お正月が近づくと、乳児と過ごす家庭でも「何か行事らしいことをしてあげたほうがいいのだろうか」「お正月の絵本は読んだほうがいいのか」と悩むかたもいますよね。初めて迎えるお正月であれば、「意味が分からないのに絵本を読んでも大丈夫なのか」「周りと比べて何もしていないようで不安」と感じることもあるでしょう。
この記事では、乳児にとっての行事絵本の捉え方を整理しながら、お正月という行事をどのように受け止めればよいのかを解説します。乳児期ならではの発達段階を踏まえ、無理のない関わり方を知りたいかたは、ぜひ、参考にしてください。
※2025年12月18日時点の情報です。
乳児期に「行事絵本」をどう捉えればよいのか
「お正月の絵本を乳児に読んだほうがいいのか」「意味が理解できないのに読んでも意味があるのか」と迷うかたもいるのではないでしょうか。結論から言うと、乳児期に行事絵本を通して何かを理解させる必要はありません。行事絵本は、学ばせるためのものではなく、生活の中で行事の雰囲気に触れるための一つの手段にすぎないからです。
乳児に行事絵本を「読まなければならない」わけではない
乳児は、「お正月とは何か」「なぜこの行事をするのか」といった意味を理解する発達段階ではありません。そのため、行事絵本を読まなかったからといって、成長や発達に影響が出ることはありません。忙しい年末年始の中で、無理に時間をつくって絵本を読もうとしなくても問題ありません。
行事絵本は理解できなくても役割を果たしている
行事絵本は、内容を理解して初めて意味を持つものではありません。絵を眺める、声に出して読まれる音を聞く、ページをめくるといった体験そのものが、乳児にとっては十分な関わりになります。最後まで聞かない、途中で飽きるといった反応も自然なもので、気にしすぎる必要はありません。
お正月は「感じる体験」だけで十分
乳児にとってのお正月は、特別な知識を得る行事ではなく、いつもと少し違う空気を感じる時間です。家族が集まる、部屋の飾りが変わる、大人の声がいつもよりにぎやかになるといった環境の変化そのものが、お正月らしさにつながります。行事絵本も、その雰囲気に触れるきっかけの一つと考えれば十分です。
乳児はお正月をどう感じているのか
お正月は、大人にとっては意味や由来のある行事ですが、乳児にとってはそのような理解は必要ありません。ただし、年末年始ならではの空気や生活の変化は、乳児なりにしっかり感じ取っています。ここでは、乳児の視点から見た「お正月の体験」を整理してみましょう。
いつもと違う空気そのものが「お正月の体験」
乳児にとってのお正月は、特別な行事というよりも「いつもと違う一日」の積み重ねです。家の中の雰囲気が変わったり、テレビや音楽の音が違っていたりするだけでも、乳児にとっては十分な刺激になります。意味は分からなくても、環境の変化そのものが体験として残っていきます。
家族の様子や声の変化に敏感に反応している
年末年始は、家族が集まる機会が増えたり、大人同士の会話が多くなったりする時期です。乳児は言葉の内容は理解できなくても、声のトーンや表情、動きの変化にはとても敏感です。にぎやかな声や笑顔が増えることで、「いつもと違う時間」を感じ取っています。
行事を理解しなくても、感じ取っていることはある
「どうせ分からないから意味がない」と思ってしまいがちですが、乳児は何も感じていないわけではありません。色や光、音、人の動きといった感覚的な情報を通して、その場の雰囲気を受け取っています。お正月という行事も、その一部として自然に体験していると考えるとよいでしょう。
特別なことをしなくても体験は成立する
乳児にお正月を体験させるために、何か特別な準備をする必要はありません。普段の生活の延長で過ごし、家族と一緒に時間を共有するだけでも十分です。行事らしいことをしなかったからといって、体験が不足することはありません。
行事絵本は「理解させる」ためのものではない
行事絵本という言葉から、「最後まで読ませなければいけない」「内容が分からせなければ意味がない」と感じてしまうかたもいるかもしれません。しかし、乳児期の絵本との関わり方は、そうした前提で考える必要はありません。ここでは、行事絵本に対して抱きがちな思い込みを整理し、乳児期に合った捉え方を確認します。
最後まで読めなくても、まったく問題ない
乳児が絵本を途中で閉じてしまったり、別のことに興味を向けたりするのは自然な反応です。行事絵本であっても、最初から最後まで通して読むことを目標にする必要はありません。ページを数枚めくっただけでも、絵を見たり声を聞いたりする体験は残っています。
反応が薄く見えても、体験は積み重なっている
読んでいる最中に表情が変わらなかったり、じっと見ていなかったりすると、「楽しんでいないのでは」と不安になることもあるでしょう。ただ、乳児は感情を分かりやすく表に出さない場合も多く、反応の有無だけで判断することはできません。見ている、聞いている、その時間自体が大切な経験になります。
行事絵本を読まない選択も間違いではない
年末年始は忙しく、絵本を読む余裕がない日もあるでしょう。行事絵本を読まなかったからといって、乳児が行事を体験できていないわけではありません。お正月の雰囲気は、すでに生活の中で十分に感じ取っています。行事絵本は、あくまで選択肢の一つにすぎません。

乳児とお正月に絵本を取り入れるなら意識したい関わり方
行事絵本は「どう読むか」よりも、「どんな気持ちで関わるか」が大切です。乳児期は、読み聞かせの形や頻度に正解があるわけではありません。ここでは、お正月に絵本を取り入れる際に、知っておくと気持ちが楽になる考え方を整理します。
長い時間を確保しようとしなくていい
乳児と絵本を読む時間は、数分程度でも十分です。お正月だからといって、特別に時間を取ったり、最初から最後まで読もうとしたりする必要はありません。少しページを開いて、絵を眺めるだけでも、絵本との関わりとして成立します。
説明を付け足さなくても問題ない
行事絵本を読む際に、「これは〇〇で」「こういう意味があって」と説明したくなるかたもいるかもしれません。しかし、乳児期には言葉の意味を理解させる必要はありません。書かれている文章をそのまま読んだり、絵を一緒に見たりするだけで十分です。
生活の流れの中で自然に取り入れる
絵本は、「読書の時間」として構えなくてもかまいません。お正月の準備の合間や、家族が集まっている時間など、生活の中で自然に取り入れることで、無理なく続けやすくなります。特別な演出をしなくても、日常の延長線上で関わることが大切です。
読まない日があっても気にしなくていい
年末年始は、生活リズムが崩れやすく、絵本を読む余裕がない日もあります。そのような日があっても、問題はありません。行事絵本を読まなかったからといって、乳児のお正月体験が不足することはないため、「できなかった」と感じる必要はありません。
お正月の行事体験は家庭ごとで違ってよい
お正月の過ごし方や行事との関わり方に、「こうしなければならない」という決まりはありません。特に乳児期は、行事をどう体験させるかよりも、日々を安心して過ごせているかが大切な時期です。ここでは、行事体験をどう捉えればよいのかを整理します。
他の家庭と比べる必要はない
周囲の話を聞いて、「何もしていない気がする」「行事らしいことができていない」と不安になるかたもいるでしょう。しかし、乳児期のお正月体験は、家庭ごとに違っていて当然です。比べることで不安になる必要はありません。
毎年同じ過ごし方でなくても問題ない
その年の生活状況や体調によって、お正月の過ごし方が変わることもあります。行事絵本を読める年もあれば、忙しくて何もできない年もあるでしょう。毎年同じ形でなくても、乳児にとっては十分な体験になります。
一緒に過ごした時間そのものが行事体験になる
乳児にとって大切なのは、「何をしたか」よりも「誰とどんな時間を過ごしたか」です。家族と一緒に過ごした穏やかな時間や、いつもと少し違う雰囲気の中で感じた体験は、少しずつ積み重なっていきます。行事絵本は、その時間を支える一つの道具にすぎません。
まとめ|乳児期のお正月と行事絵本は「感じる体験」で十分
乳児にとっての行事絵本は、意味を理解させるための教材ではありません。お正月という行事も、言葉で説明しなくても、生活の中で自然に雰囲気を感じ取っています。行事絵本は、その空気感に触れるための一つのきっかけとして捉えるだけで十分です。
お正月に行事絵本を読まなければならないと考えるよりも、できる範囲で関わることを大切にすると、負担も軽くなります。家族と一緒に過ごす時間や、いつもと少し違う空気を感じること自体が、乳児にとっては大切な行事体験です。無理のない形で、乳児期ならではのお正月と行事絵本との関わり方を取り入れてみてください。
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