「1歳の自分で食べる練習におすすめのスプーンは?」
「スプーン練習はどのように進めればよい?」
離乳食が進み、食べられるものが増えてくると、赤ちゃんには「自分で食べたい!」という気持ちが芽生えます。この時期には、手づかみ食べと並行してスプーンを使わせてあげるのがおすすめです。
スプーンを使えるようになると食事への興味が高まり、お箸の使い方にもつながります。を使う練習にも役立ちます。
この記事では、1歳のスプーン練習の進め方や、スプーン選びのポイント、自分で食べる練習におすすめの商品を紹介します。
※2025年5月22日時点の情報です。
1歳の「自分で食べたい!」は成長のサイン
多くの赤ちゃんは1歳頃になると、食べものに対する興味関心が高まり、自分で食べたいという気持ちを抱きます。目の前にある食べ物に手を突っ込んだり、自分でスプーンを持ちたがったりする素振りが見られるでしょう。
こうした行動は、親にとっては見ていてハラハラとしてしまうかもしれません。しかし、子供に自我が芽生え、成長している証拠のため、無理にやめさせたり叱ったりするのは避けましょう。
発達段階に合わせたスプーンを選び、子供が食べることを「楽しい!」と思えるよう、うまくサポートしてあげてください。
スプーンの練習はいつから始める?
東京都教育委員会が平成28年に公開した「就学前教育カリキュラム改訂版」によると、1歳頃〜1歳6か月頃の発達の特徴として「スプーンを使って自分で食べようとする」と記載されています。そのため、1歳〜1歳半を目安に、スプーンで食べる練習を始めるとよいでしょう。
しかし、子供の成長スピードには個人差があり、実際にはいつからスプーン練習を始めても問題ありません。手づかみ食べに慣れ、スプーンに興味を示し始めたタイミングがおすすめです。無理に練習させようとせず、離乳食の進み具合や子供のペースに合わせて進めていきましょう。
失敗しても大丈夫!スプーン練習の進め方
スプーンを使う練習に進め方はあるのでしょうか?
1歳の子供にスプーンを持たせても、いきなり大人のようにうまくは使えません。成長に応じて、徐々にステップアップしていくことが大切です。成長段階に合わせたスプーンの持ち方を解説します。
ただし、ここで紹介する順番どおりに進まない場合もあります。順番が前後したり、すべてのステップを踏まなくても問題ありません。
また、スプーン練習は、手づかみ食べに慣れてから始めるのが基本です。手づかみ食べをすることで、子供は食べ物をつかむ、口に運ぶという動作を理解し、スプーンやフォークをうまく使えるようになるといわれています。食べ物に興味を持ち始めたら、手づかみ食べも積極的に促していきましょう。
①上手持ち:1歳頃〜
まずは、上からグーで握る「上手持ち」から始めます。1歳頃の子供にスプーンを持たせると、自然とこの手の形になる子が多いでしょう。この時期は、指先や手首の動きが未熟であり、肘や腕を動かして食べ物を口に運ぶためです。
上手持ちの練習は、スプーン自体に慣れさせることが主な目的です。うまく持てなくても、やさしく見守りましょう。はじめは、大人が手を添えてスプーンを口まで運んだり、スプーンに一口分だけのせたりするのが効果的です。「自分で食べれた!」という達成感を味わえるよう、手助けをしてあげてください。
②下手持ち:2歳頃〜
腕や手の運動機能が発達する2歳頃になったら、スプーンを下からグーで握る「下手持ち」の練習に移ります。下手持ちで食べるには、手首を内側にひねる動作が必要なため、上手持ちよりも難易度は高くなります。
うまくできないうちは、少しの時間だけでも問題ありません。決して無理強いはせず、徐々に慣れさせていくことが大切です。
なお、子供によっては下手持ちをせずに、上手持ちから「指持ち」へと移行する場合もあります。指持ちとは、スプーンの上から指先をつかって柄の部分を持つ方法です。指持ちで指持でも、手首を内側から外側に返す必要があり、バキューン持ちへと自然に移行できるため、無理に矯正する必要はありません。
③バキューン持ち(鉛筆持ち):3歳頃〜
下手持ちで上手に食べられるようになったら「バキューン持ち(鉛筆持ち)」を促しましょう。親指、人差し指、中指の3点でスプーンを支えるバキューン持ちは、お箸を使って食べるための基礎となります。
親指と人差し指でピストルの形を作り、人差し指の第2関節にスプーンを置きます。そのまま、親指と人差し指でスプーンを挟めばOKです。
最初は食べ物をなかなか口に運べないかもしれませんが、根気よく続けることでうまくできるようになります。
食べる練習をしよう!スプーン選び3つのポイント
スプーンの練習方法はわかりましたが、食べ始めの練習にあったスプーンの選び方はあるのでしょうか。
1歳のスプーン練習をスムーズに進めるためには、成長の度合いに合ったスプーンを選ぶことが大切です。子供が握りやすいように工夫されたものを用意しましょう。ここでは、1歳向けのスプーン選びのポイントを3つ紹介します。
持ち手が太くて短いものを選ぶ
持ち手部分が太くて短いスプーンは、持ったときに安定感があります。手が小さく、力が弱い1歳の子供でも無理なく握れます。
滑りにくいものを選ぶ
滑り止め加工がされているか、滑りにくい素材のスプーンを選びましょう。手にしっかりとフィットして、持ちやすさや食べやすさがアップします。
目的に応じた素材を選ぶ
子供用のスプーンには、シリコンやプラスチックなど、さまざまな素材が使われています。重視したいポイントに合わせて、適切な素材のスプーンを選びましょう。
シリコン製
安全性を考慮するなら、柔らかくて口周りを傷つけにくいシリコン製がおすすめです。金属製より熱が伝わりにくいため、やけどのリスクも減らせます。
プラスチック製
プラスチック製のスプーンは、軽くて扱いやすい点がメリットです。かわいいキャラクター付きのものやカラフルなものなど、豊富な種類が展開されています。ただし、食材の色が移りやすい点はデメリットです。
木製
天然素材の温かみを感じられるスプーンを使いたい方は、木製を選ぶとよいでしょう。木製も温度が伝わりにくく、口当たりが良い点が魅力です。
ステンレス製
ステンレス製のスプーンは、傷がつきにくいほか、煮沸消毒も可能なため、耐久性や衛生面を重視する方に適しています。一方で、熱が伝わりやすく、口の中に違和感を覚えやすい点や、やけどのリスクが高まる点には気をつけなければなりません。
1歳から自分で食べる練習をしよう!おすすめのスプーン6選
ここからは、1歳から自分で食べる練習におすすめのスプーンを紹介します。子供の手にフィットし、スムーズな食事をサポートする商品を厳選して選びましたので、ぜひ参考にしてください。
対象年齢:5か月~
「エジソンママ はじめて使うスプーン」は、丸みのある形状で聞き手に関係なく使いやすく、スプーンに慣れていない赤ちゃんでも持ちやすいのが特徴です。先端のくぼみに、おかゆやヨーグルトなど液状の離乳食がしっかりと絡みます。
また、四つ葉のデザインのキャッチャーが備わっており、スプーンが喉の奥に入り過ぎる心配がありません。
やわらかくいラバー素材であるエラストマーを使用しており、口当たりがやさしいので、スプーンのどこを噛んでも痛くない点も魅力です。パーツを取り外し、まるごと煮沸・薬液消毒ができるほか、電子レンジや食洗機にも対応しています。
対象年齢:9か月~
「エジソンママ フォーク&スプーンBaby」は、9か月頃から使える、ラバー素材で滑りにくいカトラリーセットです。口への入りやすさにこだわり、先端にカーブがついた形状となっています。手首をうまく返せない子供でも、スムーズに食べられるようにこだわった設計です。
また、スプーンには適度な深みがあるため、食材をすくいやすく、こぼさずに口へと運べます。取っ手は太くて丸みがあるのでり、どのような持ち方・角度でも握りやすいのが魅力です。
コロンとした丸みのある形が特徴的な、プラスチック製のスプーン&フォークセットです。赤ちゃんの手にフィットしやすいよう、人間工学に基づいて長さと形状が設計されており、正しい持ち方を自然と促します。
手首や指先のトレーニングにつながるほか、子供が一人でも持ちやすいため「自分でできた!」という達成感や自立心を養えるでしょう。右利き、左利きといった利き手に関係なく使えるユニバーサルデザインです。
サイズ:14長さ x 2.9幅 cm
岐阜県土佐市にある強化磁器食器メーカー「OGISO(おぎそ)」のオールステンレス製スプーンで、保育士や栄養士、調理師の意見を取り入れて開発されました。
子供の手のひらのくぼみを考えた設計で、持ち手にふくらみがあって握りやすく、安定感があります。中は空洞になっていて見た目より軽いため、負担がありません。また、スムーズに箸へと移行できるように、親指・人差し指・中指の3点持ちがしやすい設計です。
サイズ:14長さ x 2.9幅 cm
「べビー食器セット スプーン フォーク」は、ステンレスとシリコン素材で作られているので、耐久性が高く、食洗機で洗えてお手入れの手間がかかりません。短く太い持ち手で握りやすいほか、誤飲防止リングが付いており、安全に使用できます。スプーンの先端部分は、子供の小さな口にぴったりなサイズです。
保育園・幼稚園のお弁当用や、外出時にも便利な収納バッグ付きです。
「doddl (ドードル) スプーン・フォーク2点セット」は、専門家が2年以上かけて開発した、人間工学に基づいたデザインのステンレス製カトラリーです。丸くて短い形状で、指を添えるだけで、正しい持ち方ができる設計です。
スプーンはこぼさずに口へと食べ物を運びやすく、子供がは達成感を得られるでしょう。先端部分はステンレス製で、歯の少ない時期でも唇だけで食べやすい設計で、消毒や食洗機洗いも可能なため、いつでも清潔に保てます。
スプーン練習のよくある悩みと対策
最後に、スプーンの練習に関してよくある悩みと対策法を紹介します。
スプーンの持ち方が間違っている
スプーンの持ち方が間違っていても、1歳頃であれば見守る姿勢を大切にし、できたことを積極的に認めてあげましょう。子供のスプーンの握り方は、成長とともに自然と変わってきます。
手首や指先の運動機能が発達する2歳半〜3歳頃になったら、バキューン持ちができるように少しずつ直していくのがおすすめです。ただし、発達のスピードには個人差があるため、子供の様子をよく観察し、矯正するタイミングを見極めてください。
食べこぼしが多い
子供がスプーンの練習中に食べこぼしをするのはよくあることです。食べこぼしを予防することも大切ですが、掃除の手間を減らす工夫も取り入れるとよいでしょう。
たとえば、以下のような対策が効果的です。
- 滑り止め付きのマットを敷く
- 深さがあり、すくいやすい食器を使う
- シリコンやプラスチック製の食器を使う
- 床に防水シートや新聞紙を敷く
- ポケット付きの食事エプロンを着ける
床やテーブルにこぼれてもよい環境を整えることで、親のストレスを軽減でき、食事の時間をより楽しめるようになります。
\ おすすめのカトラリーセット /
対象年齢:6か月~
スプーンを嫌がる
自分でスプーンを持ちたがらないときは、練習をお休みして構いません。無理強いすると、楽しいはずの食事の時間が嫌になってしまうおそれがあります。子供の気持ちを尊重し、焦らずに進めることが大切です。スプーンに興味を示したときや、機嫌の良いタイミングで練習を再開しましょう。
また、スプーンが使いにくいことが原因で、練習を嫌がっている可能性もあります。なかなか握ってくれないときは、ほかの素材やデザインのスプーンを試してみるのもおすすめです。
まとめ|スプーン練習は子供の成長を見守る大切なステップ
1歳頃から始まるスプーンの練習は、食事への関心や自立心を育む大切な過程です。手づかみ食べから始まり、成長に合わせて「上手持ち」「下手持ち」「バキューン持ち」へとステップアップしていく流れを、焦らず見守ることが大切です。
また、スプーンの形状や素材は、子供の発達段階に合わせて選ぶことで、よりスムーズな練習につながります。持ちやすさや安全性に配慮されたアイテムを取り入れることで、子供自身が「自分で食べられた!」という達成感を得られ、楽しい食事時間が生まれるでしょう。
スプーン練習に関する悩みや失敗も、成長の一部として前向きに受け止めることが大切です。子供のペースを尊重しながら、自立への一歩をサポートしていきましょう。
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▼参考文献
さっぽろ子育て情報サイト,“手づかみ食べからスプーン、箸への進め方”,
https://kosodate.city.sapporo.jp/material/files/group/13/susumekata4.pdf(参照 2025-05-22)
東京都教育委員会,“就学前教育カリキュラム”,
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/kyoiku/ikkatsu_2(参照 2025-05-22)
Benesseたまひよ,“初めてのカトラリー!スプーンの選び方”,
https://st.benesse.ne.jp/ikuji/content/?id=34753(参照 2025-05-22)