モンテッソーリモビールとは？効果・種類・いつから使うかを徹底解説

2025年10月7日

「モンテッソーリ教育におけるモビールってなに？」
「モンテッソーリ・モビールにはどんな効果があるのですか？」

このように、モンテッソーリ教育で使われるモビールと赤ちゃんの発達との関係を知りたいと考えるかたもいますよね。モンテッソーリ教育では、赤ちゃんが自ら世界に関心を向ける力を育てるため、発達段階に合わせたモビールを用います。

この記事では、モンテッソーリモビールの特徴や効果、種類、いつから使えるかを詳しく解説します。子育てに不安があるかたや、モンテッソーリ教育について知りたいかたは、ぜひ、参考にしてください。

※2025年10月7日時点の情報です。

モビールとは？モンテッソーリとの関わり

赤ちゃんが見つめて楽しむ「モビール」は、もともと芸術品として生まれた動くオブジェです。しかし、モンテッソーリ教育では単なる飾りではなく、赤ちゃんの発達を助ける大切な教材として位置づけられています。ここでは、モビールの基本的な特徴と、モンテッソーリ教育との関係について詳しく見ていきましょう。

ゆらゆら動くモビールってどんなもの？

モビールとは、糸や針金、紙、プラスチック、金属板などでつくられたつり下げ型のオブジェのことです。電気で動くものもありますが、基本的には風を受けてゆらゆらと動く姿が特徴で、空気の流れによって形や影が変わる様子を楽しめます。もともとは北欧の民芸品として親しまれており、20世紀にはアメリカの彫刻家アレクサンダー・カルダーが発表した「動く彫刻」によって世界的に知られるようになりました。

現在ではインテリアとしてだけでなく、赤ちゃんの興味を引くアイテムとしても活用されています。吊るしたモビールが自然な風でゆっくりと揺れることで、赤ちゃんが目で動きを追い、集中する練習になります。こうした動きは、視覚の発達を促すとともに、穏やかな情緒を育てる手助けにもなります。

モビールが赤ちゃんの「見る力」を育てる理由

モンテッソーリ教育は、イタリアの教育者マリア・モンテッソーリによって考案された教育法です。「子供には自ら学び成長する力がある」という理念のもと、子供が自由に活動を選び、自発的に成長できる環境を整えることを大切にしています。

この教育の考え方の中で、モビールは赤ちゃんの発達段階に合わせて用いられる感覚教具のひとつです。

ゆっくりと動くモビールを見つめることで、赤ちゃんは自然と目を動かし、焦点を合わせる力を養います。さらに、静かな動きを見て心を落ち着かせることで、精神的な安定にもつながります。視覚と情緒の両面を刺激するモビールは、モンテッソーリ教育において欠かせない初期教材の一つといえるでしょう。

モンテッソーリモビールの種類と発達への働き

モンテッソーリ教育で使われるモビールは、赤ちゃんの発達段階に合わせて形や色が変化します。生まれてすぐから数か月の間に少しずつ変えていくことで、視覚や集中力、手足の動きに働きかけることができます。ここでは、代表的な4種類のモンテッソーリモビールと、それぞれがどんな成長を支えるのかを紹介します。

白と黒の世界を感じる「ムナリモビール」

イタリアの美術家ブルーノ・ムナリがデザインしたモビールで、白と黒のコントラストがはっきりしたシンプルなデザインが特徴です。光を反射するガラス玉が中央に配置され、自然光のゆらめきも楽しめます。生まれたばかりの赤ちゃんはまだ色の識別ができず、モノクロの世界を見ています。そのため、はっきりとした白と黒のムナリモビールは視覚にちょうどよい刺激となり、目の焦点を合わせる練習にもなります。

色のちがいに気づく「八面体モビール」

生後1か月ごろから使えるのが、光沢のあるホログラム紙でつくられた八面体モビールです。赤・青・黄といった鮮やかな色が揺れながら光を反射し、赤ちゃんの目を引きます。光の角度によって色の見え方が変わるため、同じ形でも新しい発見があり、色彩への興味や好奇心を育てます。

濃淡を感じて集中する「ゴッビモビール」

単色の糸で巻かれた球体をグラデーション状に並べたモビールです。赤ちゃんの視覚が発達し、色の濃淡を認識できるようになる生後2〜3か月ごろに使うのが目安です。微妙な色の変化を目で追うことで、集中力と色の識別力を高める練習になります。光沢のある絹糸がやさしく光を反射し、穏やかな気持ちを誘います。

動きを楽しむ「ダンサーモビール」

名前の通り、ダンサーが踊る姿をモチーフにしたモビールです。頭・胴体・脚がそれぞれ独立して揺れ動くため、軽やかで生き生きとした印象があります。モノトーンを基調に、ホログラム素材で彩りを添えたデザインが多く、目の動きと首の動きを連動させる練習にも効果的です。ゴッビモビールと同じく、生後2〜3か月ごろから取り入れられます。

モビールへの興味は生後3〜4か月頃を境に変化します。赤ちゃんが目で追わなくなったら、手で触れる遊びへとステップアップしましょう。

モンテッソーリモビールが赤ちゃんに与える効果

モンテッソーリ教育で使われるモビールは、赤ちゃんの成長に合わせて設計された感覚教材です。ゆらゆらと動くモビールを見つめる体験は、視覚や集中力を育てるだけでなく、身体の使い方や好奇心の芽生えにもつながります。ここでは、モンテッソーリモビールが赤ちゃんにもたらす主な4つの効果を紹介します。

見て追う力を育て、視覚の発達を促す

生まれたばかりの赤ちゃんの視力はまだ弱く、はっきりとした色を識別することができません。モンテッソーリモビールは、この発達段階に合わせて白黒や明暗のコントラストを工夫してつくられています。風でゆっくり揺れる動きを目で追うことで、焦点を合わせる練習になり、見る力と色を見分ける力が育ちます。成長とともに色や形を認識する力が伸び、世界をより鮮明に感じ取れるようになります。

集中力と学ぶ基礎力を育てる

モビールを目で追う体験は、赤ちゃんの集中する力を育てます。揺れの変化をじっと観察することで、自然と注意を向ける時間が長くなり、のちの「読む」「書く」「考える」といった学習の基礎になります。また、ものを目で追う力は、生活の中でも役立ちます。食事の動作や手先を使う遊びにもつながる重要な発達段階です。

身体を動かし、運動発達を助ける

モビールを目で追っているうちに、赤ちゃんは首を動かし、次第に体全体を動かすようになります。興味を持つと手を伸ばして触れようとすることもあり、首すわりや手足の協調運動の練習にもなります。モビールは「見る」だけの教材ではなく、身体の動きを引き出す役割も果たしているのです。

好奇心と感性を育てる

光の反射や色のゆらめきは、赤ちゃんにとって新鮮な刺激です。「これは何だろう？」という気持ちが生まれることで、好奇心や探究心が育ちます。また、モビールにはさまざまな色や素材、形があり、美しいデザインに触れる体験は感性や美的感覚を育てるきっかけにもなります。小さな動きや光の変化に気づく力は、豊かな感受性を育てる第一歩です。

モンテッソーリ教育におすすめのモビール

ここでは、実際にモンテッソーリ教育の考え方をもとに作られたモビールと、家庭で取り入れやすいアイテムを紹介します。いずれも赤ちゃんの発達段階に合わせて視覚や集中力を育てるよう設計されており、初めてのモビールとしても取り入れやすいものばかりです。それぞれの特徴を見ていきましょう。

白と黒の世界を楽しむ「ムナリモビール」

生後すぐから使えるムナリモビールの手作りキットです。接着剤と説明書が付属しており、ハサミとセロハンテープがあれば簡単に組み立てられます。白と黒のコントラストがはっきりしており、視覚が未発達な新生児でも認識しやすいデザインです。光を反射する透明玉がアクセントになり、赤ちゃんが自然に目で動きを追うことで焦点を合わせる練習ができます。

色のコントラストを感じる「八面体モビール」

生後1か月ごろから使える八面体モビールの手作りキットです。赤・青・黄の三原色をモチーフにした立体デザインが特徴で、光を受けて色の濃淡が変わる様子を楽しめます。ゆっくりと揺れる動きを目で追うことで、色彩の認識力と集中力を育てることができます。接着剤も同封されているため、工作初心者の親御さんでも簡単に組み立てられます。

濃淡の違いを学ぶ「ゴッビモビール」

生後2か月ごろから使える、濃淡のグラデーションが美しいモビールです。単色の球体を明るい色から暗い色へ並べることで、赤ちゃんが微妙な色の変化を認識する力を育てます。カラーボールの柔らかな光沢がやさしく光を反射し、色の差を楽しめるのが魅力です。親子で一緒に手作りしながら、色の世界を体験できます。

軽やかに揺れる「ダンサーモビール」

ダンスをしている人の姿をモチーフにしたモビールで、部品がそれぞれ独立して動くため、軽やかな躍動感があります。生後2か月ごろから使用でき、首や目を動かす練習にも適しています。完成済みパーツを組み立てるだけなので、短時間で制作できます。赤ちゃんが動きを追うことで、見る力と身体の協調性を同時に養うことができます。

ベッドで使える「取り付け式モビールアーム」

ベビーベッドに簡単に取り付けられる折りたたみ式のメリーアームです。吊り下げ部分がフック状になっており、モビールの取り付けもスムーズ。生後まもない赤ちゃんは寝て過ごす時間が長いため、視界に入る位置にモビールを吊るすことでより効果的に発達を促せます。木目調でベッドフレームになじみやすく、使わないときは折りたたんで収納できます。

モビールは赤ちゃんの手が届かない高さ（およそ50cm以上）に吊るし、落下防止の固定を確認しましょう。安全な環境で楽しむことが大切です。

まとめ｜モンテッソーリモビールで育つ「見る力」と「心の落ち着き」

モンテッソーリモビールは、赤ちゃんの発達段階に寄り添いながら、視覚や集中力、好奇心など多くの力を育てる教材です。風にゆれるモビールを見つめる体験は、単なる遊びではなく、赤ちゃんが世界を理解し始める最初の学びの時間でもあります。成長に合わせてモビールの種類を変えることで、色や形、動きの違いに気づく力を自然に伸ばせるでしょう。

また、モビールを通して親子でゆったりと過ごす時間は、赤ちゃんに安心感と情緒の安定をもたらします。「見る」「感じる」「伸ばす」という小さな積み重ねが、成長を支える大切な基礎になります。赤ちゃんのまなざしの変化を感じながら、日々の生活の中にモンテッソーリモビールを取り入れてみてください。

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▼参考文献
イロケンモビール.“モビールって何？”.https://soramobile.net/what,（参照 2025-10-07）