「はさみデビューは何歳から?」
「ハサミの練習はどう始めるといいの?」
と悩むかたもいますよね。
ハサミは指先の器用さや集中力を育てるのに役立ちますが、刃物である以上、安全に配慮する必要があります。
この記事では、子供がハサミを使い始める適切な時期や練習のステップをわかりやすく解説します。さらに、初めてのハサミ選びに役立つおすすめアイテムも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
※2025年8月28日時点の情報です。
初めてのハサミはいつから?
子供が初めてハサミを使う適切なタイミングがいつなのか、気になりますよね。年齢だけでなく発達の度合いや子供自身の興味も大きく関わるため、いくつかの視点から判断すると分かりやすいでしょう。ここからは、目安となる時期や判断のポイントについて解説します。
年齢と発達の目安
子供が初めてハサミを使うのに適した年齢は、2〜3歳ごろとされています。1歳半ごろから手先を少しずつ動かせるようになり、この時期になると指先の動きがより器用になります。ハサミは細かな指先の動きを必要とする道具であるため、年齢だけでなく「指先をどれくらい使えるか」を基準に考えることが大切です。
以下の動作ができてきたらハサミを使う準備が整ってきています。
- スプーンやフォークを使って食事ができる
- シールを貼ったりはがしたりできる
- 紙を丸めたり広げたりできる
また、子供がハサミに興味を示したときも始めどきです。集中力が高まるため練習がスムーズに進みます。大人のまねを通じて興味を持つケースもあるので、発達や興味に合わせて取り入れてみましょう。
幼稚園入園前の準備
幼稚園では工作活動でハサミを使う場面が多く、入園前に少しでも扱いに慣れておくと、入園後の活動がスムーズに進みます。ただし、ハサミを使った経験がないまま入園する子供も珍しくありません。園では先生の指導の下で安全に練習できるため、必ずしも事前に習得しておく必要はありません。それでも、自宅で軽く経験しておくと入園後の戸惑いを減らせるでしょう。
子供用のハサミは必要?大人用との違い
子供用のハサミは大人用とは異なり、小さな手でも扱いやすいように設計されています。また、けがをしにくいように安全面の工夫がされている点も大きな特徴です。大人用を使えないわけではありませんが、子供に合ったサイズや安全機能がある方が適しています。ここからは、子供用と大人用の違いを具体的に解説します。
大きさ
子供用のハサミは大人用に比べて、手の大きさに合わせて小さめに作られています。大きすぎるハサミを無理に使うと余計な力が入り、指や手首に負担をかけやすくなります。さらに、正しい力の入れ方ができないとけがにつながるおそれもあります。初めてのうちは手の大きさに合った小さめのものを選び、成長に合わせて買い替えるのがおすすめです。
安全対策(ケースやカバー)
子供用のハサミには、大人用にはない安全対策が数多く取り入れられています。たとえば刃を覆うケースが付属しているものは、落としたり持ち運んだりする際の事故を防げます。ケースに名前を書く欄がある商品も多く、園生活でも便利です。また、刃の側面や刃先が樹脂カバーで覆われているタイプなら、閉じているときに鋭利な部分が隠れるため、けがのリスクを下げられます。
刃の種類(プラスチック刃とステンレス刃)
子供用のハサミの刃は大きく分けてプラスチック製とステンレス製があります。プラスチック製は切れ味が控えめで指を傷つけにくく、安全性を重視したい場合に適しています。一方で、厚紙などは切りにくいこともあるため練習が必要です。ステンレス製は切れ味が良く扱いやすい反面、けがの可能性は高まります。「押し切り刃」を採用し、裁断面をフラットに仕上げられるタイプもあり、安全性と切れ味を両立できます。
スプリング
初めてハサミに触れる子供は、刃を開く動作がうまくできないことがあります。そこで役立つのがスプリング付きのハサミです。スプリングの力で刃が自然に開くため、弱い力でもスムーズに開閉でき、長時間練習しても疲れにくいのが利点です。スプリングがあることで「うまく切れた」という成功体験を積みやすく、子供が自信を持って練習を続けやすくなります。
初めてのハサミにおすすめのアイテム5選
初めてハサミを選ぶときには、安全性や切れ味、子供の手に合ったサイズなど、いくつかのポイントを意識することが大切です。しかし、実際に売られている商品は種類が多く、どれを選べば良いのか迷いますよね。
ここからは、初めてハサミを使う子供に適したハサミを紹介します。それぞれの特徴を比較しながら、自分の子供に合ったものを見つける参考にしてください。
対象年齢:2歳~
サイズ:全長121 x 60mm
素材:ABS
「コクヨのはじめてハサミ」は、プラスチック製の刃で、刃先が丸くなっています。そのため、けがをしにくく初めてハサミを使う子供に向いています。
プラスチック製の刃でありながら、細かな凹凸がある「マイクロギザ刃」によって切れ味が確保されています。紙が逃げにくいため、ハサミの使い方に慣れていない子供でも扱いやすいでしょう。さらに、ハサミの使い方を練習するためのシートや台紙が付属されています。直線や曲線を切る練習がこれひとつでできるのが魅力です。
対象年齢:2歳~
素材:プラスチック, ポリプロピレン, 金属
「くもんのはじめてのはさみ 左手用」は、左利きの子供のために設計された専用モデルです。刃の側面から先までカバーで覆われており、安全面に配慮された設計です。さらに、小さな手に合わせた持ち手のサイズや、開閉を補助するスプリングが内蔵されていることで、力の弱い子供でも扱いやすくなっています。ステンレス刃を採用しているため切れ味が良く、紙をスムーズに切れるのも特徴です。付属のミニガイドには使い方や注意点がまとめられており、初めてハサミを練習する際のサポートになります。
対象年齢:2.5歳~
サイズ:13.5長さ x 5.8幅 cm
こどもちゃれんじ「はじめてのはさみ」は、安全対策のために刃先を丸くしており、ケースも付属されているハサミです。握力が弱い小さな子供でも開閉がしやすいように、開閉部にはワッシャー留めが採用されています。持ち手にはリードがあり、真っ直ぐ切る動作と同時にハサミを立てて使うことをサポートします。
持ち手の素材は「エラストマー樹脂」で、ゴムのような手触りのため滑りにくく、落としても割れにくい点が特徴です。
対象年齢:2歳~
サイズ:13.5長さ x 6.1幅 cm
素材:(本体)ABS・ステンレス、(スプリング)PC
「はさみ きっちょん ミント」は、補助スプリングが搭載されているため、初めてハサミを使う子供でも開く動作をしやすいアイテムです。安全対策も施されており、刃の側面から先まで樹脂製のカバーによって覆われています。また、断面が鋭利にならない「押し切り刃」を採用しているため、けがをしにくいです。
初めてハサミを使う子供向けに使い方を記載した説明書が付属しているため、子供と一緒に読んでから使うことをおすすめします。
対象年齢:3歳~
サイズ:15.2 x 3.8 x 20.3 cm
素材:プラスチック
「はじめてのあんぜんはさみセット「なぞる練習・切る練習」 幼児向け」は、ハサミ本体のほかに、紙製とプラスチック製のテンプレートがセットになった商品です。テンプレートの線に沿って切ったり、紙を型取ったりしながらハサミの使い方を学習できます。切った後の紙は色を塗って工作に活用すると良いでしょう。
ハサミ本体には、開閉を補助するアシストが付いており、刃はプラスチック製のため、直接手で触れてもけがをしにくい設計です。
【5STEP】ハサミの使い方の練習方法
子供が初めてハサミを使うときは、段階を踏んで練習することが大切です。特に慣れないうちはけがをする危険があるため、必ず大人がそばで見守りながら進めましょう。ここからは、5つのステップに分けて練習方法を解説します。
STEP1.持ち方の練習と刃の注意点を伝える
練習の最初は正しい姿勢と持ち方を確認します。椅子に座り、テーブルの上で体を安定させてから作業を始めましょう。小さな手の子供は上の穴に親指、下の穴に人差し指と中指を入れて持つと安定します。3歳ごろであれば中指と薬指を下に入れ、人差し指は穴の前に添えると扱いやすいです。あわせて「人に向けない」「歩きながら持たない」など、刃物としての基本的な注意点も伝えましょう。
STEP2.開閉練習
実際に切る前に、ハサミを開閉する動作だけを練習します。横向きではなく縦に持ち、下側の刃は固定して上側だけを動かすのが基本です。紙を使わずに「パチパチ」と音を立てる感覚で繰り返すと、楽しみながら開閉のリズムを覚えられます。親子で一緒に回数を数えたり、歌に合わせて開閉したりすると、飽きずに練習できるでしょう。
STEP3.1回切りの練習
次は、1回の動作で紙を切る「1回切り」の練習です。狭い幅のテープ状の紙を使うと切りやすく、子供も成功体験を得やすいでしょう。慣れてきたら少し幅を広げて難易度を上げたり、線を引いてその上を切ったりと、段階的に発展させます。紙はコピー用紙よりも画用紙のように厚みのあるものを選ぶと安定しやすく、切ることに集中できます。
STEP4.連続切りの練習
1回切りができるようになったら、刃を完全に閉じずに繰り返す「連続切り」に挑戦します。最初は2~3回程度の短い距離から始め、慣れたら少し長めの紙を使って回数を増やしましょう。短冊状の紙に線を引いて、その線に沿って切ると練習しやすく、まっすぐ切る感覚も身につきます。切れる距離が伸びることで、子供は達成感を味わいやすくなります。
STEP5.曲線切りと多方切りの練習
直線が切れるようになったら、曲線や方向転換を伴う切り方に挑戦します。ハサミ自体を動かすよりも紙を回して切るのがポイントです。慣れないうちは脇が開いたり顔が傾いたりしやすいため、大人がお手本を見せながら修正してあげると良いでしょう。曲線切りや多方切りができるようになると、丸や星など多様な形を作れるようになり、工作遊びの幅が大きく広がります。
まとめ|初めてのハサミは子供の発達に合わせて
子供が初めてハサミを使うタイミングは、一般的に2~3歳ごろが目安とされています。ただし、年齢だけで判断するのではなく、指先をどれだけ器用に動かせるかや、ハサミに興味を示しているかを確認することが大切です。
練習は「持ち方」や「開閉」から始め、1回切り → 連続切り → 曲線切りへと段階的に進めると無理なく習得できます。家庭で慣れておくと、幼稚園や保育園での活動もスムーズに取り組めるでしょう。
安全面に配慮された子供用のハサミを選び、必ず大人がそばで見守りながら練習することが重要です。
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▼参考文献
保育士バンク!.“保育園ではさみの使い方を教えるには?ステップ別の指導方法と製作アイデア”.https://www.hoikushibank-column.com/column/post_2421,(参照 2025-08-28)
保育のひきだし.“はさみの練習はいつから?教え方や子ども用はさみの選び方のポイントも紹介”.https://www.hoikunohikidashi.jp/?p=16765877,(参照 2025-08-28)
スポットライト.“【保育園】ハサミの練習はいつから?持ち方・一度切りからヘビ切りまで解説”.https://tryt-worker.jp/column/hoikushi/detail/ho702/,(参照 2025-08-28)