「パーテンの遊びの発達分類は?」
「遊び方で社会性が育つって本当?」
そんな疑問に答えるために、発達心理学者パーテンの6分類をご紹介します。
子供の遊びは、学びを得るための重要な活動のひとつです。特に幼い子供にとって、遊びは脳の発達を促す活動でもあります。子供は遊びを通じて言語能力や認知能力を高めながら、感情を制御する術も学んでいきます。遊びを通じて他者と関わることで、コミュニケーション能力が育まれるのです。
子供の遊び方は段階的に変化します。アメリカの発達心理学者であるミルドレッド・パーテンは「遊びの発達段階」を研究し、それが6つに分類できることを提唱しました。パーテンが示した6つの分類に合わせて子供に最適な遊び方を提供することで、より良い成長が期待できるでしょう。
この記事では、パーテンが提唱した遊びの発達分類について解説し、発達分類ごとにおすすめのおもちゃを紹介します。是非、子育ての参考にしてみてください。
※2025年4月18日時点の情報です。
パーテンが提唱した遊びの発達分類とは?
パーテンは子供における遊びの発達段階を研究し、6つの遊びの発達分類を提唱しました。パーテンはこの研究で、子供の遊び方は年齢に合わせて段階的に変化し、社会性の発達とも密接に関係していることを発見したのです。子供の遊びには、発達において重要な意味があるといえるでしょう。
ここからは、パーテンが示した6つの発達分類を項目ごとに解説します。
①何もしない遊び
生後0か月~3か月頃の赤ちゃんは、目的なく体を動かしたり、周囲をぼんやりと見つめたりします。赤ちゃんはこうして周囲の世界を観察し、刺激を受けることで学んでいるのです。親御さんは静かに見守ってあげてください。
この発達分類は遊びとはいえないかもしれませんが、今後の遊びの土台を作る段階といえます。
②一人遊び
何もしない遊びから段階が進むと、子供は他人の存在を気にせずに自分の世界だけで遊ぶようになります。この時期は、自分の興味があるものに集中するため、隣で別の子供が違う遊びをしていても、関心を示さないことが多いでしょう。親御さんとしては、一人遊びに集中できる環境を整えることが大切です。
興味を示さない=社会性がない、と心配する必要はありません。自分自身とそれを取り巻く世界を認識しつつ、集中力や想像力を育む段階なのです。こうした経験は、将来的に他者と関わる社会性のある遊びにつながっていきます。ただし、おもちゃの取り合いは起きてしまうので注意が必要です。
③傍観遊び
生後24か月ほどになると、ほかの子供の遊びに興味を示すようになります。話しかけてコミュニケーションが取れることもありますが、遊びに参加せず、誰かが遊んでいる様子をじっと観察することが多いでしょう。つまり他の子を観察するだけの段階です。これは単に遠慮しているわけではなく、観察することで遊び方やコミュニケーションの方法を学んでいるのです。
④平行遊び
2歳を過ぎる頃になると、ほかの子供の近くで似た遊びをし始めます。これを平行遊びといいますが、「並行遊び」と表現することもあります。ほかの子供との交流は少ないものの、他者の存在や行動を意識する段階です。
この段階は他者と社会的な遊びをするための、重要な準備段階になります。
⑤連合遊び
3歳から4歳頃になると、連合遊びと呼ばれる段階に入ります。複数人で同じ遊びをしているように見えますが、それぞれの子供が自由に行動しており、まだルールや目標を共有しているわけではありません。
例えば、おままごとでみんながキッチン道具で遊んでいても、「お母さん役」「子供役」などの役割分担はせず、各自が好きに遊んでいるような状態です。
この段階では、他者と関わる中で多くの社会的な学びを得て、他者と関わるためのスキルや考え方も身につけていきます。ほかの子供と交流する機会が多くなることで、トラブルに発展することも増えるでしょう。そうした経験も学びのひとつではありますが、親御さんが適切にフォローしていくことも大切です。
⑥協同遊び
4歳を超えてくると、複数人の子供たちで役割分担をしながら、共通の目標に向かって遊ぶようになります。おままごとは、その遊びの代表例といえるでしょう。この段階を協同遊びといいます。ルールを守って遊ぶこともできるようになるため、遊びの幅も増えていきます。役割分担することで、リーダーシップを発揮する子供が現れるなど、それぞれの個性も現れ始めます。他者と協力して目標を達成し、一緒に問題を解決する経験をすることで、より高度な社会性が育まれるのです。
※連合遊びと協同遊びの違いは?
連合遊びと協同遊びの違いは、明確な目標の有無です。連合遊びでは、子供同士が同じ空間で似た遊びをしているものの、明確な目標を持って一緒に遊ぶことはほぼありません。
対して、協同遊びの特徴は子供同士が明確な目標を持ち、役割分担をしながら遊ぶことです。協同遊びは、組織的なチームワークを基にした遊びといえます。連合遊びはあくまでも、横の繋がりに過ぎません。
パーテンが提唱したのは、発達段階ではない!
勘違いされがちですが、パーテンが提唱したのは遊びの発達段階そのものではなく、遊びの分類です。発達段階を研究した末に提唱したものであるため、関係してはいますが、あくまでも遊びのタイプ分けです。そのため、パーテンの遊びの分類とは発達過程を示すものではない、ということを頭に入れておいてください。
一人遊びにおすすめのおもちゃ3選
ここからは、一人遊びにおすすめのおもちゃを3つ紹介します。子供の好みに合わせつつ、好奇心が刺激されそうなおもちゃを選んであげてください。
対象年齢:1歳~
サイズ:49 x 9 x 9 cm; 215 g
「天才脳つみかさねカップ」は、数字が書かれた10個のカップを重ねたり崩したりするなかで、遊びながら数の概念に自然と親しめます。大きさの違いや並べ方を工夫するうちに、空間認識や手先の器用さもぐんぐん育ちます。
カップ1つひとつに遊びのバリエーションがあるから、飽きにくく、長く遊べるのもうれしいポイント。収納もコンパクトで、お出かけのお供にもおすすめです。
対象年齢:0歳以上
サイズ:17.5 x 13 x 13 cm; 470 g
「ピタリコ」は知育ブロックのひとつで、吸盤が付いていることが特徴です。吸盤で貼り付けることで床だけでなく、壁やお風呂場も遊び場になります。パーツを組み合わせて立体的な作品を作れば、空間把握能力や想像力を育むことができます。ケースが型はめパズルになっているため、図形の認識能力の成長も期待できるでしょう。濡れても問題ない素材のため、お風呂でも楽しめます。
対象年齢:8か月~
サイズ:7.2 x 11.1 x 9.7 cm; 80 g
トイローヤルの「ラ♪の音のゆびあそびラッパ」は、吹くことで音が鳴るラッパのおもちゃです。ラッパを吹くことで、言語の発達を促せるおもちゃです。このおもちゃは無塗装で、ねじも使用していません。。そのため、子供の誤飲を気にせず安心して遊ばせることができます。さらに、水やぬるま湯での丸洗いできるので、衛生的に使えます。
平行遊びにおすすめのおもちゃ3選
ここからは、平行遊びにおすすめのおもちゃを紹介します。平行遊びでは他者の存在を意識しつつも、多くの子供たちは自分の世界で遊んでいます。ここでは集中して、自分の世界観に入り込めるようなおもちゃを紹介します。
対象年齢:1歳~
サイズ:52 x 52 x 0.5 cm; 234 g
「miffyはじめてのスイスイおえかき」の特徴は、水でお絵描きができるので、床や壁を汚す心配がありません。描いたものは乾くと消えるため、何回でも繰り返し遊べます。水で手や足を濡らせば、手形や足形をとって楽しめるため、子供の興味に合わせた幅広い遊びが可能です。シートの周囲には動物や数字のイラストが描かれているので、学習にも役立ちます。正しい握り方の練習になるように、ペンの形は人間工学に基づいて設計されているので、正しい持ち方を促せます。
対象年齢:1歳~
サイズ:35.1 x 25.4 x 5.6 cm; 2.63 kg
キョクトウ・アソシエイツの「おえかきちょう」には、お絵描きや文字練習に使えるページのほかに、ぬり絵ができるページもあります。サイズが大きいのでのびのび使えて、シンプルな扱いやすさが魅力です。
クーピーでお馴染みのサクラクレパスの「水でおとせるクレヨン」は、床や机を汚しても、濡れた布やウェットティッシュなどで簡単に拭き取れます。もちろん、手についたクレヨンの汚れも水で落とせます。子供の手でも扱いやすい太めのフォルムをしているため、適切な筆圧でお絵描きを楽しめます。
連合遊びにおすすめのおもちゃ3選
ここからは、連合遊びにおすすめのおもちゃを紹介します。自分の世界のなかで興味を維持しながら複数人で遊べるおもちゃを選びました。
サイズ:35 x 19 x 10 cm; 1.12 kg
「アンパンマンねんどこうじょう」には、6色の粘土のほかにキャラクターやパンの型、作品制作に便利な6種の道具が入っています。カラフルな粘土を使って創造力を育むことで、自然に色彩感覚や指先の発達が期待できます。
対象年齢:3歳~
サイズ:2.5 x 2.5 x 2.5 cm; 1.05 kg
「図形キューブつみき」は、木製のケースに、5色のキューブ型のつみきが各色10個ずつ入っています。18枚のパターンカード(36問)があり、平面や立体の作品を作ることで子供の空間認識能力を育みます。特に立体の問題では見えない部分を想像して作品を作るため、想像力も鍛えられます。
対象年齢:3歳~
サイズ:21.6 x 13.7 x 13.4 cm; 1.04 kg
このおもちゃには木製のツールボックスやボード、工具の数々が入っており、本格的な大工さんごっこを楽しめます。ツールボックスやボードを使ってさまざまなモチーフの作品を作れるほか、パーツの組み合わせ次第で自由な作品作りも可能です。
協同遊びにおすすめのおもちゃ2選
ここからは、協同遊びにおすすめのおもちゃをまとめています。複数人で協力しながら、楽しみつつ遊べるおもちゃを選びました。もちろん、1人で遊ぶことも可能です。
対象年齢:4歳~
サイズ:18 x 10 x 26 cm; 620 g
Qizebabyが販売する、アフタヌーンティーのおままごとができるおもちゃです。色鮮やかなデザインが特徴的で、可愛らしい見た目は子供の興味を引くでしょう。いわゆる「ごっこ遊び」を楽しみながら、社会性や創造力や手先知育の発達にも役立ちます。
対象年齢:3歳~
サイズ:23 x 17 x 11 cm; 870 g
「チュービック」は、チューブを繋げるという新感覚の遊び方で、さまざまな作品を作れる知育玩具です。子供の創造力や思考力を高め、手指の発達を促す遊びとしておすすめです。。さらに、作品を作る過程で、集中力も磨かれるでしょう。1人で遊べるのはもちろん、パーツが570個と大容量のため、複数人でも遊べます。協力して組み立てできるので、まさに共同遊びにおすすめのおもちゃです。
まとめ|遊びの発達を理解して、子供の成長をサポートしよう
子供の遊びは、単なる楽しみではなく「成長そのもの」です。パーテンが提唱した6つの遊びの発達分類を理解することで、子供の社会性や発達段階に合った遊び方を見極められるようになります。それぞれの段階にふさわしいおもちゃを選ぶことで、興味や集中力を引き出し、より豊かな学びにつなげることができます。
子供の成長は一人ひとり異なりますが、「今どの段階なのか」を知ることは親にとって大きな手がかりになります。ぜひこの記事を参考に、今の遊び方を楽しみながら、次のステップへの準備をしてみてください。
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▼参考文献
学校法人 北丘学園 北岡幼稚園.“「遊び」の分類”.
https://www.kitaoka-youchien.ed.jp/blog/2022/05/30/107,(参照 2025-04-18)
おもちゃのサブスク ChaChaCha.“パーテンの遊びの分類とは?年齢別発達段階と遊び方を徹底解説”.
https://chachacha-toy.com/column/parten-6play/,(参照 2025-04-18)