「0歳児の絵本のねらいは?」
「0歳児に絵本を読んであげるとどんな効果があるのでしょうか?」
まだ言葉を話せない時期に絵本を読んでも意味があるのか、迷うこともありますよね。ページをすぐにめくってしまったり、口に入れたりする姿を見ると、「今はまだ早いのでは」と感じることもあるでしょう。
しかし、0歳児の脳は生後すぐから急速に発達しています。この時期に絵本を通して音や色、リズムに触れる経験は、言葉の土台づくりや親子の愛着形成につながります。
この記事では、0歳児の絵本のねらいを5つに整理し、脳と心を育てる読み聞かせのコツを具体的に解説します。迷いや不安を整理するための材料として、ぜひ参考にしてください。
※2026年2月19日時点の情報です。
0歳児に絵本は必要?発達における基本的な役割
0歳児に絵本はまだ早いのでは、と感じるかたは少なくありません。言葉が出ていない時期に読み聞かせをしても理解できないのではないか、と疑問に思うこともあります。しかし、乳児期は脳や感覚が急速に発達する大切な時期です。0歳児の絵本のねらいは、内容を理解させることではなく、発達の土台を育てることにあります。ここでは、その基本的な役割を整理します。
0歳でもちゃんと届いている|絵本は「ことばの土台」を育てる時間
0歳児はまだ言葉を話すことはできませんが、大人の声の高低やリズム、抑揚の違いを感じ取っています。読み聞かせの中で繰り返される音や短い言葉は、耳から入る刺激として脳に蓄積されていきます。この積み重ねが、将来ことばを理解し、発語へとつながる土台になります。乳幼児期の語りかけや読み聞かせなど、日常的な言語刺激は大切です。
読み聞かせの目的は、単語を覚えさせることではありません。大人の声を心地よく聞く経験そのものが、ことばの基礎を支えます。反応が少なくても、静かに聞いているように見えなくても、耳はしっかり働いています。
見る・聞く・触れるを同時に刺激|脳が発達する乳児期
乳児期は、神経回路が急速に形成される時期です。視覚や聴覚、触覚などの感覚機能が発達していく段階であり、外からの刺激を通して脳の働きが活発になります。
絵本には、はっきりした色や単純な形、繰り返しのある音など、感覚を刺激する要素が含まれています。ページをめくる動きや紙に触れる体験も、触覚への刺激になります。
0歳児の絵本のねらいは、物語を理解させることではありません。五感を通して外界の刺激に触れる経験を重ねることが、発達の土台づくりにつながります。
ママ・パパとの関わりそのものがねらい|愛着形成につながる時間
読み聞かせは、絵本を見る活動であると同時に、大人との関わりの時間でもあります。抱っこや膝の上で声を聞く経験は、身体的な接触と音声刺激が結びついた体験になります。
乳児期に安定した関わりを重ねることは、愛着形成に関わると発達心理学で示されています。特定の教材や方法が重要なのではなく、「同じ対象を一緒に見る」「同じ時間を共有する」という経験そのものに意味があります。
0歳児の絵本のねらいは、正しく読ませることではありません。ママ・パパと同じものを見て、同じ声を聞き、同じ時間を過ごす体験を積み重ねることが、関係づくりの基盤になります。
0歳児の絵本のねらい5つ|発達を支える具体的な目的
0歳児の絵本には、なんとなく良さそうというイメージだけではなく、発達に基づいた明確なねらいがあります。0歳児の絵本のねらいは、理解させることではなく、脳と心の土台を育てることです。ここでは、家庭での読み聞かせがどのような成長につながるのかを5つに整理して解説します。
①ことばの土台をつくる|音とリズムの積み重ね
0歳児はまだ言葉を話すことはできませんが、大人の声の高さや強弱、リズムの違いを感じ取っています。読み聞かせで繰り返される擬音語や短いフレーズは、意味よりもまず音として脳に届きます。
乳児期は、耳から入る刺激を通して音の違いを聞き分ける力が育つ時期です。「わんわん」「ぶーぶー」などの単純な繰り返しは、音のパターンを認識する経験になります。反応が薄く見えても、聞いていないわけではありません。視線が合わなくても、手を動かしていても、耳は働いています。
0歳児の絵本のねらいは、単語を覚えさせることではなく、音に親しむ経験を重ねることです。この積み重ねが、将来の語彙理解や発語につながる基盤になります。
②感情を共有する|表情と声から気持ちを感じ取る
絵本を読むとき、大人は自然と声色を変えたり、表情を豊かにしたりします。0歳児は言葉の意味よりも先に、その変化を感覚として受け取ります。
明るい声、ゆったりした声、少し驚いた声など、声のトーンは感情の手がかりになります。表情の変化や笑顔も、安心感や楽しさの体験につながります。同じ場面で毎回笑い合う経験は、「この時間は心地よい」という感覚の積み重ねになります。
途中で絵本のページを閉じてしまっても問題ありません。数秒でも目が合い、笑顔が交わされれば、感情の共有は成立しています。0歳児の絵本のねらいには、こうした感情体験を重ねることも含まれます。
③愛着形成を深める|一緒にいる時間が意味を持つ
抱っこや膝の上で絵本を読む時間は、身体的な接触と声の刺激が同時にある体験です。乳児期は、繰り返される関わりの中で大人との関係を学んでいきます。
絵本の時間は、特別な教育活動ではありません。日常の中で同じページを見て、同じ声を聞き、同じ時間を共有することが重要です。うまく読もうとする必要はありません。子供が途中で立ち上がっても、ページを何度も戻っても、それは自然な反応です。
この時期の読み聞かせは、物語を最後まで聞かせることが目的ではありません。「一緒に過ごす経験」を積み重ねることに意味があります。その時間の繰り返しが、親子関係の基盤になります。
④集中する力の芽を育てる|数秒の積み重ねが大切
0歳児の集中力は長く続きません。しかし、数秒でも絵をじっと見る経験は、注意を向ける力の芽になります。同じ絵本を繰り返すことで、「次は何が出てくるのか」という予測も生まれます。予測と確認を繰り返す経験は、認知機能の発達に関わります。
すぐに飽きてしまうこともありますが、それは発達段階として自然です。短い集中の積み重ねが、将来の学習の土台になります。0歳児の絵本のねらいには、こうした注意力の芽を育てる役割も含まれています。
⑤五感を刺激する|感じる体験そのものがねらい
はっきりした色や単純な形は視覚への刺激になります。読み聞かせの声は聴覚への刺激です。ページをめくる動きや紙に触れる感覚は触覚への刺激になります。
0歳児は、目で見て、耳で聞いて、手で触れる体験を通して外界を理解していきます。絵本はそのすべてを同時に体験できる道具です。物語の内容を理解することが目的ではありません。感じる体験そのものが、発達の基盤になります。0歳児の絵本のねらいは、五感を通して世界に触れる機会を増やすことにあります。
0歳児の月齢別|2か月ごとの絵本の関わり方
0歳児といっても、生後すぐの時期と1歳に近い時期では発達段階が大きく異なります。0歳児は発達の個人差が大きい時期です。月齢はあくまで目安であり、目の前の子供の様子に合わせて関わることが大切です。0歳児の絵本のねらいをより効果的に活かすためには、月齢に合わせた関わり方が参考になります。ここでは、2か月ごとに分けて読み聞かせのポイントを整理します。
0〜1か月|声を聞くことが中心の時期
この時期は視力がまだ十分に発達しておらず、はっきり見える距離は20〜30cmほどといわれています。そのため、絵本の内容を見るというよりも、大人の声を聞く体験が中心になります。
授乳後や抱っこの時間に、ゆっくりと短い言葉を読んであげるだけで十分です。長く読む必要はありません。数行でも問題ありません。反応がほとんどなくても心配はいりません。まぶたが重そうに見えても、耳はしっかり働いています。0歳児の絵本のねらいは、この時期では「声に触れること」にあります。まずは大人の声を心地よく聞く経験を重ねることが大切です。
2〜3か月|はっきりした色や形に目が向き始める
2〜3か月頃になると、視覚が少しずつ発達し、コントラストの強い色や大きな形に視線を向けるようになります。白黒や赤などのはっきりした色使いの絵本が適しています。
まだ集中時間は長くありませんが、数秒間じっと見つめる瞬間が出てきます。その短い時間が、注意を向ける力の芽になります。途中で顔をそらしたり、体を動かしたりしても自然な反応です。視線が戻ったタイミングで声をかけると、やりとりの感覚が生まれます。
0歳児の絵本のねらいは、静かに聞かせることではなく、見る経験を重ねることにあります。


4〜5か月|声や表情への反応が増える
首がすわり、周囲への興味が広がる時期です。読み聞かせ中に声を出したり、手足を動かしたりする姿が増えてきます。
大人の声の抑揚や表情の変化に反応しやすくなるため、擬音語や繰り返しのある絵本は特に取り入れやすいです。「ばあ」「わあ」などの単純な音を楽しむ様子が見られることもあります。ページを見ていないように感じる場面もありますが、声に反応して体を動かしていることもあります。
0歳児の絵本のねらいには、こうしたやりとりの積み重ねも含まれています。大人の表情や声を通して、感情体験を重ねる時期です。
6〜7か月|自分で触れて確かめる時期
手の動きが活発になり、絵本に触れたり、ページをめくろうとしたりします。紙を口に入れることもありますが、発達段階として自然な行動です。
触る、めくる、つかむといった動きは、手指の発達と関係しています。布絵本や厚紙の絵本など、安全に扱えるものを選ぶと安心です。じっと聞かせようとするよりも、「一緒に触ってみよう」という姿勢の方が、この時期には合っています。
0歳児の絵本のねらいは、触れる体験も含まれています。絵本を通して、視覚と触覚の両方を使う経験が増えていきます。

8〜9か月|繰り返しを好むようになる
同じページを何度も見たがる様子が出てきます。繰り返しは安心感につながります。「もう一回」と感じているように、同じ場面を指さしたり、声を出したりすることがあります。この繰り返しは予測する力の芽になります。集中時間は少しずつ伸びますが、途中で別のことに興味が移るのも自然です。
0歳児の絵本のねらいは、最後まで読むことではありません。繰り返し楽しむ経験を通して、安心できる時間を積み重ねることにあります。
10〜11か月|指さしや模倣が見られる
この頃になると、絵を指さしたり、大人の言葉をまねしようとする姿が見られます。「わんわんはどれかな」と問いかけると、視線や指さしで反応することがあります。まだ正確に言えなくても、音をまねしようとする姿は言語発達の一歩です。やりとりが増えることで、読み聞かせは双方向の時間に変わります。
0歳児の絵本のねらいは、こうした関わりの中で少しずつ形になっていきます。正解を求める必要はありません。やりとりを楽しむことが大切です。
脳と心を育てる読み聞かせのコツ|家庭でできる実践ポイント
0歳児の絵本のねらいを理解しても、「実際にどう読めばよいのか」と迷うことがあります。長く読まなければならないのか、正しく読まなければ意味がないのかと不安になることもあるでしょう。ここでは、家庭で無理なく取り入れられる読み聞かせのコツを具体的に整理します。
上手に読まなくてよい|大切なのは声を届けること
読み聞かせは、きれいに読むことが目的ではありません。0歳児にとって重要なのは、内容の正確さよりも、大人の声の響きやリズムです。言い間違えても、途中で止まっても問題ありません。むしろ自然な語りかけの方が、日常の延長として受け取りやすい場合もあります。読み聞かせの上手さよりも、子供との目線や声のやわらかさが大切です。
0歳児の絵本のねらいは、声に触れる経験を重ねることです。うまく読もうと緊張するよりも、笑顔でゆっくり語りかけることを意識すると、親子の時間がより心地よいものになります。
繰り返しには意味がある|同じ絵本でも問題ない
同じ絵本ばかり読んでほしがる姿を見ると、「もっと違う本を読んだほうがよいのでは」と感じることもあるかもしれません。しかし、繰り返しは発達にとって重要な経験です。
同じページを何度も見ることで、次に何が出てくるのかを予測する力が育ちます。この予測と確認の繰り返しは、認知発達の基礎になります。また、繰り返し同じ絵本を読むことは安心感にもつながります。内容が分かっていることが、心の安定につながります。
0歳児の絵本のねらいは、新しい情報を増やすことではありません。お気に入りの一冊を何度も楽しむことも、十分に意味のある関わりです。
短い時間でも十分|1日数分から始める
忙しい毎日の中で、長い読み聞かせの時間を確保するのは難しい場合があります。しかし、0歳児の集中は長く続きません。数分でも十分です。おむつ替えの後や寝る前など、生活の流れの中に自然に組み込むと続けやすくなります。
毎日必ず読まなければならないわけではありません。無理に回数を増やすよりも、「楽しい時間だった」と感じられることが大切です。0歳児の絵本のねらいは、量よりも関わりの質にあります。短くても穏やかな時間を積み重ねることが、発達の土台になります。
反応がなくても心配しない|見えない成長がある
読んでいる最中にページを閉じたり、そっぽを向いたりすることがあります。反応がないと、意味がないのではと不安になることもあるでしょう。しかし、0歳児は静かに見ていなくても、耳から音を受け取っています。視線が合っていなくても、声は届いています。
すぐに目に見える変化がなくても、繰り返しの関わりが後の発達につながることもあります。0歳児の絵本のねらいは、即時的な成果を求めるものではありません。日々の小さな積み重ねが、ことばや感情の発達の基盤になります。
よくある質問
まとめ|0歳児の絵本のねらいは「関わり」にある
0歳児の絵本のねらいは、物語の理解や知識の習得ではありません。ことばの土台づくり、感情の共有、愛着形成、集中する力の芽、そして五感への刺激など、発達の基盤を育てることにあります。
月齢によって反応は大きく異なります。じっと見ない時期もあれば、同じページを何度も繰り返す時期もあります。その姿は発達段階による自然な変化です。反応が少なくても、意味がないわけではありません。声や表情、触れる体験は、目に見えない形で積み重なっています。
0歳児の絵本のねらいは、「うまく読むこと」ではなく、「一緒にいる時間を重ねること」にあります。数分でも、同じ本でも、途中で終わっても問題ありません。
絵本は特別な教育ではなく、日常の関わりの延長です。肩の力を抜きながら、声を届ける時間を大切にしてみてください。その小さな積み重ねが、脳と心の発達を支えていきます。
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参考文献
北海道ひまわりの北竜町 明るい農法.“発育・発達の様子【発達の目安】”.http://www.town.hokuryu.hokkaido.jp/pdf/sukusuku/5.pdf,(参照 2026-02-19)
