8か月頃の子供は、できることが一気に増え、日々の成長を実感しやすい時期です。一方で、「どんなおもちゃを用意すればいいのか分からない」「今の月齢に合っている遊びなのか不安」と感じるママ・パパも少なくありません。特にモンテッソーリ教育に興味があっても、「専門的で難しそう」「家庭でどう取り入れればいいのか分からない」というかたもいますよね。
8か月の子供は、手で触れる、つかむ、口に運ぶといった行動を通して、感覚や動きを学んでいく大切な時期です。この時期に合ったおもちゃを選ぶことで、遊びの中で自然に集中する経験や、自分で試す力を育てることにつながります。モンテッソーリ教育に基づいたおもちゃは、特別な知識がなくても、発達の視点を押さえることで家庭でも無理なく取り入れられます。
この記事では、8か月の子供の発達段階をふまえながら、モンテッソーリの考え方や選び方、具体的なおもちゃの例までを分かりやすく解説します。今の成長に合った遊びを考えるヒントとして、ぜひ、参考にしてください。
※2026年1月20日時点の情報です。
8か月頃の子供に見られる発達の特徴と遊びの変化
8か月前後の子供は、身体の動きが安定し始め、周囲のものへ自分から関わろうとする姿が増えてきます。この時期は「何ができるか」よりも、「どのように試しているか」を見ることが大切です。発達の特徴を知ることで、今の成長に合った遊びやおもちゃにつながります。ここでは、8か月頃によく見られる変化を、遊びとのつながりを意識しながら整理します。
「動きたい」が一気に増える8か月頃
8か月頃になると、寝返りやずりばいが安定し、おすわりが長く保てる子供が増えてきます。身体を自分で支えられるようになることで、視界が広がり、「触ってみたい」「近づきたい」という気持ちが強くなります。この時期の遊びは、動きと視線が結びついている点が特徴です。目で見たものに手を伸ばす、持ち上げる、落とすといった動作を繰り返す中で、身体の使い方や距離感を少しずつ学んでいきます。
手と感覚を使って確かめる遊びが中心に
8か月の子供は、目で見るだけでなく、手で触れ、口に運ぶことで素材や形を確かめます。木や布、ゴムなどの違いを感じ取る経験は、感覚の発達につながる重要な過程です。また、指先を使った動きも増え、つまむ、引っ張る、振るといった動作を自然に繰り返します。この段階では、結果よりも「試している時間」そのものが学びになっています。
同じ遊びを繰り返すのは成長のサイン
同じ動きを何度も繰り返す様子を見ると、「飽きないのかな」と感じることもあります。しかし、この繰り返しは8か月の子供にとって大切な学びの時間です。落とすと音が鳴る、引っ張ると動くといった経験を通して、「自分の行動によって変化が起きる」ことを理解し始めます。この積み重ねが、集中する力や、自分で確かめようとする姿勢につながっていきます。こうした姿は、発達の過程として自然に見られるものです。
モンテッソーリ教育における「おもちゃ」の考え方
モンテッソーリ教育では、おもちゃを単なる遊び道具としてではなく、子供の発達を支えるための「環境の一部」として考えます。特に8か月頃は、感覚や動きを通して学ぶ力が育ちやすい時期です。この時期にどのようなおもちゃを用意するかによって、遊びの質や集中の深まり方が変わってきます。ここでは、モンテッソーリ教育の視点から、おもちゃの基本的な考え方を整理します。
モンテッソーリ教育で「教具」と呼ばれる理由
モンテッソーリ教育では、おもちゃを「教具」と呼ぶことがあります。これは、遊びを通して子供が自分で気づき、学んでいくための役割を持っているからです。大人が使い方を教え込むのではなく、子供が触れたときに自然と意味が分かるよう、形や構造が工夫されています。8か月の子供にとっては、「持つと音が鳴る」「引っ張ると動く」といった分かりやすい仕組みが、試す意欲を引き出します。
8か月に大切にしたい「感覚・動き・繰り返し」
この時期のモンテッソーリ教育で重視されるのは、感覚と動きが結びついた体験です。色や形を見る、素材の違いに触れる、手や腕を動かすといった経験を、遊びの中で自然に重ねていきます。また、同じ動きを繰り返せることも重要です。繰り返しの中で、「こうするとこうなる」という理解が深まり、集中する時間が少しずつ伸びていきます。おもちゃは、複雑な仕掛けよりも、目的が一つに絞られている方が、この時期には合っています。
大人が「教えすぎない」関わり方が基本
モンテッソーリ教育では、大人の役割は「教える人」ではなく、「見守る人」と考えられています。8か月の子供が遊んでいるときも、先回りして手助けをするより、自分で試す時間を大切にします。
うまくいかない様子があっても、すぐに正解を示す必要はありません。子供が自分のペースで触れ、考え、繰り返すことが、発達につながる経験になります。家庭で取り入れる際も、この距離感を意識することがポイントです。
8か月の子供に合うモンテッソーリおもちゃの選び方
8か月の子供に向けてモンテッソーリおもちゃを選ぶ際は、「何歳向けか」よりも、「今どのような発達段階にあるか」を基準に考えることが大切です。おもちゃは多ければよいわけではなく、今の成長を支える役割を持っているかどうかがポイントになります。ここでは、家庭で無理なく取り入れやすい選び方の視点を整理します。
月齢より「できること」を基準に考える
8か月といっても、発達の進み方には個人差があります。おすわりが安定している子供もいれば、ずりばいが中心の子供もいます。そのため、月齢表示だけで判断せず、「今どんな動きをしているか」「何に興味を示しているか」を観察することが大切です。例えば、手を伸ばして物をつかむことが増えている場合は、持ちやすく、操作が分かりやすいおもちゃが合います。発達に合ったおもちゃは、無理なく遊びが広がりやすい特徴があります。
素材・重さ・形は「扱いやすさ」が目安
8か月の子供は、手や口を使って確かめながら遊びます。そのため、素材は安全性が高く、触ったときに違いを感じやすいものが適しています。木や布、ゴムなど、感触の違いが分かる素材は、感覚の発達につながります。また、重すぎず、片手でも持ちやすい大きさや形であることも重要です。操作が難しすぎると、遊びが続きにくくなるため、「少し工夫すればできる」程度の難易度を意識するとよいでしょう。
「集中を支える」シンプルな構造を選ぶ
モンテッソーリおもちゃの特徴の一つは、目的が一つに絞られている点です。音・光・仕掛けが多すぎるおもちゃよりも、「引っ張る」「入れる」「振る」といった行動が分かりやすいものの方が、8か月の子供には向いています。シンプルな構造のおもちゃは、繰り返し遊びやすく、集中する時間を自然に引き出します。結果として、子供自身が「やってみたい」と感じる経験につながります。
与えすぎないことも大切な視点
おもちゃをたくさん用意すると、かえって集中しづらくなることがあります。8か月頃は、一つのおもちゃとじっくり向き合う時間が、発達にとって意味のある経験になります。いくつかを出しっぱなしにするより、遊ぶものを絞ることで、子供の関心や遊び方が見えやすくなります。反応を見ながら入れ替えることが、家庭で続けやすい工夫の一つです。
8か月の子供に合うモンテッソーリおもちゃ5選
8か月頃の子供に向けたモンテッソーリ視点のおもちゃは、「上手に遊ばせる」ためのものではありません。触れる、振る、転がす、口で確かめるといった行動を通して、感覚や動きを自分のペースで経験できることが大切です。ここでは、8か月の発達段階に無理なく合い、家庭でも取り入れやすいおもちゃを紹介します。
対象年齢:6か月~
「木のラトル サウンドラトル・タワー」は、8か月頃の子供が自然に行う「振る」「持ち替える」「口に運ぶ」といった行動に合ったおもちゃです。このラトルは、振るたびに中の音が変化し、偶然の発見を楽しめる構造になっています。モンテッソーリ教育では、子供が自分の動きによって変化を感じ取る体験を大切にしますが、このラトルはまさにその考え方に沿った一例といえます。大人が遊び方を教えなくても、触れるだけで意味が伝わり、繰り返し遊ぶ中で集中する時間が自然に生まれます。
対象年齢:6か月~
サイズ:10 x 13 x 10 cm
主な素材:ABS
「アンビトーイ ( ambi toys ) ベビーカー」は、押すと動く、動かすと目が動く、赤いボタンを押すと音が鳴るといった分かりやすい変化が特徴のおもちゃです。8か月頃は、まだ意図的に操作できない子供も多いですが、偶然触れて動く様子を見るだけでも十分に楽しめます。モンテッソーリの視点では、「できる・できない」で判断せず、子供が興味を持って関わること自体を大切にします。このおもちゃも、無理に押して遊ばせる必要はありません。視線で追う、触ってみるといった関わり方を通して、動きと感覚を結びつける経験につながります。
対象年齢:0歳~
サイズ:9.1 x 9.1 x 10.2 cm
主な素材:プラスチック
8か月頃は、歯の生え始めや口の感覚が敏感になる時期でもあります。この「積み重ねティーザー」は、握る・引っ張る・口で確かめるといった探索行動を妨げず、安全に楽しめる設計です。積み重ねる遊びを目的にする必要はなく、今の段階では「触って確かめる」ことが中心で問題ありません。モンテッソーリ教育では、感覚を通した経験が後の理解につながると考えられています。歯固めであっても、感覚遊びの一つとして取り入れることで、子供の主体的な探索を支えます。
対象年齢:6か月~
サイズ:15.2 x 7 x 10.8 cm
主な素材:プラスチック
「ロリオ」は、転がす、回す、押すといった動きの中で、音や動きの変化を楽しめるおもちゃです。正解や手順がなく、子供の偶然の動きをそのまま受け止める構造は、モンテッソーリの考え方と共通しています。8か月の子供は、意図的に操作するよりも、試している過程そのものが学びになります。失敗という概念が生まれにくく、繰り返し触れる中で手首や指先の動きを自然に引き出します。集中して同じ動きを続ける姿が見られることも多いおもちゃです。
対象年齢:6か月~
サイズ:51.5 x 39 x 34.5 cm
主な素材:木材
「ベビードラム」は、叩くと2種類の音が鳴るという単純な仕組みで、8か月頃の子供にも分かりやすいおもちゃです。演奏やリズム遊びを目的にする必要はなく、偶然当たって音が出る体験を楽しむことが大切です。モンテッソーリ教育では、音も感覚の一つとして捉えます。自分の動きによって音が生まれる経験は、因果関係の気づきにつながります。音の強さや鳴り方の違いを感じる中で、感覚と動きの結びつきを自然に深めていきます。※単3電池3本使用(別売)
モンテッソーリおもちゃを使った遊びのポイントと注意点
モンテッソーリの考え方を家庭で取り入れる際に重要なのは、おもちゃの種類よりも「大人の関わり方」です。8か月頃の子供は、自分の体や感覚を使って世界を理解していく途中段階にあります。ここでは、遊びを支えるために大人が意識しておきたいポイントと、よくあるつまずきについて整理します。
そばで見守る距離感を大切にする
8か月の子供が遊んでいるとき、大人は「こうやって遊ぶよ」と教えたくなることがあります。しかし、モンテッソーリ教育では、子供が自分で気づく経験を大切にするため、過度な介入は控える考え方が基本です。例えば、おもちゃをうまく持てない、思ったように音が鳴らないといった場面でも、すぐに手を出す必要はありません。試行錯誤する時間そのものが、感覚や動きの発達につながっています。
大人の役割は、危険がないかを確認しながら、子供が安心して探索できる環境を整えることです。声かけをする場合も、「こうするといいよ」ではなく、「触っているね」「音が鳴ったね」と、行動を言葉にする程度にとどめることで、子供の主体性を妨げにくくなります。
うまく遊ばないと感じたときの考え方
「せっかく用意したのに、あまり遊ばない」と感じることは珍しくありません。しかし、8か月頃の子供は、興味の対象が日によって大きく変わる時期です。今日は見ているだけ、触れるだけという関わり方でも、それは発達の過程として自然な姿です。遊ばないからといって、すぐに合っていないと判断する必要はありません。一度片付け、数日後や数週間後に再び出すことで、急に関心を示すこともよくあります。
また、遊び方が大人の想定と違っていても問題ありません。口に入れる、振る、落とすといった行動は、8か月の子供にとって重要な探索活動です。「正しい遊び方」を求めすぎないことが、結果的に遊びの幅を広げます。
おもちゃの数を絞ることも集中につながる
家庭では、つい多くのおもちゃを出してしまいがちですが、8か月頃の子供にとっては、選択肢が多すぎる環境は集中しづらくなることがあります。一つのおもちゃとじっくり関わる時間を確保することで、繰り返しの中から気づきや学びが生まれやすくなります。目安としては、同時に出すおもちゃを2〜3点程度に絞ると、子供の反応を観察しやすくなります。
遊ばなくなったおもちゃを入れ替えることで、環境に新鮮さが生まれ、再び興味を持つきっかけにもなります。これはモンテッソーリ教育でいう「環境を整える」という考え方にも通じており、家庭でも無理なく実践できる工夫です。
まとめ|8か月の発達に寄り添ったおもちゃ選びが大切
8か月頃の子供は、手や体を使いながら、感覚を通して世界を理解していく時期です。この時期のおもちゃ選びでは、月齢表示にとらわれるよりも、「今どんな行動が増えているか」を基準に考えることが重要です。モンテッソーリおもちゃは、特別な教育をするためのものではなく、子供が自分で試し、気づく経験を支えるための環境づくりの一つです。振る、触る、転がす、口で確かめるといった行動を自然に引き出せるおもちゃは、8か月の発達に無理なく寄り添います。大人が教えすぎず、見守る姿勢を大切にしながら、今の成長に合った遊びを取り入れていくことが、日々の関わりをより豊かなものにしてくれます。
参考文献
たまひよ.“赤ちゃんの育児 生後8ヶ月”.https://st.benesse.ne.jp/ikuji/0years/8month/,(参照 2026-01-20)
北海道ひまわりの北竜町 明るい農法.“発育・発達の様子【発達の目安】”.http://www.town.hokuryu.hokkaido.jp/pdf/sukusuku/5.pdf,(参照 2026-01-20)


