したりする動作で内容を確認できる構成です。手紙の種類によって形状やしかけの動きが変わるため、場面の進行に合わせて操作の仕方が自然に変化します。

ことばを育てるしかけ絵本の読み方

しかけ絵本は、ページを引っぱる・開く・動かすなど、子供が自分の手を使って操作するしかけが多くあります。幼児期の発達では、手指の動きとことばの理解は密接に関わっており、手指を使った経験が語彙の獲得や物の理解につながります。しかけ絵本は「操作」と「ことば」の刺激を同時に得られる点が特徴で、年齢に応じて使い方を工夫すると、より言語発達を後押しできます。

しかけの動きに合わせて言葉を添える

子供が扉を開くしかけに触れたとき、「扉が開いたね」「ここにサンタがいるね」など、動きとことばをセットで伝えてあげると、語句の意味をイメージと一緒に捉えやすくなります。特にしかけ絵本は視覚・聴覚・触覚が同時に働くため、単語や表現を覚えるきっかけが自然に生まれやすいのが特徴です。

読み聞かせのテンポは「会話の速さ」が基本

また、読み方のテンポも大切です。物語をゆっくり読み過ぎると、しかけを動かしたタイミングと内容の結びつきが弱くなり、子供が先の展開を待ちきれず集中が途切れてしまうことがあります。特にしかけと物語が連動している絵本では、会話に近い自然な速さで読むことで、場面の流れを理解しやすくなり、語彙や表現にも意識が向きやすくなります。

しかけ絵本は、動きの楽しさに加えて、ことばを身近に感じられる機会が多くあります。しかけを触った瞬間に「大人が見つけたことを言葉にして伝える」だけでも、子供は語彙を少しずつ吸収していきます。日常の会話と絵本の世界がつながるような読み方を意識すると、ことばへの興味が自然と育つでしょう。

まとめ｜クリスマスのしかけ絵本は子供の年齢と発達に合わせて選ぶ

クリスマスのしかけ絵本は、季節感を味わいながら「動かして楽しむ体験」ができる特別な一冊です。ただし、より楽しめるかどうかは子供の年齢や発達段階によって異なるため、その時期に合った選び方が大切になります。

0〜1歳は色や形の認識が育ち始める時期で、シンプルで鮮やかな配色の絵本が適しています。1〜2歳では指先の動きが発達してくるため、つまむ・めくるなど操作しやすいしかけがある絵本が喜ばれます。3歳以降はストーリー理解が進むため、物語としかけが連動している作品を選ぶと、クリスマスの世界観により深く入り込みやすくなります。

しかけを動かす行為は手指の発達だけでなく、認知や言語の育ちにも関係します。場面の変化に合わせて大人が言葉を添えることで、語彙や表現の理解が自然に広がります。

クリスマスは子供にとって特別な行事だからこそ、しかけ絵本を通して「自分で動かす楽しさ」と「物語の世界に触れる体験」を同時に味わえる良い機会になります。年齢に合わせた一冊を選びながら、親子で季節の時間を楽しんでみてください。

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参考文献
ヨメルバひろば.“【しかけ絵本のおすすめ11選】年齢別の絵本の選び方とおすすめ作品を絵本のプロが紹介！”.https://yomeruba.com/hiroba/recommend/rec-ehon/entry-13615.html,（参照 2025-11-25）
Domani.“親子で楽しめる「飛び出す絵本」11選｜選び方のポイントも解説”.https://domani.shogakukan.co.jp/742896l,（参照 2025-11-25）
サンライズキッズ保育園野洲園.“ことばや集中力が身につく　絵本の読み合い”.https://www.sunrisekids-hoikuen.com/yasu/about/ehon.html,（参照 2025-11-25）
絵本ナビスタイル.“子どもの「話す力」、絵本でどう伸ばす？”.https://style.ehonnavi.net/ehon/2020/08/02_422.html,（参照 2025-11-25）

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