「知育絵本の目的は何ですか?」
「おすすめの知育絵本はなんですか?」
絵本を探す中でそんな疑問をもつかたもいるのではないでしょうか。絵本は、子供の成長に欠かせない大切な存在です。なかでも知育絵本は、楽しみながら言葉や数、感情表現などを自然に学べます。しかし、年齢や発達段階に合っていない絵本を選んでしまうと、子供が興味を示さなかったり、学びに結びつかなかったりすることもあります。
そこでこの記事では、発達段階ごとのおすすめ知育絵本を紹介しつつ、絵本選びのポイントや活用方法も解説します。絵本選びに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
※2025年5月1日時点の情報です。
知育絵本とは?その特徴と知育効果
知育絵本とは、子供の知的発達を促すことを目的に作られた絵本のことです。色や形、音、言葉、数、物語など、五感を刺激するさまざまな要素が含まれており、遊びながら自然と学べるのが特長です。
例えば、視覚的に目を引くカラフルな絵や、触って楽しい素材、リズム感のある文章、音の出るしかけなど、子供が興味を持って能動的に関われるように工夫されています。まだ言葉を理解できない乳児期には、視覚や聴覚に訴えるシンプルな絵本が効果的で、成長するにつれて、ストーリー性のある絵本や言葉遊びを取り入れた内容に変化させていくと、子供の発達をサポートできます。
知育絵本の魅力は、単に知識を与えるだけでなく、親子のコミュニケーションを深めるきっかけにもなる点です。絵本を通して「これは何?」「どうしてこうなるの?」と問いかけたり、一緒に笑ったり驚いたりする時間は、言語能力や感情の発達にもつながります。
このように、知育絵本は子供の成長段階に合わせて「楽しく学ぶ」ことを実現する、心強い育児ツールです。
知育絵本の選び方|発達段階別に押さえるポイント
知育絵本を選ぶ際は、子供の年齢や発達段階に合っているかが大切です。成長に応じた絵本を選ぶことで、子供は自然と興味を持ち、学びにつながります。
0〜1歳は「五感を刺激する絵本」を
この時期の子供には、以下のような絵本がおすすめです。
- 色や形がはっきりした絵本
- 音が出る絵本やしかけ絵本
- 布や触感のある素材を使った絵本
子供は視力や認識力が発達途中なので、内容の複雑さよりも「見る・聞く・触る」といった体験を重視しましょう。
2〜3歳は「言葉と模倣を楽しむ絵本」を
指差しや模倣が活発になるこの時期は、
- 動物や食べ物など子供の身近なものが登場する絵本
- 擬音語・繰り返しの多い言葉遊び絵本
などが効果的です。言葉の習得を楽しくサポートしてくれます。
4歳以降は「ストーリー性や感情に触れる絵本」を
子供の好みがはっきりしてきて、理解力や感情表現が育ってくる時期には、
- 登場人物に共感できるストーリー絵本
- 問題を解決するような展開のある絵本
が向いています。想像力や論理的思考を育むのに役立ちます。
安全面・親の読みやすさもチェック
子供が安心して使えるかどうかも重要です。たとえば、
- 角が丸く加工されているか
- 誤飲の心配がないか
- 絵本のサイズや重さ、文字の大きさが適切か
といったポイントも確認しておきましょう。
このように、年齢と発達に合った絵本を選ぶことで、子供の学びを引き出すことができます。
年齢別おすすめ知育絵本12選
発達段階に合わせて選ぶことで、知育絵本はより大きな効果を発揮します。ここでは、年齢別におすすめの知育絵本をご紹介します。
0〜1歳向けの知育絵本3選
対象年齢:0歳~
サイズ:1.2 x 12.8 x 18.2 cm
ページ数:16ページ
「きらきら ぴかぴか」は、東北大学の瀧靖之教授が監修したシリーズの第1弾。乳児期の視覚刺激に注目し、赤・黄・白・黒といった色彩のコントラストや、幾何学的な形状を組み合わせたデザインが特徴です。科学的根拠に基づいて赤ちゃんの脳を刺激するよう設計されており、視覚が弱い乳児期でも目に届くのできらきら光るホログラムで作られた絵本です。
対象年齢:対象年齢:0歳~
サイズ:17.4 x 1.8 x 17.4 cm
ページ数:24ページ
「しましまぐるぐる」は、視覚が未発達な0歳児にも見やすいように、コントラストの強い「しま模様」と「ぐるぐる模様」を全面に使った絵本です。赤ちゃんが自然と注目する「黒・白・赤・黄」の配色が中心で、絵にあわせたリズミカルな言葉の繰り返しが特徴です。また、赤ちゃんは目や口があるものを顔として認識して好む傾向にあるため、生後すぐからの読み聞かせにもピッタリです。
対象年齢:0か月~
サイズ:21.4 x 14 x 5.4 cm; 90 g
「アンパンマン ~脳を育む~ おでかけ布えほん」は、人気キャラクター・アンパンマンを通じて、赤ちゃんの好奇心を引き出す布製の絵本です。パリパリ音が鳴るページや鈴入りアンパンマンなどのしかけが散りばめられており、触感・音・視覚の複合的な刺激を提供します。持ち運びしやすいリング付きで、ベビーカーや外出時の使用にも便利。丸洗いできるので衛生面にも配慮されています。
2〜3歳向けの知育絵本3選
対象年齢:0歳~
サイズ:17.5 x 1.7 x 17.5 cm
ページ数:8ページ
乳児玩具ブランド「Sassy」が監修するしかけ絵本「わお!」は、発達心理学に基づいたデザインが特徴です。目を引く蛍光カラーやユニークなキャラクターで、低月齢の場合は目の正面20~30cmのところで見せると焦点が合いやすいです。しかけを自分で動かすことで、指先の巧緻性や観察力、好奇心を養うことができます。
対象年齢:3歳~
サイズ:22 x 0.8 x 31 cm
ページ数:32ページ
「はなをくんくん」は、アメリカの作家ルース・クラウスによる絵本で、モノクロ調の雪景色のなか、動物たちが何かを探しながら進んでいく静かなストーリーが展開されます。派手な色彩や擬音に頼らず、子供の「なぜ?」「どうなるの?」という内発的な興味を引き出す内容です。予測と発見を繰り返す構成が、論理的思考や注意力の向上が期待できます。
「ばいばいできるかな」は、子供の社会的スキルを育てるお別れのあいさつに焦点を当てた絵本です。ページごとに異なる動物たちが登場し、手を振って「ばいばい」をするというシンプルな構成で、模倣力や人との関わり方を楽しく学べます。親しみやすいイラストとテンポのよい言葉の繰り返しが、2〜3歳児の言語発達につながります。
4歳〜向けの知育絵本3選
「もう ぬげない」は、服が脱げなくなってしまった少年の心の葛藤とユーモラスな妄想を描いた作品です。独特な視点と、言葉のユーモアが光る一冊です。「どうしよう」という感情に寄り添いながら、子供の自己肯定感や創造力を育む内容となっており、読むたびに新しい発見が見つかります。読解力が伸びてくる4歳以降の子供にぴったりです。
「しょうぼうじどうしゃじぷた」は、1966年に出版されて以来、長く親しまれている絵本です。小さな消防車「じぷた」が活躍するまでの物語を通じて、「自分の力を信じること」「みんなに役割があること」を伝えてくれます。働く車に興味を持ち始める時期の子供にとっても魅力的で、ストーリーの展開を追うことで、読解力や感情理解を自然と養える構成です。
対象年齢:4歳~
サイズ:22.9 x 23 x 0.6 cm
ページ数:24ページ
「数字に強くなる知育シールブック」は、遊びながら数字や数の概念を学べる、シール形式のアクティビティブックです。ページごとに、貼る・探す・数えるといった動作があり、指先の運動と同時に達成感と集中力も養われます。学校入学を見据えた「プレ勉強」として活用できる内容で、楽しみながら数字に親しめるのが特徴です。
音が出る知育絵本3選
「脳科学からうまれた あなぽこえほん のりもの」は、脳科学の視点から開発された音付き知育絵本で、指で押すと「プップー」「ガタンゴトン」とリアルな乗り物音が鳴る仕組みで、音の因果関係や集中力を養う工夫がされています。遊びながら乗り物の名前や動きを学べる点が魅力です。また、歌のボタンを押すと乗り物の音以外もでるなど、子供が飽きない工夫がされています。
対象年齢:0歳~
サイズ:3.5 x 19 x 25 cm
ページ数:32ページ
「おうた&スイッチあそび」は、童謡に合わせてスイッチを押すと音が鳴る知育絵本。スイッチの種類も複数あり、押す強さやリズムによって違った音を楽しめます。「となりのととろ」や「マツケンサンバⅡ」などが収録されており、歌に合わせて体を動かしたり歌ったりすることで、リズム感や言語発達にアプローチできます。
対象年齢:0歳~
サイズ:3 x 16 x 16 cm
ページ数:15ページ
「アンパンマン」と一緒に時計の読み方を学べる「アンパンマンおしゃべりとけい」。時計の針を動かすと、それに応じてアンパンマンが時間に関するおしゃべりをしてくれます。時刻の読み上げだけでなく、「◯時には何をする?」といった生活習慣に結びつけたフレーズが絵本に描かれており、日常生活と時間の感覚をリンクさせて学べます。アナログ時計の理解が始まる3〜5歳の子供に特におすすめで、「遊びながら学ぶ」を体現した設計です。
知育絵本を効果的に活用する読み聞かせのコツ
知育絵本の効果を最大限に引き出すには、子供の発達に合わせた「読み聞かせ方」が重要です。絵本の内容に合わせるだけでなく、声のトーンや読み方、接し方も年齢によって変化させることで、より深い理解や興味を引き出せます。
0〜1歳|ゆったりとした語りで聴覚を刺激
0歳前後はまだ言葉の意味は理解していなくても、音のリズムや語りかけのテンポに強く反応します。読み聞かせの際は、ページをめくるたびにゆっくりと話しかけるように読むことで、安心感を与え、音の違いに気づく力が育ちます。
顔を見せながら語りかけるように読み、子供の反応を感じ取ることが大切です。無理に最後まで読まず、途中でやめても構いません。反応のあった部分を何度も読んであげましょう。
2〜3歳|言葉を真似しやすい読み方を意識する
言葉を話し始める時期には、子供自身が声に出したくなるような言い回しが効果的です。擬音語や繰り返しがある絵本では、読み手もテンポよく声に出して一緒に楽しむ姿勢を見せましょう。
子供が言葉を真似しようとしたときは、途中で止まって繰り返させたり、ページを戻ったりして応じてあげると、発語への意欲につながります。内容の理解よりも「音を楽しむ」ことを重視した読み方が効果的です。
4歳以降|物語への没入と自立をうながす関わり方
この頃になると、登場人物の気持ちやストーリーの流れに注目しながら絵本を楽しむようになります。あえて過剰な抑揚を避け、自然な語り口で物語を伝えることで、子供の集中力と想像力が引き出されます。
また、繰り返し同じ絵本を読みたがる時期でもあるため、「またこれ?」と否定せず、子供の選択を尊重してあげましょう。忙しいときには絵本の読み聞かせ動画を活用しても、一定の効果が期待できます。
このように、絵本の内容だけでなく「どう読んであげるか」によって、知育効果の深まり方は大きく変わります。年齢に合わせた関わり方で、親子の絆と学びの両方を育んでいきましょう。
知育絵本と他の知育教材との違い・併用のすすめ
知育に取り組むうえで、絵本以外にもカードやパズル、デジタル教材などさまざまな知育教材が存在します。そのなかで、知育絵本は「親子のコミュニケーションを通じて学びを深められる」という点が大きな特徴です。
知育絵本の特長は「言葉・感情・対話の土台」を育てること
知育絵本は、文字・絵・ストーリーを通じて、子供の言語能力や感情表現、想像力を育てます。読み聞かせを通じて、親の声・表情・言葉にふれることで、子供は安心感を得ながら自然に学びを吸収していきます。また、絵本の内容について自分の考えを伝える力も育まれます。
他の教材は「論理・数・操作性」などの分野を強化
カードやブロック、パズル、アプリなどの知育教材は、数や図形、因果関係の理解、指先の操作性を育てることに長けています。たとえばシールブックで数を学ぶ、ブロックで立体構造を理解するなど、実体験を通じた論理的な力を伸ばせるのが特長です。
絵本+αで相乗効果を引き出す
知育絵本と他の知育教材を組み合わせて使うことで、学びの幅が大きく広がります。たとえば、絵本で出てきた動物をカードで再確認したり、数の絵本の後にシールブックで練習したりと、内容を横断的に定着させることができます。
また、知育絵本で得た語彙や世界観が、ブロックやおままごとなどの遊びの中で再現されることもあります。こうした「連動した学び」が、より深い知的理解につながっていきます。
知育絵本はあくまで「入り口」であり、「言葉」「心」の学びに強みを持つ教材です。他の知育アイテムと組み合わせることで、より効果的な幼児教育を家庭で実践することができるでしょう。
まとめ|知育絵本は発達段階に合わせて楽しく活用しよう
知育絵本は、子供の発達に寄り添いながら、言葉や感情、思考力を育てる重要な教材です。0〜1歳は視覚と音に注目し、2〜3歳ではリズムや模倣、4歳以降は物語や自発的な興味を重視することで、より高い効果が期待できます。また、読み聞かせの方法も年齢ごとに工夫することで、絵本の魅力を最大限に引き出すことが可能です。さらに、カードやパズルなどの教材と併用すれば、より多角的な知育が実現できます。知育絵本は、遊びと学びを自然に結びつける「家庭教育の強い味方」と言えるでしょう。
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▼参考文献
北海道のひまわりの北竜町明るい.“発育・発達の様子 【発達の目安】”.http://www.town.hokuryu.hokkaido.jp/pdf/sukusuku/5.pdf,(参照 2025-03-31)