お正月は、初詣や年賀状、おせち料理など、日本ならではの行事が多い時期です。しかし、「子供にどう伝えたらよいかわからない」と感じるかたも少なくありません。大人にとっては当たり前の習慣でも、子供にとっては初めて触れる文化ばかりです。そのようなときに役立つのが、お正月をテーマにした絵本です。物語やイラストを通して、日本の行事に自然と親しむきっかけを作ることができます。
この記事では、子供にお正月の行事を伝えやすい絵本をまとめています。お正月を親子で楽しむヒントとして、ぜひ、参考にしてください。
※2025年12月18日時点の情報です。
お正月の行事を絵本で伝える意味
お正月は、日本の文化や生活習慣が多く詰まった行事です。初詣やおせち料理、年賀状など、大人にとっては自然な習慣でも、子供にとっては意味が分かりにくい場面も少なくありません。そのようなとき、絵本は行事を身近に感じるための手助けになります。言葉だけで説明するよりも、物語や絵を通して伝えることで、子供の理解につながりやすくなります。
お正月ってなに?を自然に伝えられる
子供にとって「お正月」は、休みが長く続く特別な期間という印象が先に立ちがちです。絵本では、登場人物の行動や会話を通して、お正月がどのような行事なのかを具体的に知ることができます。初詣に行く理由や、新年を迎える気持ちなどが描かれていることで、「なぜその行動をするのか」が子供なりに理解しやすくなります。
言葉で説明しなくても行事がイメージできる
行事の意味を言葉だけで説明しようとすると、どうしても難しい表現になりがちです。絵本であれば、イラストや場面の流れから、お正月の雰囲気や出来事を視覚的に捉えることができます。そのため、まだ言葉の理解が十分でない子供でも、自然と行事のイメージを持ちやすくなります。
読み聞かせが会話のきっかけになる
お正月の絵本を読み聞かせることで、「これ、見たことあるね」「一緒にやってみようか」といった会話が生まれやすくなります。絵本をきっかけに、家庭での体験や実際の行事につなげられる点も大きな特徴です。行事を知識として覚えるだけでなく、生活の中で感じ取る機会を作ることができます。
子供向けお正月の絵本を選ぶポイント
お正月の絵本と一口にいっても、内容や描かれ方はさまざまです。子供に行事を伝えるためには、単に「お正月が題材になっている」だけでなく、理解しやすさや生活との結びつきが意識された絵本を選ぶことが大切です。ここでは、読み聞かせの場面で意識したいポイントを紹介します。
行事の様子が具体的に描かれているか
子供にとって、お正月の行事は抽象的になりやすいものです。初詣や年始のあいさつ、家族で集まる様子などが具体的に描かれている絵本であれば、実際の生活と結び付けながら理解しやすくなります。登場人物の行動が日常に近いほど、子供は自分の体験と重ねて考えやすくなります。
難しい説明が少なく、流れで理解できる内容か
行事の由来や意味を細かく説明しすぎると、子供は途中で集中が切れてしまうことがあります。物語の流れの中で自然と行事に触れられる構成の絵本であれば、無理なく最後まで楽しめます。読み聞かせをする側も、補足説明をしすぎずに済む点がメリットです。
読み聞かせ後の会話につなげやすいか
良いお正月の絵本は、読み終わったあとに会話が生まれやすい特徴があります。「これ、うちでもやるね」「一緒に行こうか」といったやり取りが自然に出てくる内容であれば、絵本をきっかけに実体験へつなげることができます。行事を知識として終わらせず、生活の中で感じられる点も重要です。
お正月の絵本おすすめ6選
お正月の絵本には、行事の意味を知るものから、物語として楽しめるものまで幅広い作品があります。ここでは、既存の年齢特化記事と重ならないよう、日本の年中行事や文化を物語として味わえる絵本を中心にまとめています。読み聞かせを通して、家庭でのお正月の過ごし方や会話につなげやすい作品を選びました。
対象年齢:4歳~
サイズ:25.3 x 23.2 x 0.7 cm
ページ数:28ページ
「ばばばあちゃんの おもちつき」は、台所にある身近な道具を使いながら、ばばばあちゃん流のもちつきを楽しむ様子が描かれています。臼や杵を使う伝統的な方法ではなく、工夫しながら進める展開が特徴で、もちつきが特別な行事であると同時に、身近な楽しみでもあることが伝わります。お正月の準備としてのもちつきを、自由な発想と明るい雰囲気で描いており、読み聞かせ後に「どうやっておもちができるのか」という話題を広げやすい絵本です。
「おばあちゃんのおせち」は、祖母と孫が一緒におせち料理を作る様子を通して、お正月の食文化を伝える絵本です。買い出しや下ごしらえ、料理の意味を聞く場面が物語の流れの中で描かれており、おせち料理が新年を祝うための特別な食事であることが自然と理解できます。巻末には料理のいわれについての解説が付いており、物語とあわせて行事理解を深めやすい構成です。
「14ひきのもちつき」は、家族みんなでもちつきをする一日が描かれています。朝の準備からもちをついて味わうまでの流れが丁寧に表現されており、行事が生活の一部として描かれている点が特徴です。自然の中で協力しながら作業を進める様子から、家族で行事に関わる時間の大切さが伝わります。細かく描き込まれた絵を見ながら、行事の様子をじっくり味わえる一冊です。
対象年齢:3歳~
サイズ:22 x 0.9 x 26.5 cm
ページ数:36ページ
「くまのこの としこし」は、年末から新年を迎えるまでの年越しを、くまのこの視点で描いた物語です。大掃除など、家庭の中で進む年越しの準備を通して、「一年が終わり、新しい年が始まる」という節目の感覚がやさしく表現されています。派手な出来事はありませんが、日常の延長線上で年を越す様子が描かれており、年末年始の静かな時間に読み聞かせしやすい絵本です。
「どんぶらどんぶら七福神」は、七福神が宝船に乗って登場し、数え歌のようなリズムで七人の神様が紹介される絵本です。物語の流れに合わせて、それぞれの神様の名前に親しめる構成になっています。お正月に「縁起が良い」とされる七福神を、難しい説明を使わずに伝えられる点が特徴です。読み聞かせでは、言葉のリズムや繰り返しを楽しみながら、日本の伝統的な考え方に触れるきっかけになります。
「十二支のお節料理」は、年の神様が十二の動物たちを集め、お節料理の準備を任せるところから始まる物語です。それぞれの動物が役割を持ち、協力しながら料理を進めていく様子が描かれています。干支とお正月料理を組み合わせた内容で、干支の存在を物語として理解しやすい構成です。お正月に登場する干支への関心を高めるきっかけとしても活用しやすい一冊です。
読み聞かせのタイミングと工夫
お正月の絵本は、読むタイミングや関わり方を少し工夫するだけで、行事への理解が深まりやすくなります。ただ読むだけで終わらせず、生活の中の出来事と結び付けることがポイントです。ここでは、家庭で取り入れやすい読み聞かせの工夫を紹介します。
年末年始の生活リズムに合わせて読む
年末年始は、普段とは異なる生活リズムになりやすい時期です。大掃除の合間や、家族が集まる時間帯など、落ち着いて過ごせるタイミングに読み聞かせを行うと、絵本の内容が印象に残りやすくなります。特に年越し前後は、「一年が終わる」「新しい年が始まる」といった節目を感じやすいため、年越しやお正月準備を描いた絵本と相性が良い時期です。
行事の前後で絵本を使い分ける
お正月の絵本は、行事の前に読む場合と、体験した後に読む場合で役割が変わります。行事の前に読むと、「これから何があるのか」を知るきっかけになり、行事への期待感を高めやすくなります。一方で、初詣やもちつきなどを体験した後に読むと、「さっきやったね」「同じだね」と、実体験と結び付けて振り返る時間になります。前後で読み方を変えることで、理解が深まりやすくなります。
読み終わったあとに一言添える
読み聞かせの後に、長い説明を加える必要はありません。「これ、見たことあるね」「お正月に食べたね」といった短い声かけだけでも十分です。絵本の内容を生活の中の出来事とつなげることで、行事が身近なものとして定着しやすくなります。子供からの質問が出た場合も、答えを急がず、一緒に考える姿勢を大切にすると会話が広がります。
絵本と一緒に楽しむお正月の過ごし方
お正月の絵本は、読み聞かせだけで完結させるのではなく、実際の生活と結び付けることで、行事への理解がより深まります。特別な準備をしなくても、家庭の中で取り入れやすい工夫を意識することが大切です。
絵本の内容を実体験につなげる
もちつきやおせち料理が描かれている絵本を読んだ後に、食卓で実物を見るだけでも十分な体験になります。「このお料理、絵本に出てきたね」と声をかけることで、絵本の内容が現実の出来事として結び付きやすくなります。実際に体験できない行事であっても、写真や身の回りの物を通して補うことで理解を深められます。
家族の会話を広げるきっかけにする
お正月は家族が集まりやすい時期です。絵本を読んだあとに、「これはどんなお話だった?」と問いかけることで、自然と会話が生まれます。正解を求める必要はなく、感じたことを言葉にする経験が大切です。行事について話す時間そのものが、子供にとって貴重な学びにつながります。
毎年繰り返す行事として伝える
お正月は一度きりの行事ではなく、毎年繰り返されるものです。同じ絵本を毎年読むことで、「去年も読んだね」「またこの時期だね」と、季節の巡りを感じ取れるようになります。絵本を通して、行事が生活の中に根付いていく点も大きな魅力です。
まとめ|お正月の絵本で日本の行事を身近に伝える
お正月は、日本ならではの行事や文化に触れられる貴重な時期ですが、その意味や背景を子供に言葉だけで伝えるのは難しい場面もあります。もちつきやおせち料理、年越し、縁起物、干支といった風習は、大人にとっては身近でも、子供にとってはイメージしにくい場合があります。そのようなときに役立つのが、お正月をテーマにした絵本です。
絵本であれば、物語やイラストを通して行事の雰囲気を感じ取ることができ、難しい説明をしなくても自然と理解につながります。今回掲載している絵本は、単にお正月を描いているだけでなく、日本の年中行事や文化を物語として味わえる点が特徴です。読み聞かせをきっかけに、家庭での会話や実体験へとつなげやすく、お正月の過ごし方をより豊かなものにしてくれます。
また、お正月の絵本は一度きりで終わらせるのではなく、毎年繰り返し読むことで価値が高まります。同じ絵本でも、成長とともに受け取り方が変わり、「去年は気づかなかったこと」に目を向けられるようになります。行事を特別なイベントとしてだけでなく、毎年巡ってくる生活の一部として伝えていくためにも、絵本を上手に取り入れてみてください。
お正月を親子で楽しみながら、日本の行事や文化を身近に感じるきっかけとして、今回紹介した絵本をぜひ、参考にしてください。
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