1歳で指差ししないのは何故?見極めのポイントと家庭でできるサポート&アイテム

    1歳 指差し しない

    「1歳になったのに、うちの子はまだ指差しをしない…」
    「指差ししないと自閉症なのでしょうか?」

    そんな不安を感じていませんか?指差しは、乳児期の重要な発達サインのひとつとされており、意思表示や他者とのコミュニケーションを始める第一歩ともいえます。発達に個人差があるとはいえ、「本当に大丈夫?」と心配になるのは自然なことです。

    この記事では、1歳で指差しが見られない場合に確認したいポイントや、家庭でできるサポート方法についてわかりやすく解説します。必要以上に不安にならず、今できる関わり方のヒントとして、ぜひご活用ください。

    ※2025年5月14日時点の情報です。

    目次

    1歳の指差しとは?発達の目安と役割

    指差しは、乳幼児が意思や興味を他者に伝えるための重要な行動です。1歳6か月児健康診査では、「質問をすると、そのものを指差して答えられますか?」といった項目が発達確認の一つとして含まれています。

    指差しには種類があり、「見てほしいもの」を示す共感の指差しと、「欲しいもの」を示す要求の指差し「質問に答える」を示す応答の指差しがあります。これらは言語の発達や社会性の形成に関わるとされ、1歳前後から徐々に見られるようになることが一般的です。

    ただし、発達のスピードには個人差があるため、指差しがまだ見られない場合でも、他の行動や反応とあわせて全体の様子を見ていくことが大切です。

    1歳で指差しが見られない場合に考えられること

    1歳ごろに指差しが見られない場合でも、すぐに異常と判断されるわけではありません。乳幼児の発達には幅があり、行動の現れ方やタイミングには個人差があります。そのため、他の発達指標とあわせて観察することが重要です。

    「乳幼児健康診査事業実践ガイド」では、指差しが出ないことを単独で問題視するのではなく、言葉の理解、発語、視線の合い方、模倣行動など、複数の項目とあわせて確認することが推奨されています。

    自閉スペクトラム症(ASD)の早期発見において「人や物に対する関心の向け方」「社会的なやりとりの少なさ」などが一部の乳幼児に見られるといわれていますが、こうした傾向が見られた場合でも、確定的な判断は家庭では行えません。もし心配がある場合は、かかりつけの小児科や市区町村の保健センターなどに相談し、必要に応じて専門機関を受診しましょう。

    指差ししない1歳児のために家庭で確認したい発達サイン

    指差しの有無を気にする際には、指差し以外の発達のサインにも目を向けることが大切です。「1歳6か月児健康診査」では、指差しに加え、以下のような行動が確認項目に含まれています。

    • 名前を呼ぶと振り向くか
    • 指示された物を取ってくるなど、簡単な言葉を理解しているか
    • 大人の真似をして遊ぶ様子があるか
    • 表情や音に反応し、他者と関わろうとするか

    これらは、子供の発達の全体像を把握するうえで重要な観察ポイントです。

    指差しがない=自閉症とは限らない

    ご家庭でもチェックできる以下のポイントに気にかけてみましょう。

    • 呼びかけに対して反応する
    • 絵本やおもちゃに興味を示す
    • 保護者の行動を見て真似をする
    • アイコンタクトがある
    • 簡単な言葉やジェスチャーを理解している

    これらの行動が見られない場合でも、日常の中で少しずつ発達していくこともあります。ただし、不安を感じる場合や複数の行動に気がかりな点がある場合には、地域の保健センターや小児科に相談することで、必要に応じた支援やアドバイスが得られます。

    1歳で指差しを促すためにできる家庭での関わり方

    指差しは子供が自分の気持ちを伝える第一歩ともいえる行動です。1歳ごろになっても指差しが見られない場合は、日々の関わりの中でゆっくりと促していくことが大切です。無理に教え込もうとせず、「楽しい」「伝わった」という気持ちが育つようなやりとりを意識してみましょう。

    ここからは、お家で実践できる指差しの促し方をご紹介します。無理やり促すのではなく、日常生活に自然と取り込みましょう。

    ママやパパが指差しをする

    まずは、周りの大人が指差しをする様子を子供に見せましょう。生活の中でものを指さす回数を増やすことで、子供が指差しをする状況やタイミングを掴んでいきます。

    子供が興味を持ちそうなものを指差す

    ママやパパが指差しをした先に子供が興味を持つものがあることで、子供が指差しを見るようになります。動物やおもちゃなどを指しましょう。

    子供が指差すものに興味をしめす

    子供が指差しを始めたら、指をさした先にあるものを教えてあげたり、褒めたりしてあげましょう。

    すぐに対応せず、少し待ってみる

    子供が親に何かしてほしい時に、指を差さずに「とりあえず泣く」「ママを連れていく」といった行動をする場合は、すぐになにかをしてあげるのをやめて少し待ってみましょう。「これが欲しいの?」など指を指差しをして促しましょう。

    二者択一の質問をする

    ぬいぐるみや絵本を使って「どちらがぞうさんかな?」「どっちがすき?」など二者択一の質問をしながら指をさして聞いてみましょう。そうすることで、子供も真似をして指を差すようになるでしょう。

    また、慣れてきたら複数の選択肢から選ぶ質問をしていきましょう。例えば、絵本を読みながら「ぞうさんはどこかな?」と問いかけたり、「これなぁに?」一緒にページをめくっていくことで、子供が自然に指差しを始めるきっかけにつながります。また、日常の中で指差しを自然に引き出すために、知育絵本やおもちゃを活用するのも一つの方法です。

    指差しを促すサポートアイテム7選

    ここでは、家庭で使いやすく、指差しのきっかけを作れるアイテムをご紹介します。指差しを促すような使い方を心がけて質問をしたり、ママやパパが指差しをして指差しの仕方を真似するように取り組みましょう。

    指差しを促す絵本

    「ころりん・ぱ! 」は、視覚と好奇心を刺激するしかけ絵本で、ページをめくるたびにカラフルなボールがころころと転がる楽しい構成になっています。「次はどこに行った?」と問いかけながら読むことで、子供が自然と指差したりなぞったり目線を合わせたりする練習になります。絵本を通して親子のやり取りが生まれやすく、指差しを引き出すきっかけづくりになります。

    「どこかなどこかな?」は、簡単な文章と親しみやすいイラストで、物の名前と場所を楽しく覚えられる構成です。「りんごはどこ?」「くまさん見つけた!」と声をかけながら読むことで、子供の指差し行動や注視の力を育むことができます。遊び感覚で繰り返し読めるため、発達段階に合わせた関わりにも適しています。

    「きんぎょが にげた」は、「きんぎょはどこ?」というシンプルな問いかけが指差しを自然に誘います。ページごとに異なる場所に隠れているきんぎょを探すという遊びの要素があり、集中力・観察力・指差しを通じたコミュニケーションが自然に育まれます。

    絵カード

    「ことば絵カード100」は、ぐま会が監修した教材で、日常生活に登場する100の語彙が1枚ずつカードで収録されています。大きなイラストとひらがな表記が特徴で、「どれが○○かな?」と指で示す練習に活用できます。幼児期の語彙獲得をサポートするだけでなく、親子でのやりとりや指差し遊びにもおすすめです。

    「ひらがなカード 第2版」は、シンプルな構成で、ひらがな一文字ごとにイラストが添えられたカード教材です。「あ=あり」「い=いぬ」など、絵と言葉を結びつける視覚的な学びを通じて、言葉への興味が促されます。カードを見せながら「これなぁに?」「いぬさんはどっち?」などと問いかけることで、発語と同時に指差しやコミュニケーション力も引き出します。

    指先を使って遊ぶおもちゃ

    「べビラボ アンパンマン ひらいてぴょこん!」は、キャラクター・アンパンマンと一緒に遊べるしかけトイです。扉を押す動作でキャラクターが飛び出す設計になっており、予測と反応の面白さから手を伸ばす・指差す動作が自然と生まれます。1歳頃から遊べる設計で、視線の誘導や驚きのリアクションも引き出しやすいおもちゃです。

    「ディンプル かたち」は、カラフルなシリコン素材のボタンを指で押すおもちゃで、視覚と触覚の発達を促します。ポコッと音と感触が返ってくる仕組みが子供の好奇心を刺激し、手を伸ばして押す動作につながります。持ち運びしやすく、外出時の遊びにも便利です。感覚と指先の発達をサポートする知育玩具です。

    これらのアイテムは、「これ何かな?」「どこにあるかな?」といった声かけと組み合わせることで、子供の反応を引き出しやすくなります。遊びの中で楽しくやり取りすることが、指差しだけでなく、言葉や感情の発達にもつながっていきます。

    焦らず、子供のペースに合わせて、日々の中でコミュニケーションを積み重ねていくことが大切です。

    相談先と支援機関について知っておこう

    「指差しが出ないけれど、どこに相談すればいいかわからない」

    そんなふうに感じて焦ってしまうときは、一人で悩まずに、まずは身近な専門機関へ相談してみることが大切です。

    もっとも身近なのは、地域の保健センターや子育て支援センターです。母子健康手帳に記載されている相談窓口をはじめ、乳幼児健診を担当する保健師が発達や育児についての相談に応じてくれます。健診の際に気になる点があれば、その場で伝えてみましょう。

    また、かかりつけの小児科医への相談も手段のひとつです。成長や発達に関する相談に加え、必要に応じて専門機関への紹介を行ってくれる場合もあります。

    より詳しい支援が必要な場合は、各自治体に設置されている発達支援センター(療育センター)や、児童発達支援事業所などの利用が検討されることもあります。こうした機関では、臨床心理士や言語聴覚士、作業療法士などの専門職が関わり、子供の状態に合わせたサポートを提供しています。

    不安な気持ちをそのまま抱え込まず、「ちょっと聞いてみようかな」と思ったときに相談できる場があることを知っておくだけでも、心が軽くなることがあります。

    まとめ|焦らず、今できる関わりを

    1歳で指差しが見られないと、不安を感じるのは自然なことです。とはいえ、指差しのタイミングには個人差があり、他の発達の様子とあわせて見ていくことが大切です。

    家庭では、呼びかけや目線の共有、絵本を使った声かけなど、小さなやりとりの積み重ねがサポートになります。必要に応じて、専門機関への相談も選択肢のひとつです。

    子供のペースを大切にしながら、今日からできる関わりを続けていきましょう。

     #知育 #教育方法 #指差ししない #1歳 #子育て #幼児教育 #知育ママ

    ▼参考文献
    北海道ひまわりの北竜町.“発育・発達の様子 【発達の目安】”.http://www.town.hokuryu.hokkaido.jp/pdf/sukusuku/5.pdf,(参照 2025-05-14)
    ハピニィ.“1歳6か月児健康診査の手引”.https://www.hapiny.niigata.jp/download/h27_iltusairoltukagetu5.pdf,(参照 2025-05-14)
    厚生労働省.“厚生労働省におけるこれまでの取組”.https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11921000-Kodomokateikyoku-Soumuka/koremade.pdf,(参照 2025-05-14)
    厚生労働省.“乳幼児健康診査事業 実践ガイド”.https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000520614.pdf,(参照 2025-05-14)
    公益財団法人 アステラス病態代謝研究会.“自閉症スペクトラム障害の早期発見法開発”.https://www.astellas-foundation.or.jp/pdf/research/23/h23_35_tsuchiya.pdf,(参照 2025-05-14)
    LITALICO 発達ナビ.“いつも質問させて頂いています。”.https://h-navi.jp/qa/questions/46639(参照 2025-05-14)
    静岡市発達障害支援センター「きらり」.“言葉・遊びの伸ばし方”.https://www.shssc.jp/images/45.pdf(参照 2025-05-14)

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