お正月は、家族で過ごす時間が増え、子供にとっても特別な雰囲気を感じやすい季節です。一方で、3歳の子供には「お正月とは何か」「だるまやおもちにはどんな意味があるのか」が、まだ分かりにくい場合もあります。行事を言葉で説明しようとしても、うまく伝わらず戸惑うかたも多いのではないでしょうか。そのようなときに役立つのが、お正月をテーマにした絵本です。絵本を通して、だるまやおもち、ごあいさつといった身近な題材に触れることで、3歳の子供でも季節の行事を自然に理解しやすくなります。
この記事では、3歳におすすめのお正月絵本を紹介しながら、選び方のポイントや活用の視点もあわせて解説します。お正月の読み聞かせに迷っている方は、ぜひ、参考にしてください。
※2025年12月18日時点の情報です。
3歳にお正月の絵本がおすすめな理由
お正月は、日本ならではの行事や言葉が多く登場する時期ですが、3歳の子供にとっては少し難しく感じやすい面もあります。だからこそ、日常生活と結びつけながら行事を伝えられる絵本が役立ちます。ここでは、3歳という年齢にとって、なぜお正月絵本が適しているのかを、発達と生活の視点から整理します。
3歳は「見てわかる」「まねして覚える」時期
3歳頃の子供は、言葉だけの説明よりも、絵や場面を通して理解を深めやすい時期です。だるまの形や、おもちを食べる様子など、視覚的にわかりやすい描写があることで、「お正月は特別な時期」という感覚を自然に受け取りやすくなります。絵本は、教え込むのではなく、楽しみながら行事に触れる入り口になります。
生活の中のお正月体験と絵本がつながる
3歳の子供は、実際の体験と絵本の内容が結びつくことで、理解が深まりやすくなります。家族で新年のあいさつをしたり、おもちを見たりする経験があると、絵本の場面に親しみを感じやすくなります。絵本は、体験を振り返り、言葉として整理する役割も果たします。
ごあいさつや行事の言葉を自然に知ることができる
お正月には、「あけましておめでとう」など、普段あまり使わない言葉が登場します。3歳の子供にとって、意味を説明されるよりも、物語の流れの中で何度も耳にするほうが受け入れやすい傾向があります。絵本を通して繰り返し触れることで、行事の言葉が生活の中に自然と定着していきます。
3歳向けお正月絵本の選び方
3歳向けのお正月絵本を選ぶ際は、「お正月がわかるかどうか」だけでなく、子供の発達段階に合っているかを意識することが大切です。内容が難しすぎると理解につながりにくく、反対に情報が少なすぎると行事の印象が残りません。ここでは、3歳の子供が無理なく楽しめるお正月絵本を選ぶための視点を整理します。
文字量は少なめで絵が中心のものを選ぶ
3歳の子供は、長い文章を集中して聞き続けることがまだ難しい時期です。そのため、1ページあたりの文字量が少なく、絵を見て内容が想像できる絵本が向いています。絵の中にだるまやおもちなどのお正月らしい要素が描かれていると、言葉がわからなくても場面を理解しやすくなります。
だるまやおもちなど身近な題材が出てくる絵本
3歳の子供は、実際に見たことがある物や体験した出来事と結びつけることで、理解が深まりやすくなります。だるまやおもち、しめ飾りなど、家庭や地域で目にする機会のある題材が登場する絵本は、「これ見たことある」という気持ちにつながりやすく、お正月への関心を持ちやすくなります。
お正月のあいさつが物語中に自然と出てくる内容
「あけましておめでとう」などのお正月のあいさつは、説明されるよりも、物語の中で使われているほうが理解しやすいことがおおいです。登場人物のやりとりの中で、あいさつが自然に登場する絵本は、子供がまねしやすく、日常生活で使うきっかけにもなります。
だるまが登場するお正月絵本2選
お正月のモチーフとしてよく知られている「だるま」は、形や表情がわかりやすく、3歳の子供にも親しみやすい存在です。絵本を通してだるまに触れることで、お正月らしい雰囲気を感じながら、物語の世界を楽しめます。ここでは、3歳でも理解しやすく、読み聞かせにも取り入れやすいだるまの絵本をまとめています。
対象年齢:3歳~
サイズ:19.4 x 26.8 x 0.6 cm
ページ数:28ページ
「だるまちゃんとてんぐちゃん」は、昔話の雰囲気を大切にしながら、子供の好奇心や試したい気持ちを丁寧に描いた絵本です。だるまちゃんが、てんぐちゃんの持ち物に憧れ、工夫しながら同じような物を手に入れようとする姿が描かれています。お正月に目にするだるまの姿と重ね合わせやすく、物の形や使い方に自然と興味を持ちやすい内容です。絵がはっきりしており、場面の展開も追いやすいため、3歳の子供でも読み進めやすいです。
「だるまだ!」は、迫力のある絵とシンプルな言葉で、だるまの存在感を存分に味わえる絵本です。ページをめくるごとに展開がはっきりしており、視覚的な楽しさが強いため、集中力が長く続きにくい3歳の子供にも向いています。だるまの動きやシーンによってさまざまなだるまが描かれていることで、絵を見るだけでも内容を感じ取りやすく、言葉の意味が完全に分からなくても楽しみやすい構成です。
おもちでお正月を知る絵本3選
お正月に欠かせない存在である「おもち」は、食卓や行事を通して子供の記憶に残りやすい題材です。3歳の子供にとっては、味や形だけでなく、つくる様子や気持ちを重ねて描かれた絵本に触れることで、お正月への理解がより深まります。ここでは、読み聞かせに取り入れやすく、おもちを通して行事を感じられる絵本をまとめています。
「おもち!」は、リズムのある言葉と伸びやかな絵で、おもちの存在を楽しく伝える絵本です。文章は短く、繰り返しの表現が多いため、3歳の子供でも内容を追いやすい構成になっています。おもちをつく音や伸びる様子が想像しやすく、読み聞かせをしながら「どんな音かな」と声をかけることで、やりとりも生まれやすくなります。お正月の食卓と結びつけて読むことで、身近な体験として行事を感じやすい一冊です。
「おもちのきもち」は、おもちの視点で物語が進む、ユーモアのある絵本です。こねられたり、のばされたりするおもちの様子が分かりやすく描かれており、3歳の子供でも感情を重ねながら楽しめます。おもちの気持ちを想像することで、食べ物への関心や大切にする気持ちにもつながりやすくなります。短い文章と明快な構図のため、集中が続きにくい子供にも読み聞かせしやすい一冊です。
「もちつきぺったん」は、もちつきの流れをテンポよく体験できるしかけ絵本です。仕掛けをめくりながら読むことで、つく動作を体感しやすく、3歳の子供でもお正月の行事に参加しているかのような感覚を味わえます。言葉と動きが結びついているため、「シン!ドシン!」という音の楽しさが印象に残りやすい点も特徴です。もちつきだけでなく、はねつきやたこあげなどのお正月の行事も描かれています。
ごあいさつやお正月の雰囲気・行事の流れがわかる絵本3選
お正月は、「あけましておめでとう」という言葉だけでなく、年が変わる特別な空気や、いつもと少し違う生活の流れを感じる行事です。3歳の子供にとっては、意味を言葉で理解するよりも、物語を通して雰囲気に触れることが大切になります。ここでは、ごあいさつやお正月を迎える流れを、無理なく感じ取れる絵本をまとめています。
対象年齢:3歳~
ページ数:32ページ
「あけましておめでとう」は、新年を迎える一日の様子を描いた絵本です。お正月のあいさつは、特別に説明されるのではなく、生活の流れの中で自然に登場します。場面の展開が穏やかで、3歳の子供でも状況を追いやすい構成になっている点が特徴です。新年の雰囲気を感じながら、「いつもと少し違う日」を受け止めるきっかけとして、読み聞かせに取り入れやすい一冊です。
「おしょうがつのかみさま」は、お正月を迎えるまでの時間や気配を、独特の世界観で描いた絵本です。行事の内容や意味を説明する構成ではなく、「もうすぐお正月が来る」という気持ちの高まりや、年が変わる節目の空気感を感じ取れる点が特徴です。3歳の子供にとっては、理解するというよりも、雰囲気を味わう絵本として向いています。読み聞かせのあとに、「もうすぐお正月だね」と自然に会話を広げやすい一冊です。
「お正月がやってくる」は、年末からお正月にかけての暮らしの流れを、落ち着いた絵で描いた絵本です。大きな出来事を強調するのではなく、日々の変化を丁寧に追っているため、3歳の子供でも「いつもと違う時期」を感覚的に受け取りやすくなっています。お正月を迎える準備や時間の流れを、静かに感じたい場合に向いている一冊です。
読み聞かせの反応に不安を感じたときの考え方
読み聞かせをしていると、「あまり反応がない」「聞いていないように見える」と感じる場面もあるかもしれません。しかし、3歳の子供は、その場で理解や気持ちを言葉に表さなくても、後から行動や発言として表れることがあります。絵本の内容や雰囲気は、すぐに反応がなくても、心の中に少しずつ残っていく場合があります。
お正月絵本も、一度読んで終わりにする必要はありません。年末年始の期間に何度か繰り返し読むことで、「この前も読んだね」「これ見たことあるね」といったやりとりが生まれやすくなります。無理に理解させようとせず、子供と一緒に楽しむ時間を積み重ねることが、お正月行事に親しむきっかけにつながっていきます。
まとめ|3歳と楽しむお正月は絵本から始めてみよう
3歳の子供にとって、お正月は特別な雰囲気を感じ取ることはできても、その意味や行事の流れを理解するのはまだ難しい場合があります。そのような時期だからこそ、だるまやおもち、ごあいさつといった身近な題材が描かれた絵本は、お正月を知る大切な入り口になります。
この記事で掲載している絵本は、いずれも3歳の発達段階に配慮されており、行事を説明しすぎることなく、生活の延長としてお正月に触れられる内容です。絵本を通して行事の雰囲気を感じることで、家庭での会話が広がったり、実際のお正月体験と結びついたりするきっかけにもなります。
お正月の読み聞かせに迷ったときは、子供が興味を持ちやすい題材や、家庭の過ごし方に合った一冊から取り入れてみてください。無理に理解させようとせず、一緒に楽しむ時間を大切にすることで、行事への親しみが自然と育っていきます。ぜひ、参考にしてください。
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