「10ヶ月におすすめの絵本はどれ?」
「じっとして聞いてくれないけれど大丈夫?」
と悩んでいませんか。
10ヶ月になると、ページをめくろうとしたり、気になる絵を指さしたりと、これまでとは違う反応が見られるようになります。一方で、途中で閉じてしまう、同じページばかり見るなど、「ちゃんと読めていないのでは」と不安に感じるママやパパも少なくありません。
しかし10ヶ月は、聞くだけの時期から、親子でやり取りを楽しむ段階へと変わっていく大切なタイミングです。この変化を理解して絵本を選ぶことで、絵本の時間はより豊かなコミュニケーションになります。
この記事では、10ヶ月の発達に合った絵本の選び方やおすすめの絵本、夢中になる読み聞かせのコツまで詳しく解説します。今のわが子に合う一冊を見つけるヒントとして、ぜひ、参考にしてください。
※2026年2月20日時点の情報です。
10ヶ月の発達と絵本の役割|「やり取り型」になる理由
10ヶ月になると、絵本の楽しみ方はこれまでとは少し変わります。ただ聞いているだけではなく、指をさしたり、声を出したり、ページをめくろうとしたりと、自分から関わろうとする姿が見られるようになります。この変化を理解することが、10ヶ月におすすめの絵本選びにつながります。
指差し・模倣が増える時期|見て終わりではなくなる
10ヶ月頃は、大人のしぐさや言葉をまねしようとする様子が増えます。拍手やバイバイなどの動作を再現する姿が見られることもあります。また、興味のある対象に指を伸ばす行動が少しずつ現れます。
厚生労働省の乳幼児健診に関する資料では、1歳前後に見られる発達として、身近な大人のまねをする行動や、関心のある物に注意を向ける様子が示されています。
この発達段階では、「見せる絵本」よりも「やり取りできる絵本」が合っています。たとえば、「どれかな?」と問いかけると指を伸ばす、「ワンワンだね」と声をかけると声を出して応じる、といった双方向のやり取りが生まれやすくなります。絵をただ見るのではなく、反応を引き出せる構成の絵本を選ぶことが、10ヶ月の発達に合った関わり方です。
物の存在を理解し始める|いないいないばあが盛り上がる理由
10ヶ月頃になると、目の前から見えなくなっても「まだある」と分かり始めます。これは発達心理学で「対象の永続性」と呼ばれる変化です。そのため、ページをめくると隠れていた動物が現れる構成や、布や手で隠してから見せる展開に反応しやすくなります。「次に何が出てくるか」を予測する楽しさが生まれ、同じ場面を繰り返し求めることもあります。
繰り返し読む行動は、理解が深まっている過程の一つです。毎回同じ反応でも問題はありません。予測できる流れを楽しんでいる段階です。ストーリー性よりも、変化が分かりやすい展開や、ページをめくる動作そのものを楽しめる構成が、この時期には適しています。
読む時間から関わる時間へ|10ヶ月の絵本の意味
10ヶ月は、言葉を話す直前の準備段階です。音の響きや抑揚を感じ取り、繰り返し聞くことで意味の理解が少しずつ進みます。また、大人の表情や声の強弱にも敏感に反応します。
この時期の絵本は、語彙を教えるための教材というより、親子のやり取りを育てる時間としての意味が大きくなります。最後まで読めなくても問題ありません。ページを戻る、途中で閉じる、同じ絵をじっと見るといった行動は、興味や理解が進んでいるサインです。
読み聞かせは「正しく読む」ことが目的ではありません。子供の反応に合わせて止まったり、問いかけたりすることで、やり取りの質が高まります。
10ヶ月に合う絵本の選び方|「反応が返ってくる絵本」が鍵
10ヶ月におすすめの絵本は、ただ読むだけでなく、子供の反応が自然に生まれるかどうかが選び方の目安になります。この時期は「聞く」から「関わる」段階へと変わります。発達に合った内容を選ぶことで、絵本の時間は親子のやり取りを広げる時間になります。
「どれかな?」と聞ける絵本を選ぶ|指差しを引き出せる構成が目安
10ヶ月頃は、興味のある対象に手を伸ばしたり、指で示したりする姿が見られます。そのため、動物や食べ物などが大きく分かりやすく描かれていて、「どれかな?」「わんわんはどこ?」と問いかけやすい構成の絵本が向いています。
背景が複雑すぎないものや、1ページに1つの対象が描かれているものは視線が定まりやすくなります。問いかけに対して、目で追う、指を伸ばす、声を出すといった反応が返ってくれば、それが大切なコミュニケーションの一歩です。
文字量の多さよりも、やり取りが生まれるかどうかを基準に選ぶことが、この時期のポイントです。
ページをめくりたくなる構成|変化が分かりやすい絵本が合う
10ヶ月は、自分でページを触りたがる時期でもあります。厚みのあるボードブックや、破れにくい作りのものは扱いやすく、日常的に取り入れやすい特徴があります。
また、ページをめくると隠れていたものが現れる、絵が大きく変わるといった変化がはっきりした構成は、次の展開を理解しやすくなります。繰り返し読みたがる行動は、内容を理解し始めているサインでもあります。
長い物語よりも、1ページごとに完結している絵本のほうが、この時期には取り入れやすい傾向があります。
音やリズムを楽しめる絵本|まねしやすい言葉があるかを見る
10ヶ月は、言葉を話す前段階として、音の響きやリズムを感じ取る時期です。「ぶーぶー」「ぱくぱく」などの擬音語や擬態語は、声を出すきっかけになります。
同じフレーズが繰り返される構成は、予測しやすく、音を一緒に出しやすい特徴があります。すぐに言葉として発しなくても、繰り返し聞くことで理解の土台が積み重なります。
日常生活で見かける動物や食べ物が登場する内容は、実体験と結びつきやすく、やり取りが広がりやすくなります。
途中で閉じても気にしなくてよい絵本を選ぶ
10ヶ月は集中できる時間が長くありません。最後まで読めないことや、同じページを何度も戻る行動は珍しくありません。
そのため、どのページからでも楽しめる構成や、場面ごとに区切りのある絵本が扱いやすいです。物語の順序を追う必要がある作品よりも、1場面ずつ楽しめる内容のほうが、この時期には合っています。
最後まで読むことを目標にするのではなく、親子のやり取りが生まれているかどうかを基準に選ぶことが、10ヶ月におすすめの絵本選びの考え方です。
10ヶ月におすすめの絵本8選|やり取りが広がる一冊を選ぶ
10ヶ月になると、絵本の楽しみ方は「読む」から「一緒に関わる」へと変わっていきます。指差しをしたり、ページをめくろうとしたり、声を出して反応したりと、自分から参加しようとする姿が増える時期です。ここでは、音・しかけ・擬音語・図鑑など特徴が異なる絵本をまとめています。子供の反応に合う一冊を見つける参考にしてください。
「ヤマハのピアノえほん」は、鍵盤を押すと実際に音が鳴るタイプの絵本です。10ヶ月は音への関心が高まり、自分で触って変化が起こることを楽しむ時期です。この絵本は「押すと音が出る」という因果関係を体験できる点が特徴です。ページのイラストと音を結びつけながら、「どの音かな?」と声をかけることで、ただの音遊びではなくやり取りの時間になります。物語性よりも「自分で操作できる楽しさ」を重視したい家庭に向いています。
「ぷしゅぷしゅ へんしんな~んだ?」は、穴あきしかけがあり、ページの向こう側をのぞき込める構成が特徴です。10ヶ月は視線を動かしながら確かめる行動が増えるため、穴から見えるヒントを一緒に探す関わりが生まれます。「なにに変わるかな?」と問いかけると、ページをめくる期待感が高まります。キャラクター要素だけでなく、「変化を予測する楽しさ」がある点が他の絵本との違いです。ボードブックなので丈夫で、角も丸く削られているので、10ヶ月の子供にも持たせやすいです。
「こねこが にゃあ」は、シンプルな文章と大きな絵で構成された動物絵本です。ねこが「にゃあ」と鳴く様子が繰り返し描かれており、音と対象を結びつけやすい内容になっています。10ヶ月はまだ発語前の段階ですが、聞いた音をまねしようとする準備が進む時期です。「にゃあ」と声に出して読むことで、音の響きを一緒に楽しむ時間になります。物語よりも「音と言葉の結びつき」を育てたい場合に適した一冊です。
対象年齢:0歳~
サイズ:21 x 18.6 x 0.7 cm
ページ数:20ページ
「いないいないばあ」のページをめくると顔が現れる構成は、10ヶ月の発達段階に合っています。目の前から見えなくなっても存在していると理解し始める時期のため、顔を隠す→出てくる流れを繰り返し楽しめます。単純な構造ですが、「いないいない~?」と声をかけながら読むことで、視線共有が生まれます。長く読み継がれている理由は、発達段階との一致にあります。
「ぷっくり ぽっこり」は、本の真ん中に空いた穴に指を入れて遊べるしかけ絵本です。10ヶ月は手指で確かめる行動が増える時期なので、穴から指を出す動作そのものが遊びになります。「ぷっくり」「ぽっこり」といった言葉に合わせて、指を出したり引っ込めたりすると、親子のやり取りが自然に生まれます。見て楽しむだけではなく、触る・触られる体験が中心になる点が特徴です。最後まで読ませる必要はなく、子供が反応したページを繰り返す使い方にも向いています。
対象年齢:0歳~
サイズ:18 x 1.2 x 18 cm
ページ数:16ページ
「きらっと とろり~ん」は、光や色の変化をテーマにした視覚中心の絵本です。「きらっと」「とろり〜ん」といったオノマトペが繰り返され、ページをめくるたびに印象が変わります。10ヶ月は視線の追従や、明るい色への反応が見られる時期のため、動きのある表現や色の変化は関心を引きやすい要素です。「どっちがきらっとしているかな?」と声をかけながら読むと、視線を共有する時間になります。目で感じる変化を楽しむ一冊です。
対象年齢:0歳~
サイズ:13.6 x 2.5 x 13.6 cm
ページ数:24ページ
「0・1・2さいの ことば100」は、写真やイラストで身近な物が紹介されている図鑑タイプです。10ヶ月では一人で理解するのは難しいものの、「どれかな?」と指差しを促すことでやり取りが生まれます。食べ物や動物など、日常生活と結びつく内容が多く、実体験と合わせて使いやすい点が特徴です。物語絵本とは違い、好きなページだけを開いて使えるため、集中時間が短い時期でも取り入れやすい一冊です。
対象年齢:0歳~
サイズ:13.3 x 1 x 13.3 cm
ページ数:12ページ
「はじめてのかたち」は、丸・三角・四角といった基本的な形をシンプルに示す絵本です。抽象度は高めですが、コントラストがはっきりしているため視線を向けやすい構成です。「まるはどれ?」と声をかけることで、形への関心を引き出せます。具体物中心の絵本とは異なり、視覚認識を刺激する内容が特徴です。静かにじっくり見る時間を作りたい場合に適しています。
10ヶ月が夢中になる読み聞かせのコツ|「読ませる」より「やり取り」
10ヶ月の読み聞かせでは、正確に読むことよりも、子供の反応を拾いながら進めることが大切です。この時期は、指差しや声、体の動きで気持ちを表現し始めます。読む人が一方的に進めるのではなく、子供のペースに合わせて調整することが、夢中になる時間につながります。ここでは、家庭で取り入れやすい具体的な読み方の工夫を紹介します。
声のトーンと間を使う|「音」を届ける意識で読む
10ヶ月は言葉の意味よりも、音の違いに反応します。そのため、同じ高さ・同じ速さで読み続けると単調に感じやすくなります。少し高めの声、低めの声、ゆっくり読む場面、少し早めに読む場面と変化をつけることで、音そのものが刺激になります。
たとえば「にゃあ」は柔らかく、「どーん」は低くゆっくり読むなど、言葉のイメージに合わせて声を変えます。また、「いないいない…」で一度止まり、子供の表情を見る時間をつくることも効果的です。この「間」があることで、次の展開を待つ姿が見られます。
保育の現場でも、声の抑揚をつけるだけで子供の視線が集まりやすくなります。大げさに演じる必要はありませんが、音を意識することが読み方の基本です。
子供の動きに合わせて止まる|読むスピードは固定しない
10ヶ月の時期は、ページをめくろうとしたり、特定の絵をじっと見たりすることがあります。その瞬間に読み進めるのではなく、一度止まって言葉を添えることが大切です。
例えば、指差しをしたら「これ?」と言葉にします。ページを戻したら、そのページをもう一度ゆっくり読みます。読む人が主導するのではなく、子供の動きが合図になります。
スムーズに最後まで読むことを目標にすると、やり取りは生まれにくくなります。反応があった場面で立ち止まることが、10ヶ月の読み方の特徴です。
繰り返しを「変化させながら」読む
同じ本を何度も持ってきたり読ませたりすることは珍しくありません。その際、毎回まったく同じ読み方をする必要はありません。声の高さを変える、読むスピードを変える、動作をつけるなど、小さな変化を加えると反応が広がります。
たとえば「ばあ」と言うときに顔を近づける、「どーん」と言うときに少し体を揺らすなど、動きを組み合わせると、言葉と体の動きが結びつきます。
繰り返しは飽きているのではなく、理解を深めている過程です。変化を少し加えることで、同じ絵本でも新しい体験になります。
絵本と顔が両方見える位置で読む
10ヶ月は視線を共有する力が育ち始める時期です。絵だけを見せるのではなく、読む人の顔や口元も見える姿勢を意識します。
向かい合う形や、少し斜めに抱える姿勢にすると、表情が伝わりやすくなります。子供は絵だけでなく、読む人の目や口の動きを観察しています。声と表情が一致することで、言葉の理解が進みやすくなります。
読み方の基本は、文字を追うことではなく、子供と同じものを見ている状態を作ることです。
まとめ|10ヶ月におすすめの絵本は関わり方で変わる
10ヶ月は、ただ聞くだけの時期から、自分から関わろうとする段階へと発達が進むタイミングです。指差しをしたり、ページをめくろうとしたり、同じ場面を何度も求めたりする行動は、理解や興味が広がっているサインです。
この時期の絵本選びでは、物語の長さよりも、やり取りが生まれるかどうかを基準にすることが大切です。音が出るタイプ、穴あきしかけ、オノマトペ中心の作品、図鑑形式など、特徴はさまざまですが、子供の反応に合わせて関われる一冊が合っています。
読み聞かせでは、最後まで読むことを目標にする必要はありません。声の抑揚や間を意識し、子供の動きに合わせて止まることで、絵本の時間はより豊かなやり取りの時間になります。同じ本を繰り返すことも自然な行動です。
10ヶ月におすすめの絵本は、「どの本が正解か」ではなく、「どう関わるか」で印象が変わります。今のわが子の反応を見ながら、一冊をゆっくり楽しんでみてください。
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参考文献
北海道ひまわりの北竜町 明るい農法.“発育・発達の様子【発達の目安】”.http://www.town.hokuryu.hokkaido.jp/pdf/sukusuku/5.pdf,(参照 2026-02-20)
国⽴研究開発法⼈ 国⽴成育医療研究センター.“乳幼児健康診査事業
実践ガイド”.https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000520614.pdf,(参照 2026-02-20)
