「ずりばいは遅くて何か月にする?」
「ずりばいせずにハイハイするのは問題ですか?」
そんな赤ちゃんの姿に驚きや戸惑いを感じた経験はありませんか?
周囲と比べて「順番が違うのでは」と不安になる保護者もいるでしょう。ですが、赤ちゃんの発達には大きな個人差があり、全員が同じ順序で成長していくわけではありません。ずりばいをせずにハイハイへ移行すること自体が、問題とは限りません。この記事では、その理由や背景、見守り方について詳しく解説していきます。
※2025年6月24日時点の情報です。
ずりばいを飛ばす子もいる!それって問題?
赤ちゃんの運動発達には、いくつかの「一般的な順番」があります。一般的には、寝返り→ずりばい→ハイハイ→つかまり立ちという流れがよく紹介されます。赤ちゃんの「ずりばい」は生後7〜9か月頃に見られ始め、「ハイハイ」はその後の10〜11か月頃に移行することが多いとされています。ただし、これらはあくまで平均的な目安であり、すべての赤ちゃんがこの通りに発達するわけではありません。
なかにはずりばいをせず、いきなりハイハイを始める子もいます。
順番が違っても問題ないことが多い
発達の順番が一般的な流れと違っても、それだけで心配する必要はありません。たとえば、寝返りのあとにすぐおすわりが安定し、そのまま四つんばいでハイハイへと進む赤ちゃんもいます。こうした動き方は、運動能力が順調に育っているからこそ可能なケースもあります。
それぞれの動き方に意味がある
赤ちゃんによって、体の使い方の得意・不得意や動き出すきっかけはさまざまです。ずりばいをしないことよりも、「自分で移動しようとする意欲があるか」「全身を使ってバランスを取れているか」といった点に注目することが大切です。その子なりの動き方を尊重し、成長のプロセスを見守ることが重要です。
ずりばいしない理由は?赤ちゃんの性格や身体の使い方の違い
ずりばいをしないまま成長する赤ちゃんには、いくつかの背景があります。それは決して「発達が遅れている」わけではなく、その子の体の使い方や性格的な傾向によるものかもしれません。
筋力や体のバランスによって動き方が変わる
赤ちゃんの動きは、首・背中・お腹・腕・脚など、全身の筋力バランスによって変わってきます。腹ばいの状態が苦手な赤ちゃんや、腕の力が強くて最初から四つんばいの姿勢が安定する子は、ずりばいを飛ばしてハイハイに移行することがあります。つまり、体の使い方の特徴によって、自然と「得意な動き」が現れているのです。
性格や好奇心も影響する
また、赤ちゃんの性格によっても動き出し方は異なります。慎重に動きを試すタイプの赤ちゃんは、ずりばいよりもしっかり姿勢を保てるハイハイを好むことがあります。反対に、活発で好奇心旺盛な赤ちゃんは、いち早く周囲を探索しようとして、ずりばいを飛ばして一気にハイハイに進むケースもあります。
赤ちゃんがずりばいをしない理由は、「こうでなければいけない」といった固定されたものではなく、体の発達状況や性格的な傾向が組み合わさって自然に表れるものです。心配しすぎず、赤ちゃんの様子を丁寧に観察することが大切です。
心配すべきケースとは?チェックしたい4つのポイント
ずりばいをしない赤ちゃんでも、基本的な発達が順調であれば問題ないケースが多くあります。ただし、気になる動きや反応がある場合には、注意深く観察することが大切です。ここでは、家庭で確認しやすい4つのポイントを紹介します。
1. 他の発達ステップが見られているか
ずりばいをしていなくても、寝返りやお座りといった他の発達段階が進んでいれば、大きな心配はいりません。特に、首がすわっている・寝返りができる・おすわりで手を使って遊べるなどの動きがあれば、身体機能は順調に育っている可能性が高いです。
2. 両手両足をバランスよく動かしているか
動きに左右差が大きい、片側ばかりを使うといった傾向がある場合には、体の使い方に偏りがあるかもしれません。仰向けの状態で手足を交互に動かしているか、寝返りの際に左右どちらも使えているかを確認しましょう。
3. 呼びかけや音に対する反応があるか
運動機能だけでなく、感覚や認知面も重要です。名前を呼んだときに振り向く、音が鳴る方を見つめるといった反応があれば、聴覚や注意力が発達している証といえます。こうした反応がまったく見られない場合は、一度小児科で相談してみるのがよいでしょう。
4. 周囲への関心や自分で動こうとする意欲があるか
自分の手を見つめる・親の動きを目で追う・興味のあるものに手を伸ばすといった姿があれば、自発的な関心や行動意欲が育っています。ずりばいをしないことよりも、「自分で動こうとしているかどうか」に注目すると、今の発達の様子をより深く理解する手がかりになります。
家庭でできる!赤ちゃんの「やってみたい」を引き出す環境づくり
ずりばいやハイハイは、赤ちゃん自身が「動いてみたい」と感じたときにこそ伸びやすい動きです。大人が無理に動かそうとする必要はありません。大切なのは、赤ちゃんが興味を持って身体を動かしたくなる環境を整えてあげることです。
ポイントは「動きたくなるきっかけ」を増やすこと
赤ちゃんは、おもちゃや大人の笑顔など、興味のある対象に向かって自然と体を動かします。「あと少しで届きそう」という距離にお気に入りのおもちゃを置いたり、少し離れた場所で名前を呼びながら手を振ってみたりすることで、「動いてみたい」という気持ちが育ちます。
腹ばいの時間は無理なく・楽しく
首がすわってきた赤ちゃんには、腹ばいの姿勢を日常に取り入れていくとよいでしょう。短い時間でも繰り返すことで、腕や背中の筋肉が鍛えられ、ずりばいやハイハイの準備につながります。嫌がるようであれば、無理をせず、赤ちゃんの表情や反応を見ながら進めましょう。
親子の関わりが一番の動機づけに
「ママ・パパのところに行きたい」「声のする方に近づきたい」といった思いが、赤ちゃんの原動力になります。優しく呼びかけたり、目を合わせて微笑みかけたりするだけでも、赤ちゃんにとっては大きな刺激です。赤ちゃんが安心して動き出せるよう、あたたかく関わることが大切です。
赤ちゃんの「動きたい」を引き出すアイテム3選
赤ちゃんの動きを引き出すには、家庭内での声かけや配置だけでなく、おもちゃの工夫も有効です。以下は、赤ちゃんが「自分から動いてみよう」と感じやすい特性をもつアイテムを紹介します。
対象年齢:0か月~
サイズ:10 x 10 x 10 cm
「ミニーマウスオーボールラトル」は、軽くてやわらかく、赤ちゃんが自分の手でつかみやすいボール型のおもちゃです。床に転がすと予測できない方向に動くため、「追いかけたい」という気持ちを引き出します。指先を使う・転がす・手を伸ばすといった基本的な動きを自然に促すことができます。
対象年齢:10か月~
サイズ:33 x 5.2 x 19.5 cm
「たたいて ベビードラム」は、その名の通りたたくと音が鳴る仕組みのおもちゃで、腹ばいの姿勢でも楽しめる設計です。赤ちゃんは音が鳴る方向に注目しやすいため、「手を伸ばす→音が出る」という因果関係を楽しみながら動こうとする姿勢が育ちます。
対象年齢:0か月~
サイズ:61 x 52 x 70 cm
「えらべる回転 6WAYジムにへんしんメリー」は、ベッドメリーやおねんねジムなど、ベッドに装着したり床に置いたりして使えるアイテムです。ベビージムの形にすることで、上から吊り下げられたおもちゃに手を伸ばしたり、足をバタバタさせたりする遊びができます。色とりどりのぬいぐるみやメロディーが赤ちゃんの視線を引きつけ、寝返りやうつぶせ、手足の動きのきっかけを作るのに役立ちます。
順番が違う発達でも大丈夫?気にしすぎない見守りのコツ
赤ちゃんの発達には幅広いパターンがあることをお伝えしてきましたが、最後に大切な見守りの視点について整理しておきましょう。赤ちゃんの発達を見守るなかで、「この動きはいつまでにできるべきか」「順番が違っているのではないか」と不安になる場面は少なくありません。しかし、乳児期の発達には大きな個人差があり、「標準的な順番」通りに進まないからといって、必ずしも問題があるわけではありません。
発達のスピードよりも「その子らしい成長」に目を向ける
赤ちゃんの発達は、カレンダー通りに進むものではありません。周囲の子供と比較するのではなく、「今できることが少しずつ増えているか」「自分からやってみようとする気持ちがあるか」といった、その子の育ちに目を向けることが大切です。焦らずに日々の小さな変化を見つけていく姿勢が、赤ちゃんの安心感にもつながります。
不安なときは健診や専門機関に相談を
家庭でできる観察には限界があります。「なにか気になるけれど、判断がつかない」と感じたときには、早めに相談することで不安が和らぐこともあります。乳幼児健診や自治体の発達相談窓口、小児科や地域の保健センターなどは、発達に関する相談を受け付けています。一人で抱え込まず、周囲の専門機関を活用することもひとつの選択肢です。
赤ちゃんの成長には、「この子はこう育っている」という視点が何より大切です。順番にこだわりすぎず、赤ちゃんが見せてくれる日々の変化に、ていねいに寄り添っていきましょう。
ずりばいを飛ばしても心配しすぎないで|大切なのはその子のペースを見守ること
赤ちゃんがずりばいをせず、いきなりハイハイを始めたとしても、それは発達に問題があるとは限りません。成長の順番は一人ひとり異なり、その子なりの体の使い方や興味関心が反映されています。
大切なのは、「今できていること」や「やってみようとする意欲」を見つけ、赤ちゃんのペースに寄り添っていく姿勢です。無理に特定の動きを促すよりも、赤ちゃんが自然と動きたくなるような環境を整えることが、結果的に健やかな発達につながります。
家庭の中でできる遊びや関わりにくわえ、必要に応じて健診や発達相談などの専門機関を活用するのも良い方法です。比べるのではなく、赤ちゃん自身の「いま」を大切にしながら、安心して見守っていきましょう。
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▼参考文献
LITALICO 発達ナビ.“ずりばいとは?何か月ごろから始まる?ずりばいの練習法、ハイハイとの違い、ハイハイしない理由や発達障害との関係なども解説【小児科医監修】”.https://h-navi.jp/column/article/35026140/2,(参照 2025-06-24)
pigeon.info.“生後7ヵ月”.https://pigeon.info/soudan/soudan-27957.html,(参照 2025-06-24)
赤ちゃん&子育てインフォ .“発育・発達”.https://www.mcfh.or.jp/netsoudan/article.php?id=1666,(参照 2025-06-24)
Benesse たまひよ.“ずりばい・ハイハイが体を作る!赤ちゃんと楽しむ運動遊びのコツ”.https://st.benesse.ne.jp/ikuji/content/?id=74950,(参照 2025-06-24)
筑紫野市役所.“0歳のおもちゃ”.https://www.city.chikushino.fukuoka.jp/uploaded/attachment/11689.pdf,(参照 2025-06-24)