「子供が歯磨きを嫌がって毎日大変…」
そんな悩みを抱える保護者の方も多いのではないでしょうか。初めての歯磨きは、赤ちゃんにとっても保護者にとっても慣れないことばかりで戸惑いが多いものです。特に歯ブラシを口に入れるのを嫌がったり、じっとしていられなかったりと、思うように進まない日もあるでしょう。
この記事では、嫌がる子供でも無理なく始められる歯磨きトレーニングの方法やアイテム選びのコツを、段階的にわかりやすく解説します。
※2025年6月24日時点の情報です。
歯磨きトレーニングはいつから始める？
赤ちゃんの歯磨きトレーニングは、乳歯が生え始める生後6か月頃から始めるのが基本です。の時期にはまず、清潔なガーゼや綿棒などで歯や歯ぐきをやさしくぬぐうようにして、赤ちゃんが口の中を触られることに慣れるようにします。いきなり歯ブラシを使う必要はありません。焦らず、スキンシップの一環として行うと良いでしょう。
ガーゼ磨きからスタート（生後6か月頃～）
下の前歯が生えはじめたら、1日1～2回、機嫌のよいときを選んでガーゼで拭くようにします。口の中に異物が入ることに違和感を持たせないためにも、優しく声をかけながら行うことがポイントです。赤ちゃんが安心できる環境で続けていくことが、スムーズなステップアップにつながります。
歯ブラシと仕上げ磨きの導入（1歳頃～）
1歳ごろになり歯の本数が増えてきたら、やわらかい毛の子供用歯ブラシを使ってセルフ磨きの習慣づけを始めます。とはいえ、まだ自分できちんと磨ける時期ではないため、保護者による仕上げ磨きも併用しましょう。
2歳頃には、イヤイヤ期も合わさり歯磨きを嫌がる子も多くなりますが、それでも毎晩の仕上げ磨きを続けていくことが大切です。特に「寝る前の1回」を習慣化すると、むし歯予防に効果的です。時間や手順にこだわりすぎず、子供の様子を見ながら無理のない方法で継続していくことが成功のポイントです。
歯磨きを嫌がる理由とは？
歯磨きを始めたばかりの子供が嫌がるのは、よくあることです。無理に磨こうとしてしまうと、ますます苦手意識が強くなり、トレーニングの継続が難しくなります。まずは、子供がなぜ歯磨きを嫌がるのか、その理由を理解することが大切です。
年齢に応じた「イヤ」の気持ち
1歳〜2歳頃は、自我が芽生えて「なんでも自分でやりたい」という気持ちが強くなる時期です。その一方で、口を開けてじっとしていることが難しく、保護者に押さえつけられるような姿勢に不快感を覚えることもあります。
また、2歳以降は「イヤイヤ期」と呼ばれる反抗的な態度が見られやすく、歯磨きに限らず日常生活のあらゆる場面で拒否反応を示すことがあります。
感覚的な不快さや恐怖感
歯ブラシの毛先がチクチクする、口の中に異物が入る違和感、仕上げ磨き時に仰向けになる姿勢への抵抗など、子供にとっては小さなことでも強いストレスにつながることがあります。とくに過去に強引に押さえつけられた経験があると、「歯磨き＝怖いもの」という記憶が残りやすくなります。
保護者の対応も影響する
保護者が「ちゃんと磨かなくては」と焦るあまり、声が強くなったり、短時間で終わらせようと無理に口を開かせたりすると、子供は「怒られるもの」「押さえられるもの」として歯磨きを嫌がるようになります。実は、大人の緊張や焦りは子供にも伝わりやすく、日々の積み重ねが苦手意識の原因になることもあるのです。
このように、歯磨きを嫌がる理由は発達の段階や感覚の違い、保護者との関わり方が影響しています。では、嫌がる子供にも取り組みやすい歯磨きの工夫には、どのような方法があるのでしょうか。
嫌がる子供でもできる！歯磨きトレーニングのコツ5選
歯磨きを嫌がる子供に無理やり磨こうとすると、ますます抵抗が強くなることがあります。大切なのは、「歯磨きって楽しい」「ちょっとだけ頑張れば終わる」と感じられるような関わり方です。ここでは、子供の気持ちに寄り添いながら、歯磨きトレーニングをスムーズに進めるための5つの工夫を紹介します。
歯ブラシに慣れる遊びから始める
いきなり口に入れるのではなく、歯ブラシをおもちゃのように触らせたり、持たせたりするところから始めましょう。ぬいぐるみに「シャカシャカしてあげようね」と声をかけて遊ぶことで、自然と興味を持たせることができます。
自分で使う用と仕上げ用の歯ブラシを分けて使う
子供に「自分専用」の歯ブラシを持たせてあげると、愛着がわきやすくなります。自分で持って磨く「まねっこタイム」と、保護者が仕上げをする「ピカピカタイム」に分けて取り組むと、子供の気持ちが切り替えやすくなります。
歯磨き絵本や動画を取り入れる
歯磨きをテーマにした絵本やアニメ動画は、子供にとって親しみやすく、「あの子もやってるならやってみようかな」という気持ちを引き出しやすいです。お気に入りのキャラクターが登場するものを選ぶと、興味を持ってくれることが多くなります。
声かけとスキンシップで安心感をもたせる
「もうちょっとで終わるよ」「えらいね」といった前向きな声かけや、終わったあとのハグなど、安心できる関わりがあると、子供は歯磨きに対して前向きになりやすくなります。怖がっているときに無理に進めるのではなく、一度落ち着いてから再チャレンジすることも大切です。
歯磨きの時間を短く区切る
最初から完璧に磨こうとせず、まずは「数秒間できたらOK」という気持ちで取り組むと、子供にも保護者にも負担が少なくなります。慣れてきたら少しずつ時間を延ばすことで、歯磨きが日常の一部として定着していきます。
初めての歯磨きにおすすめのアイテム5選
歯磨きトレーニングを無理なく始めるには、子供の成長段階に合った道具選びが大切です。口の中を触られることに慣れるためのガーゼ磨きから、歯ブラシの導入まで、ステップごとに適したアイテムを使うことで、子供がスムーズに歯磨き習慣を受け入れやすくなります。
やわらかいガーゼや歯みがきシート
乳歯が生え始めたばかりの頃は、清潔なガーゼや市販の歯みがきシートで、歯や歯ぐきをやさしくぬぐうことからスタートします。指に巻いて使える布タイプや、個包装のウエットタイプなどがあり、使いやすさと衛生面の両立がしやすくなっています。歯ブラシに抵抗がある時期でも取り入れやすいアイテムです。
やわらかい歯ブラシ
歯ブラシは毛先がやわらかく、ヘッドが小さいものを選びましょう。柄が太めで滑りにくい形状のものは、子供が自分で握りやすく、歯ブラシへの抵抗を減らす助けになります。保護者が仕上げ磨きに使うときも、小回りが利きやすく便利です。
対象年齢：6か月～
サイズ：7.1 x 4.5 x 9.5 cm
歯ブラシに慣れるトレーニング用アイテム
歯ブラシを口に入れるのを嫌がる場合は、シリコン製のトレーニングブラシや、誤飲防止ストッパー付きのブラシ型おもちゃがおすすめです。「カミカミしながら慣れる」という過程を踏むことで、次のステップに進みやすくなります。
対象年齢：0か月～
サイズ：18 x 8.4 x 1.9 cm; 30 g
仕上げ磨き用歯ブラシ
保護者用の仕上げ磨きブラシは、ヘッドが極小で毛がやわらかいものが適しています。子供の小さな口に無理なく入り、細かい部分まで磨きやすくなります。グリップが長めのものを選ぶと、磨きやすさが向上します。
対象年齢：6か月～
サイズ：0.12 キログラム
フッ素配合の歯磨きジェル（必要に応じて）
うがいがまだできない子供には、フッ素配合のジェルタイプなど、使用後のすすぎが不要なものを選ぶと使いやすくなります。ただし、必ず使用対象月齢や量を確認し、無理に使わず、必要に応じて取り入れる程度で構いません。
このように、段階に応じて使いやすいアイテムを選ぶことが、歯磨き習慣の第一歩を支える大切な要素になります。
対象年齢：6か月～
サイズ：40ml
毎日の習慣にするために大切なこと
歯磨きは、1日だけうまくいっても意味がありません。大切なのは、子供が無理なく続けられる習慣にしていくことです。毎日の生活のなかで「歯磨き＝当たり前」と感じられるように、環境や関わり方を整えていきましょう。
生活の流れに組み込む
歯磨きを毎日同じタイミングで行うことで、子供は自然と流れを覚えやすくなります。特に「お風呂のあと」「寝る前」といった日課に組み込むとスムーズです。「ごはんのあとは歯みがきしようね」と声かけしながら、生活リズムとセットで覚えさせていくと、忘れにくくなります。
できたことを認める声かけを
完璧に磨けたかどうかよりも、「口を開けられた」「最後まで頑張れた」など、小さな成功体験を積み重ねていくことが大切です。「えらいね」「きれいになったね」と肯定的な言葉をかけることで、子供のやる気は自然と育っていきます。
歯磨きを毎日の当たり前にしていくには、親子で無理なく続けられる関わり方が重要です。歯みがきを「苦手な時間」ではなく、「ちょっと楽しい時間」と感じられるよう、子供の気持ちに寄り添った声かけとタイミングを意識していきましょう。
まとめ｜歯磨きは親子で育てていく習慣です
子供が歯磨きを嫌がるのはめずらしいことではありません。大切なのは、子供の気持ちや発達段階に寄り添いながら、少しずつ慣れていけるような関わり方をすることです。
最初はガーゼ磨きから始めて、歯ブラシに触れる機会を増やし、保護者の仕上げ磨きと組み合わせていくステップが基本です。また、嫌がる理由を理解し、子供に合ったアイテムや遊びを取り入れることで、歯磨きへの抵抗感を和らげることができます。
毎日の生活の中で、タイミングや声かけを工夫しながら、無理なく続けることが何よりも大切です。歯磨きは一日で身につくものではありませんが、親子で向き合いながら少しずつ積み重ねていくことで、やがて自然な習慣として定着していきます。
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▼参考文献
公益社団法人.“こどもたちの口と歯の質問箱”.https://www.jspd.or.jp/question/2years_old/,（参照 2025-06-24）
育児と乳歯の情報サイト ママ、あのね.“赤ちゃんの歯が生える時期と順番”.https://www.lion-dent-health.or.jp/mama-anone/baby-teeth/article/teeth-grow-02/,（参照 2025-06-24）
西松屋.“親子で乳歯ケア 歯みがき大作戦！”.https://www.24028.jp/special/oralcare,（参照 2025-06-24）