1歳を迎えると、子供は身の回りの世界に強い関心を示し、手でめくったり押したりといった遊びに夢中になります。そんな成長段階に合うのが「しかけ絵本」です。カラフルな絵や動くしかけは子供の好奇心を刺激し、親子で一緒に楽しむ時間を増やしてくれます。さらに、遊びながら言葉や動作を学べる点も大きな魅力です。
この記事では、1歳児におすすめのしかけ絵本や選び方のコツをわかりやすく解説します。ぜひ参考にしてください。
※2025年8月19日時点の情報です。
1歳児にしかけ絵本がおすすめな理由
1歳頃は、自分で手を動かして結果を楽しむことが大好きな時期です。しかけ絵本はその発達段階に合い、遊びながら学びにつながる仕組みがたくさんあります。ここでは、特に大切なポイントを整理します。
手や指の発達を促す
「めくる」「押す」「引っぱる」といったしかけの操作は、指先を器用に使う練習になります。繰り返し遊ぶことで、物をつかむ力や動かす力が自然と育ちます。
因果関係を理解するきっかけになる
しかけを押すと音が鳴る、フラップを開けると絵が変わるなど、自分の動作で結果が変わる体験は「こうすると、こうなる」という因果関係を学ぶ入り口になります。
親子のやり取りが広がる
「何が出てくるかな?」「赤い車だね」と声を添えると、語彙の獲得につながります。また、驚いたり喜んだりする反応を共有することで、親子のコミュニケーションも深まります。
しかけ絵本を選ぶときのポイント
1歳児に合うしかけ絵本を選ぶには、安全面や内容のわかりやすさ、親子で一緒に楽しめる工夫が重要です。どの絵本も同じように見えても、しかけの形や素材によって子供の反応や遊びやすさは大きく変わります。ここでは選ぶときに意識したいポイントを整理します。
安全性を重視する
1歳は何でも口に入れたり強く引っぱったりする時期です。そのため、角が丸く加工されている厚紙や、誤飲の危険がないサイズのしかけを選ぶことが大切です。破れにくく丈夫な素材で作られているかどうかも確認しておきましょう。
発達段階に合った内容を選ぶ
複雑なしかけは1歳にはまだ難しく、楽しめないことがあります。絵がシンプルで色がはっきりしているものや、「押すと音が鳴る」「めくると絵が変わる」など直感的に理解できるしかけが適しています。
親子でやり取りできる工夫を取り入れる
しかけを触りながら「何が出てくるかな?」「押してみようか」と声をかけると、親子のやり取りが増えます。読み聞かせが一方通行にならず、子供の反応を引き出しながら楽しめる絵本を選ぶと、親子時間がより豊かになります。
1歳児におすすめのしかけ絵本7選
1歳になると、手で触れて結果が変わる体験に反応を示すようになります。のりもの・どうぶつ・形や色など、興味を引きやすい題材を軸に、指先で「めくる」「押す」「広げる」動作がしやすい構造か、丈夫さに配慮があるかを重視して選びました。1歳児へのしかけ絵本選びの参考にしてください。
対象年齢:1歳~
サイズ:16.8 x 1.5 x 16.8 cm
ページ数:26ページ
「のりもの つみき」は、つみきの形が、乗り物へと姿が変わっていく過程を楽しめる一冊です。ページをめくるたびに、丸・三角・四角といった形や配色の組み合わせが乗り物に見えてくる発見があり、形と色の認識を自然に促します。厚紙仕様でめくりやすく、指先で「見つけた形を指差す→名前を言う」というやり取りが生まれやすい点も特長です。積み木遊びと合わせて楽しめる絵本です。
「とびだす・ひろがる!のりものえほん」は、開くと大きなのりものが立体的に現れるダイナミックな構造が魅力です。飛行機・消防車などのスケール感を体で感じられ、空間の広がりや前後の関係に気づくきっかけになります。「車体はどこ?タイヤは何個?」と部位に注目する声かけで観察が深まり、のりもの名称だけでなく、形状語彙の習得にもつながります。折りたたまれたページが大きく広がるタイプなので比較的破けにくいですが、ボートブックタイプではないので、破けてしまう可能性があります。
「よこながきしゃぽっぽ」は、ページを横に大きく広げると長い列車になるしかけで、1冊で長い列車が完成します。床に広げて全体を見渡したり、少し折りたたんで短くしたりと、長短の比較遊びがしやすい構成です。厚みのある紙で持ちやすく、1歳でも破れにくい点も魅力。伸ばすと全長3メートルもあり、貨車ひとつひとつの絵でストーリー性を感じられるしかけ絵本です。
対象年齢:0歳~
サイズ:18.7 x 20.8 x 1.1 cm
ページ数:22ページ
「たまごのえほん」は、卵をめくると、さまざまな生き物が次々と登場します。卵が割れる音とともに「中には何がいるかな?」と予想してから開く流れが作りやすく、原因と結果のつながりや見立て遊びを育みます。はっきりした色味とシンプルな形は、1歳の視覚に届きやすいデザインです。繰り返しの構成で見通しが立つため、読み進める意欲も続きます。卵から生まれてくる動物を赤ちゃんの好きなオノマトペと一緒に学べる一冊です。
対象年齢:0歳~
サイズ:15.9 x 1.6 x 16 cm
ページ数:8ページ
「ぐるぐるさん」は、ぐるぐる回転の動きや、はっきりしたコントラストで視線が集まりやすい構成です。指でなぞる・回すといった操作で、手首や指先のコントロールを遊びの中で経験できます。絵本に出てくる効果音を子供が指を回す速さに合わせて読んであげることで、動作と言葉の結びつきが強まります。短いフレーズと反復が中心で、集中力が続きにくい1歳児にもぴったりな長さです。
対象年齢:0歳~
サイズ:29.7 x 23.2 x 1 cm
ページ数:12ページ
「ぷれいぶっく」は、触ると質感の違いが伝わる素材を多用し、触覚への働きかけが期待できる絵本です。ふわふわ、ぼこぼこ、ざらざらなど、手触りの違いを確かめながら読むと、じっくりと触って感じ取る力が育ちます。ミラーや小さな扉のようにめくれるフラップなど視覚・運動を引き出すしかけもあり、「やわらかい」「かたい」など形容語を増やすのに適しています。厚手のページで扱いやすく、短時間でも満足感のある体験が作れます。
サイズ:16 x 16 x 1.5 cm
ページ数:32ページ
「どうぶついろいろかくれんぼ」は、ページの型抜きから、次のページの色や形がのぞくしかけが特長です。シルエットを手がかりに動物名を推理する過程で、推察力が育ちます。コントラストの強い配色で、1歳でも注視しやすい仕様です。「これはなんだろうね?」「しっぽの形は?」と部分に注目する声かけを重ねると、観察の視点が増え、語彙の定着につながります。
しかけ絵本を楽しむ家庭での工夫
しかけ絵本は、読んで終わりではなく「どう遊ぶか」で学びの幅が大きく広がります。特に1歳児は繰り返しを好む時期なので、同じ絵本を何度も一緒に楽しむことで理解が深まります。家庭で取り入れる際には、ただ見せるのではなく、子供が自分から触れたくなるような声かけや関わり方を意識し、一緒に楽しむことで、知育にもつながります。
声かけを工夫して読書を双方向に
しかけを開く前に「何が出るかな?」と問いかけたり、出てきた絵を「赤い車だね」と表現すると、語彙や想像力が広がります。親の言葉がヒントになり、子供は自分で答えたり指差したりする力を育てられます。
遊び方にバリエーションを加える
同じ絵本でも、読むたびにテーマを変えると飽きずに楽しめます。たとえば「色を探す」「形を見つける」と目的を変えて読むことで、観察力や分類の力を引き出せます。繰り返す中で新しい発見をする経験が、学びの意欲を高めます。
親子で役割を交代してみる
子供がしかけを操作するだけでなく、「今度はママがめくってみるね」と交代することで、順番を待つ練習や相手を意識する力が育ちます。家庭でのやり取りに「ルール」や「順番」を自然に取り入れられる点も、絵本ならではの学びです。
まとめ|しかけ絵本で楽しく育つ1歳の力
しかけ絵本は、遊びを通して1歳児の発達を支える心強いアイテムです。手を動かすことで指先の発達や集中力が育ち、親子でのやり取りは語彙や感情の共有につながります。選び方と楽しみ方を工夫すれば、読み聞かせの時間がより充実した学びの場となるでしょう。ぜひ子供の興味に合ったしかけ絵本を手に取り、親子で一緒に新しい発見を楽しんでみてください。
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▼参考文献
北海道のひまわりの北竜町 明るい農法.“発育・発達の様子 【発達の目安】”.http://www.town.hokuryu.hokkaido.jp/pdf/sukusuku/5.pdf,(参照 2025-08-19)