「秋をテーマにした絵本は?」
「3歳児にウケる絵本は?」
木々が色づき、風の香りが変わる秋は、子供の五感をやさしく刺激する季節です。落ち葉を踏む音や実りの色づきなど、自然の変化を感じられる今だからこそ、絵本を通して季節を楽しむ時間が子供の心を豊かにします。
3歳ごろは、言葉の理解が深まり、自分の感じたことを少しずつ言葉で表現し、情緒が育まれる時期です。絵本の世界に登場する自然や動物、食べ物の描写は、語彙や想像力を広げ、感情の育ちにもつながります。親子で絵本を読むひとときは、安心感や信頼関係を育む大切な時間でもあります。
この記事では、秋の自然や食べ物、ことばのリズムを3歳児と楽しめる秋の絵本を紹介します。親子で季節を感じる読み聞かせ時間を楽しむヒントとして、ぜひ参考にしてください。
※2025年11月11日時点の情報です。
秋の自然を感じる絵本|色や音で季節の変化を楽しもう
秋の絵本には、木々の色づきや落ち葉の音、動物たちの冬支度など、子供の感覚を豊かにする題材がたくさんあります。3歳児は、まだ「季節」という言葉を十分に理解していませんが、身近な自然の変化を通して、季節の移り変わりを感じ取る時期です。絵本のページを通して色や音を味わう体験は、子供の感性や表現力を育てる大切な時間になります。ここでは、秋の風景やいきものの動きを親子で楽しめる絵本を紹介します。
対象年齢:3歳~
サイズ:19.3 x 0.8 x 26.8 cm
ページ数:32ページ
「14ひきのあきまつり」は、紅葉で色づいた秋の森で、14ひきのねずみたちがかくれんぼをするお話です。お母さんたちが木の実を採りに行っているあいだ、子供たちとおばあちゃんは森のあちこちに隠れますが、なぜか「ろっくん」だけが見つかりません。みんなで探していくと、森の中では不思議なあきまつりのようすが広がっていて、ページいっぱいに秋の景色やいきものたちの姿が描かれています。細かい描き込みが多く、「ろっくんはどこ?」「ここに誰がいる?」と親子で会話をしながら楽しめる一冊です。
対象年齢:3歳~
サイズ:19 x 0.9 x 20.4 cm
ページ数:32ページ
どんぐりころころ そのあとは・・・」は、童謡「どんぐりころころ」から生まれた物語で、転がったどんぐりのそのあとを描いています。どんぐりが出会うさまざまな出来事を通して、自然の中で生きることの意味をやさしく伝えます。歌と合わせて読むと内容を理解しやすく、3歳児でも楽しみながら自然への興味を広げられます。絵もやわらかく、秋の穏やかな空気が伝わる作品です。
「おちばのほん」は、落ち葉の形や色、手ざわりまで丁寧に描かれた本です。ページをめくるたびに、赤や黄色、茶色など、秋の色の変化を感じ取ることができます。写実的なイラストは、まるで本物の落ち葉を拾っているような感覚を与え、観察する目を育てます。公園へ出かける際に持って行って、同じ葉っぱを探してみるのもおすすめです。「自然を見つける目」を育てる一冊です。
秋の食べ物を楽しむ絵本|実りの季節を親子で味わおう
秋は、くだものや野菜、きのこなど、自然の恵みがたっぷり実る季節です。3歳の子供は「食べること」を通して季節を感じ取りやすい時期であり、絵本を通して食べ物への興味や感謝の気持ちを育てられます。秋の味覚を題材にした絵本は、親子の会話を広げ、食卓での会話にもつながるきっかけになります。ここでは、見て・読んで・話して味わえる「おいしい絵本」を紹介します。
「やきいもするぞ」は、落ち葉を集めてやきいもを作る、秋の定番行事をテーマにした絵本です。火の「ぱちぱち」、煙の「もくもく」といった音の表現が楽しく、声に出して読むことで臨場感が広がります。子供たちが「やきいもしたい!」とワクワクする気持ちを引き出してくれる作品です。読み終えたあとに、葉っぱや小枝を拾って「まねっこやきいも」をするのもおすすめです。
対象年齢:3歳~
サイズ:22.1 x 28.2 x 0.8 cm
ページ数:32ページ
「おいもをどうぞ」は、おいもを分け合う動物たちのやり取りがあたたかいお話です。ひとつのおいもを順番に「どうぞ」と渡す姿から、思いやりややさしさの心が自然に伝わります。短い文章とやさしい言葉づかいで、3歳児でも理解しやすい構成です。秋の味覚を通して「分け合う楽しさ」を感じられる、ほっとする一冊です。
対象年齢:3歳~
サイズ:21.6 x 1.1 x 26.4 cm
ページ数:36ページ
「ほしじいたけ ほしばあたけ」は、きのこむらの「ほだぎのさと」に暮らす、ほしじいたけとほしばあたけは、みんなから頼りにされる長老きのこです。ある日、村の子供のタマゴダケが崖の下に落ちてしまい、ふたりはどうやって助けようかと知恵をしぼります。きのこの特徴を生かしたユーモアたっぷりの展開は、「どうやって助けるんだろう?」と子供が先を想像しながら聞ける内容です。個性豊かなきのこたちがたくさん登場するので、指さし遊びや会話も広がります。
秋の行事や文化を感じる絵本|季節の行事を親子で楽しもう
秋は、お月見やお祭り、どんぐり拾いなど、子供が自然や文化に触れる機会が多い季節です。3歳児にとって行事はまだ特別な意味を理解する段階ではありませんが、「きれい」「たのしい」といった感覚を通して、季節や人とのつながりを感じ取ることができます。絵本を通して秋の行事を知ることは、家族の会話や経験のきっかけにもなります。ここでは、行事の雰囲気を親子で味わえる絵本を紹介します。
対象年齢:3歳~
サイズ:20.7 x 22.2 x 1 cm
ページ数:32ページ
「おつきみうさぎ」は、お月見の日に、子供たちがすすきの生えた野原で出会う小さなうさぎを中心に描かれたお話です。明るい昼間の風景から、だんだんと月がのぼる夜へと移り変わる描写が美しく、秋の夜の静けさを感じられます。お月見の準備や空を見上げる子供たちの姿を通して、「季節を楽しむ気持ち」や「自然の不思議さ」がやさしく伝わります。文章もリズミカルで、3歳児が飽きずに聞ける構成です。
「ぼくのえんそく」は、遠足の日、風邪をひいて行けなくなったぼく。でも「行きたい!」という気持ちはとまらず、想像の世界で出発します。猫とジュースの入った水筒を持って、空の上を旅する姿がユーモラスに描かれ、子供の純粋な想像力を感じさせます。長谷川義史さんのあたたかく大胆な色づかいが、夢と現実をつなぎ、読後にやさしい余韻を残します。
親子で秋の絵本を楽しむコツ|季節を感じる読み聞かせの工夫
秋の絵本は、自然や行事、食べ物など、身近なテーマが多く描かれています。3歳児はまだ「秋」という言葉の意味を十分に理解していませんが、絵本の色や音、登場する動物や食べ物を通して、少しずつ季節の変化を感じ取るようになります。読み聞かせの時間を「学び」ではなく「発見の時間」に変えることで、感性とことばの世界が豊かに広がります。
実際の体験とつなげて読む
絵本の中で出てくる落ち葉やどんぐり、月やおいもなどを、日常の体験とつなげることがポイントです。たとえば『おちばのほん』を読んだあとに公園で落ち葉を拾ったり、『おつきみうさぎ』を読んだ夜に月を見上げてみたり。実際の自然と絵本の世界を結びつけることで、子供の理解が深まり、言葉だけではなく感覚でも季節を味わえるようになります。親子で同じ発見を共有する体験は、絵本への興味を長く育てるきっかけにもなります。
子供のペースに合わせてゆっくり読む
3歳児は集中して聞く時間が短く、言葉よりも絵やリズムから内容を感じ取ることが多い時期です。大人が先回りして説明したり、急いで読み進めたりせず、ページをめくるテンポを子供の反応に合わせることが大切です。たとえば「これはなにかな?」「どんな色だね」と声をかけながら進めると、子供が自分の言葉で考えるきっかけになります。絵本を読む時間を「会話の時間」として楽しむことで、親子の関係がより深まります。
まとめ|秋の絵本で感じる心とことばを育てよう
秋は、自然や食べ物、行事など、子供が五感を通して世界を感じ取るのにぴったりの季節です。3歳児は、言葉での理解よりも「見た」「聞いた」「感じた」経験を通して、少しずつ季節の意味を学んでいきます。絵本を通じてそのきっかけを与えることで、子供の感性や想像力、言葉の表現力が豊かに育ちます。
また、絵本を読む時間は、親子が向き合って気持ちを共有できる大切なひとときです。ページをめくりながら季節の変化や行事の楽しさを感じることで、日常の中にも小さな発見や感動が生まれます。秋の絵本を通して、子供の「もっと知りたい」「やってみたい」という好奇心を育み、親子で一緒に季節の世界を楽しんでください。
#秋の絵本 #3歳児 #知育 #絵本 #幼児絵本 #読み聞かせ #知育ママ
参考文献
文部科学省.“学習指導要領「生きる力」”.https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/you/nerai.htm,(参照 2025-10-11)

