「小学生向けの冬の絵本は?」
「冬におすすめの小学生向けの絵本はどれ?」
寒い季節になると、家の中で過ごす時間が増え、「冬にどんな絵本を選べばよいのか」と悩むかたもいるでしょう。冬は落ち着いて本と向き合える時期で、季節を感じられる物語は子供の想像力を広げ、気持ちを穏やかにしてくれます。
とはいえ、小学生は学年によって理解できる世界や興味の範囲が大きく異なります。低学年はリズムのある言葉やシンプルな展開を好み、中学年からは物語の深さや登場人物の気持ちにも目を向けられるようになります。高学年では、多様なテーマを扱う絵本も自然と受け止められるようになるため、学年によって絵本の選び方を変えることは満足度に大きく関わります。
この記事では、小学生が冬に楽しめる絵本を学年別に紹介します。冬の読み聞かせや読書時間を豊かにしたいかたは、ぜひ参考にしてください。
※2025年11月28日時点の情報です。
冬の絵本は小学生にどんな良い影響がある?
冬は落ち着いて本と向き合える時間がつくりやすく、小学生にとって読書を習慣づける良い季節です。外で過ごす時間が減るぶん、室内でじっくり物語に触れやすい環境が整います。雪景色や冬の空気をテーマにした作品は、季節の移り変わりに気づくきっかけになり、子供の感性をゆっくり育てていきます。読み聞かせとしても、ひとり読みの練習としても取り入れやすいため、家庭・学校どちらでも活用しやすい点が冬の絵本のメリットといえます。
雪の描写が想像力と言葉の理解を伸ばす
冬の絵本には、雪の静けさや空気の冷たさなど、季節を感じられる表現が多く使われています。こうした情景を読み取る経験は、子供が頭の中でイメージをつくる力を育て、読解の土台をつくることにつながります。特に小学生は語彙が増える時期でもあるため、冬ならではの言葉や描写に触れることで理解の幅が広がります。保育や教育の現場でも、季節の絵本を取り入れることで感性を高める取り組みが多く行われています。
読書習慣を身につけるチャンス
気温が下がる季節は自然と家の中で静かに過ごす時間が増え、読書に集中しやすい環境が生まれます。冬の絵本はゆっくり進むストーリーや落ち着いたテーマが多く、集中力を育てる入り口となります。家族で読み聞かせをする時間は安心感にもつながり、読書が「楽しい」と感じられる体験になります。一度習慣が身につくと次の季節にも続けやすく、小学生期の読書習慣の形成に役立ちます。
低学年(1〜2年生)向け|冬を感じられる絵本3選
1〜2年生は、言葉のリズムやシンプルな展開を楽しめる時期です。冬の絵本は季節の変化を感じやすく、物語の中で「寒い」「あたたかい」といった感覚を自然と言葉に結びつけるきっかけにもなります。情景がわかりやすく描かれた作品は読み聞かせに適しており、短い文でも想像力を広げやすい点が特徴です。ここでは、低学年の子供が親しみやすく、冬の時間にぴったりの絵本を掲載します。
ストーブの気持ちに寄り添う優しい物語『ストーブのふゆやすみ』
「ストーブのふゆやすみ」は、村上しいこさん作、長谷川義史さんの絵が温かい雰囲気をつくる一冊です。冬の間働き続けていたストーブが、ある日「少し休みたい」と感じる様子がユーモラスに描かれており、子供がストーブに親しみを持ちやすい内容になっています。「働く」「休む」という気持ちの変化をやさしく理解できるため、身近なものへの興味も広がります。
心がほっとする友情の物語『ふたりはいつも』
対象年齢:低学年~
サイズ:15.2 x 1.3 x 21.1 cm
ページ:64ページ
「ふたりはいつも」は、アーノルド・ローベルの名作で、がまくんとかえるくんの春夏秋冬、一年間のふたりの生活が描かれています。「そりすべり」や「クリスマス・イブ」など短いお話が5つ収録されているため、1話ずつ読み聞かせしやすく、低学年の子供でも無理なく楽しみやすいです。友達を思う気持ちや、そばにいる安心感が丁寧に描かれ、読み終わったあとにあたたかさが残る作品です。
ゆきの中で事件を追うワクワク感『ゆきの中のふしぎなできごと』
対象年齢:低学年~
サイズ:15.7 x 1.2 x 21.7 cm
ページ:50ページ
「ゆきの中のふしぎなできごと」は、「ぼくはめいたんてい」シリーズの冬を舞台にした物語で、今回は、友人が自分に渡すはずだった誕生日プレゼントを探す依頼を受けます。場面ごとの手がかりを探しながら読むため、推理する楽しさがあり、低学年でも読み進めやすいです。冬ならではの風景が物語を引き立て、考える力と観察する楽しさの両方を味わえる点が魅力です。
中学年(3〜4年生)向け|心に残る冬の物語3選
3〜4年生は、物語を読む力がぐんと伸び、登場人物の気持ちを想像しながら読む姿が増える時期です。冬を舞台にした作品は情景の変化が大きく、読み手の想像を引き出す場面が多く見受けられます。ストーリーに深みがありつつも読みやすい作品を選ぶことで、物語世界に入り込む楽しさが自然に育ちます。ここでは、中学年が無理なく読み進められ、冬の魅力もたっぷり感じられる絵本をまとめました。
冬の静けさと親子の温かさが心に残る『手ぶくろを買いに』
対象年齢:中学年~
サイズ:1 x 25 x 29 cm
ページ:32ページ
「手ぶくろを買いに」は、新美南吉さんの名作を、黒井健さんの深みのある絵で味わえる冬の絵本です。冷たい夜、母ぎつねが子ぎつねを思い毛糸の手袋を買ってあげようと町に繰り出す描写が丁寧に描かれ、人間への不安と期待が入り混じる気持ちが伝わってきます。母ぎつねが子ぎつねを思う優しさや、手ぶくろを買うという小さな出来事を通して生まれる心の成長は、中学年が自分の生活と重ねやすい内容です。冬の空気感と親子の温かさの対比が印象的で、読み終えたあとに余韻が残る一冊です。
冬の川でのスケートがワクワクを呼ぶ『楽しいスケート遠足』
対象年齢:中学年~
サイズ:15.4 x 1.7 x 20.8 cm
ページ:152ページ
「楽しいスケート遠足」は、ヒルダ・ファン・ストックムによる、オランダの冬を舞台にした物語です。子供たちが凍った川をスケートで進みながら遠足に出かけるというワクワクする展開で、冬ならではの文化や景色を味わえます。友達とのやりとりや道中のちょっとしたハプニングがテンポよく描かれ、中学年が楽しみやすい一冊です。
四季の移ろいを感じる心あたたまる物語『カメくんとイモリくん 雪だより花だより』
対象年齢:中学年~
サイズ:1.7 x 16 x 22 cm
ページ:134ページ
「カメくんとイモリくん 雪だより花だより」は、いけだけいさんによる、自然の中で暮らす小さな仲間たちのお話が12エピソード収録。冬の冷たい空気や雪の様子、春へ向かう季節の変化がやさしく描かれ、自然に寄り添う感性を育てます。カメくんとイモリくんの穏やかな会話が読みやすく、物語に落ち着いて触れたい中学年にぴったりです。
高学年(5〜6年生)向け|深く冬を味わえる物語3選
5〜6年生になると、物語を読んだあとの余韻や、登場人物の心の動きを深く味わえるようになります。冬の物語は静かな情景が多く、高学年が落ち着いて読み進められる点が特徴です。行動の背景や選択の意味を理解できる年齢でもあるため、季節感だけでなく、登場人物の生き方や気持ちの変化まで感じ取りやすくなります。ここでは、冬を舞台にした読み応えのある作品から、高学年がしっかり楽しめるものをまとめています。
思いやりの連鎖が心に残る『くつやの まるちん』
「くつやの まるちん」は、冬の街を舞台に、訪れる人々との出会いが丁寧に描かれています。主人公のまるちんが、寒さの中で困っている人へ心を向ける場面は、優しさとは何かを考えるきっかけになります。文章量はありますが、場面がわかりやすく進むため、高学年が自分の生活と重ねて読みやすい内容です。冬の静けさと人の温かさの対比が、読後に豊かな余韻を残してくれます。
冬の冒険と成長を描く『クリスマスとよばれた男の子』
対象年齢:高学年~
ページ:303ページ
「クリスマスとよばれた男の子」は、マット・ヘイグによるファンタジー要素のある物語で、主人公の男の子が北の国へ旅をする過程で、さまざまな試練と向き合っていきます。冬の景色やクリスマスの文化が物語全体に広がり、読み応えのある構成になっています。ユーモアと緊張感がバランスよく含まれており、高学年が一気に読み進めやすい作品です。夢や希望の意味を考えるきっかけにもなり、心が明るくなる作品です。
戦時下の冬と絆を描く『ゾウと旅した戦争の冬』
対象年齢:高学年~
ページ:205ページ
「ゾウと旅した戦争の冬」は、マイケル・モーパーゴによる、冬の戦時下を背景にした感動作です。少女がゾウとともに旅を続ける中で、恐怖や不安だけでなく、希望や勇気が生まれていく様子が描かれています。冬の厳しい自然と戦争という状況が重なり、高学年が「生きること」や「大切にしたいもの」を考えるきっかけになります。実在の出来事をもとにした物語であり、読み応えが大きく、深く印象に残る一冊です。
冬の絵本や物語をもっと味わうための読み方の工夫
冬は家の中で落ち着いて過ごす時間が多く、絵本や読み物にじっくり向き合いやすい季節です。同じ作品でも、読む環境や声かけを少し工夫するだけで、子供が感じ取れる世界が大きく広がります。読み終えたあとに思ったことを話す時間をつくることで、物語の理解が深まり、感情の動きを自分なりに整理する力も育っていきます。ここでは、小学生が冬の読書時間をより楽しめるようになるポイントを紹介します。
静かな環境づくりが物語への没入感を高める
冬の読書は、部屋の明かりや座る場所を工夫するだけでも集中しやすくなります。毛布をかけたり、間接照明を使ったりすると、リラックスして物語の世界に入り込みやすくなります。読み聞かせをする場合は、声のトーンを少し落ち着かせることで、冬の情景がより伝わりやすくなります。高学年の子供がひとりで読む場合も、静かな時間を意識的に用意すると、作品の深いテーマをゆっくり味わえるようになります。
読み終わったあとに感想を共有すると理解が深まる
物語の内容や登場人物の言動について「どんなところが印象に残った?」など、子供が話しやすい問いかけをすると、感じたことを言葉にする練習になります。冬の作品は静かな場面が多く、心の動きが丁寧に描かれているため、感想を共有すると気づきが広がりやすい特徴があります。高学年では、登場人物の選択について意見を交わすことで、自分の考えを整理したり、多様な視点を知ったりする機会にもつながります。
まとめ|冬にぴったりの小学生向け絵本と読み物の魅力を振り返る
冬は家の中で落ち着いて過ごす時間が増え、小学生にとって読書に親しみやすい季節です。低学年はリズムのある言葉やわかりやすい展開を楽しみ、中学年は情景描写や心の動きに共感しながら物語に入り込めるようになります。高学年では、登場人物の選択やテーマ性の深い場面を理解できるようになり、読み物としての楽しさが広がります。
学年に合わせて冬の一冊を選ぶと、子供が無理なく読書に向き合えるきっかけになり、季節の感性や読解力を育てる機会にもつながります。冬ならではの静けさの中で絵本や物語に触れる時間は、子供の心を豊かにする大切な体験です。家族や友達と感想を話し合いながら、気に入った一冊を見つけてみてください。
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